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鉄鉱石で途方に暮れる中国、みんなの予想破って笑うオーストラリア

鉄鉱石で途方に暮れる中国、みんなの予想破って笑うオーストラリア

一点。このニュースサイトで、豪州の鉄鉱石運搬船、Iron ore carrier ”HL Green(HLグリーン)”の後ろからの写真が掲載されています。左右にどでかい橙色のタンクがありまして、鉱石運搬船ってこれ?とか勘違いしますが、
HL Greenは液化天然ガス(LNG)駆動の船なので、鉱石運搬には関係ありません

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こういう紛らわしい写真は掲載してはいけないね?

◇中国教授「これ以上使える経済報復カードなく」

両国の貿易戦争でオーストラリアの優位は当分続く見通しです。まず2つの経済大国である米国と中国で原材料確保戦が激しくなりました。バイデン米大統領は2兆ドル規模のインフラ投資計画を明らかにし、中国も成長率を上げるため5000億ドル規模のインフラ投資計画を立てました。

世界的にも新型コロナウイルス後の景気回復にともなう需要が急増し鉄鉱石などの原材料はすでに「スーパーサイクル」に入ったという意見(JPモルガン、ゴールドマンサックスなど)が出ています。韓国も鉄鋼が不足し全産業界が哭声を出しています。鉄鋼は電気自動車市場が大きくなり国が主導するインフラ投資以外にも需要が多いです。

その上に中国は2060年までに炭素排出減少目標を達成するため鉄鋼生産にブレーキがかかった状態です。

香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、昨年中国はオーストラリアの鉄鉱石会社に「わざと供給を抑えているのではないか」と抗議もしたといいます。5日には中国政府が「オーストラリアとの戦略的対話を無期限中断する」と宣言しましたが、中国復旦大学の国際関係学者である宋魯鄭教授は「使える経済報復カードを使い果たしたため」と分析したりもしました。

◇当分オーストラリアの優位続きそう

結局中国がオーストラリアに最も大きな打撃を与えることができるカードは「鉄鉱石輸入中断」だけですが、これは使うことのできないカードです。中国が輸入を中断すればオーストラリアが短期的に打撃を受けるかもしれませんが、鉄鋼需要がある限り中国に代わる輸入国は現れるだろうという見通しも出てきます。

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