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ふらふらの果てに朗らか止まらない

2021.4.19(月曜日) like to be a free spirit.

風がやんだ。

昨日、一昨日とものすごい強風が吹き荒れていたのが嘘のような穏やかな朝だ。でも私の体はそんなに爽やかでもなくて、どちらかというとどんよりとしている。最近お酒の量が増えたのだ。楽しくて飲み、嬉しくて飲み、ムカついて飲み、意味なく飲み。こうやって客観的に書いてみると完全に昭和の酒飲みオヤジではないかと自分でおかしくなる。朝食はパスして栄養ドリンクを飲む。

「どこか悪いの?」

「いや、ちょっと飲みすぎただけ」

「そう、それならいいけど」

「うん」

と、夫と朝の会話をする。「飲みすぎた」に対して「それならいいけど」という反応は、他の家庭では成り立たない会話かもしれないが、うちはこれで成り立つから私としてはとても楽だ。「あまり飲まない方がいいよ」とか「お酒は適量でね」とかいう言葉を私にかけていいのは主治医くらいだ。お酒の量が増えるということは気分の問題もあるのだろうが、酒の肴の問題もある。美味しいものがあるとお酒が進む。美味しいものがない時はほとんど飲まない。先日、沖縄の方から「島らっきょう」を頂いた。これは飲めっていう合図だと思っている。

昨日から中上健次の枯木灘を読み始めた。これは難儀だ。読み始めて難儀だと思って、「なんでこれを選んでしまったのかなぁ」と反省するが、選んだのには自分でもわからない理由がきっとあるはずだと「難儀やなぁ」と思いながらもゆっくり読んでいる。気持ちの緩和材として傍にバカバカしい本も置いてある。バカバカしいと表現してしまったので作者やタイトルは伏せるが、中上健次が疲れたらこの本で大笑いをして心の緩和を図っている。

難しい漢字を見つけて調べている最中に、突然固定電話がなった。びっくりして膝を机にぶつけてしまう。固定電話は今となっては半年に一回くらいしかならない。私の中ではもう忘れ去られた存在で本棚の奥の方に置いてあって見ることもない。でも電源は繋がっているからかかってくればなる。それは理解しているが、本棚の奥からあの古めかしい呼び出し音が突然なるとびっくりする。本を取り除いて電話機を見てみたが知らない電話番号だったから出ることはない。8回くらいなって切れた。破棄できないのだろうかと思うが、いつか「あぁ、これがあってよかった」と思う日が来るのだろうか?何十年か後にプレミアがついてメルカリとかで高値で売買される日が来るとか...昭和の形見として博物館に飾られる日が来るとか...

妄想は尽きない。

これから島らっきょうの皮むきをする。

楽しみしかない。








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