バール
小説書きでミニチュアゲーマー。おもにSFを好み、三度の飯よりセンスオブワンダーが好き。…
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かいぶつのうまれたひ #31
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篤のウサ耳やウサ脚やウサ眼が、一斉に変化したのだ。
「おおう……」
唐突に変異した脚の構造ゆえ、バランスを崩しかける篤。
藍浬に支えられながら、篤は自分の体を眺める。
五体全てが人間に戻っていた。
頭に手をやると、ウサ耳も消えていた。
「むむむ、消えてしまったか……」
同時に、全身の傷が、かすり傷程度にまで小さく浅くなっていた。
さすがに失った血までは元に戻らなかったせ
かいぶつのうまれたひ #27
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つまさき。
鳩尾にめり込むものの正体は、それだった。
篤は自らの体を見下ろし、血の混じった胃液をグラシャラボラス。
不意に手足が言うことを聞かなくなり、尻餅をつくように崩れ落ちた。
……超反応クロスカウンター。
タグトゥマダークは、突進してくる篤の鳩尾へ、神速の前蹴りを叩き込んでいた。
バス停による斬撃ではないとはいえ、内力操作によって強化された脚力と、篤の踏み込みの勢