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音楽とことば〜根を同じくするもの

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音楽についてのnoteを集めます。ことばについてのnoteも集めます。どちらも、人間の鳴き声、歌声であるという点で、本質的に同じなので、分離するのが不可能です。
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2019年9月の記事一覧

敷居を下げる事よりも伝える能力を

私が最近、周りに良く話していることは、 クラシック演奏家やクラシック音楽を職業としている人は、 少なからずクラシック音楽を演奏以外で伝える義務があるということ。 私自身、学生の頃からずっとクラシック音楽を勉強してきて、何ができるかいつも考えていました。 それは、自身が音楽を通じて、 何をしていけるのか、何か世の為人の為、自分の為に、と考えるようになってからです。 基盤となる知識がないと、入りづらいクラシック音楽。 身近に感じてもらおうと、 同期とグループを組み、自主

今日はイタリアに関する雑学。 イタリア人は音楽好きが多いのですが、「ヘッドホン」は当初全く売れなかったとか。 それは、音楽は家族や友人と共に楽しむという彼らの価値観が影響しているそうです。 古い諺には「一人きりで食事するものは一人きりで死ぬ」とも。 ちょっと考えさせられますね…。

文字は言葉か?

縄文時代は文字がなかった時代だ。土器にも、土偶にも、土版や石板にも、文字というものは今のところ発見されていない。タイトルの写真はなにかしらの意味のある記号のようで、それともただの文様のようで、その意味はまるでわかっていない。 「文字がなかったってことは言葉もなかったの?」と、時折言われる。 そんなわけはない。「はじめに言葉ありき」というあの有名な決め台詞を知らないのだろうか、言葉の歴史は文字の歴史の何倍も古く、世界中のどんな民族にも言語はあり、どんな民俗事例をみても言語より

子どもが、長調と短調が聴き分けられない、というので、曲を聴きながら「はいここ、短調……で、今は長調」とかやってるうちに、「いや、あたし、どうして雰囲気で分かるんだ?てか、いつどこで習った?」ってもやもやしてきて、そのうち、ほんとにこれで合ってるのか、自信もぐらついてきたりして……

マーラー「角笛」とニールセン「四つの気質」②〜生きろ、歌え!そして幸せになれ【C.Nielsen】《私的北欧音楽館》

 2019年9月1日(日)放送の「クラシック音楽館」(NHK)の感想、今回はマーラーとニールセンの類似点と相違について根掘り葉掘りしてみたいと思います。 N響第1915回定期公演 (2019年6月8日、NHKホール) 指揮 パーヴォ・ヤルヴィ   マーラー こどもの不思議な角笛      (バリトン マティアス・ゲルネ)   ニールセン(ニルセン) 交響曲 第2番 ロ短調 作品16           「四つの気質」   ニールセンは日本ではマイナーなので、演奏会で耳にす

マーラー「角笛」とニールセン「四つの気質」①〜このロクでもない世の中にすら、素晴らしさはある【C.Nielsen】《私的北欧音楽館》

ニールセン (C.Nielsen) 作曲 Symfoni nr. 2 “De Fire Temperamenter” (CNW26 /1901〜02年)    交響曲 第2番「四つの気質」op.16  2019年9月1日(日)放送の「クラシック音楽館」(NHK)、予想を超えてよい演奏で、しかも、よく練られたプログラムだったので、予定外ではありますが、感想を書き残しておきたいと思います。 N響第1915回定期公演 (2019年6月8日、NHKホール) 指揮 パーヴォ・ヤルヴ