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コトバへの興味が覚醒した瞬間の飛躍の話。

「当たり前」というのはどうやらオトナが抱える病のような、気が付くとそこにあるメガネの汚れのようなものらしいです。

僕は普段、少し特徴的な子どもたちと接していますが、そのほとんどは「基本的な知識」を持っていないくせに、オトナがよく使う教科書どおりのセリフには精通していることが多い。

だから例えば算数が苦手な子なんかは、必殺技のように、「別に自分で計算しなくても電卓あるじゃないですか」とか言って、「ちゃんと勉強しないと大人になってから大変だよ」なんてセリフを吐くオトナに食ってかかる。

で、僕はというと、


僕もそういう「歩く教科書」は大嫌い。

だからそういう教科書どおりなことは言いたくないし言わない。

そして彼らが無意識に、そして実はわかっていないのに「常識」と思って使っているコトバと知識に針を刺す。

「じゃ、昨日の50m走の全員の平均ってどうやったら計算できるの?電卓使っていいから計算してあとで教えて。」とか言って。



先日はこんなことがありました。

いくつかの宿題を出して「必ず1から順番にやって」と指示をしたのに、数日後に確認したら、全部やってはいるものの、「あーこりゃ順番守らなかったな」って感じに見えたから、「順番守らなかったろ?」って聞いたんです。

(短い作文で、順番にやると徐々に考え方が深まるように作ったつもりだったから、なんとなくわかったんです)

そしたら平気な顔して、

「別に全部やったんだから順番なんでどうでもよくないですか?」なんて答えてる。

当然ここからが面白い。

「あのさぁ、カレー作るのに煮込んでから切るの大変じゃない?切ってから煮こまないとおいしくもならんのだよ。」


ま、こりゃ単純に屁理屈ですからね、無理やり納得すればこっちのもんってやつで、大概は「そうですか」ってなるんですけどね、時々そういう予想を超えてくるのがいる。


「でもカレーライスとライスカレーってほぼ一緒じゃないですか」って。


こりゃ一本取られたと思いましたね。

厳密には微妙に違うんだけど、そもそもこっちが屁理屈で丸め込もうとしてるもんだからこの返しは面白い。

とは言えそのままでは引き下がれないのでもう一声。(こういうのはボクシングなんかと同じで、引いたら面白くないと僕は思う。)


「それだってほんとに同じならなんで言い方が2つもあるのさ?微妙でも違うから名前が違うんだろ?」


で、いっちょ前に反論はするけどやっぱり少し抜けてるので、ここから先はもう「課題の順番」の話じゃなくなっちゃう。「確かになぁ」なんて顔してまじめにカレーライスとライスカレーの違いを考えてるから面白い。で、「じゃ、それも調べといて!」とか言って話切り上げたら、30分後くらいにすっ飛んできてこう言ったんです。


「カレーはどっちの呼び方でも使ってる言葉一緒だし、腹に入るものも一緒じゃないですか。でも今川焼きとたい焼きってなんで呼び方違うんですかね?」


こういうことを、超まじめな顔して、真剣に悩んで聞いてくる。

そんな17歳。
一体どういう思考でそこに疑問を持ったんだかまったくわからん笑
というかツッコミどころが多すぎる!


思わず腹抱えて大笑いしながら、
「たい焼きとか言うくせにたい焼いてないですよね?」
とか次々湧いてくる疑問を少しずつほどいていきましたとさ。



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あべ@be

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今日はこんな子育てしてみました

本日もご一読感謝。

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