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広河隆一氏とデイズジャパンの事件について謝罪・慰謝賠償による責任履行と二次加害行為の終結を求めます — BDS japan有志ステートメント

わたしたちは、広河隆一氏と株式会社デイズジャパンによる性暴力、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、労働搾取事件を受け、何よりもまず、加害を被られた多くの方々に、連帯の意思を表明し、尊厳への敬意を捧げ、被害から回復されますことを第一に願っております。そのためにも、またこういったハラスメントが日常化している日本社会を変えていくためにも、共に考え、取り組んでいきたいと思います。

広河氏、そしてデイズジャパンは、イスラエルによる入植型植民地主義とパレスチナ占領支配、戦時性暴力、権力による圧政・腐敗などの惨状とそこに生きる人々を取材報道しながら、同時に、その構図をなぞって、自らの身の回りで性的加害と人権侵害を繰り返していたことが、被害者らによる告発記事やデイズジャパン検証委員会報告書により明らかになりました。報告書は、広河氏らがこの深刻な加害の現実を直視して、重大な責任を担い、明確に謝罪し、被害者に慰謝賠償するべきであると勧告しています。広河氏とデイズジャパン経営陣は、そうした責務を最大限果たし、誠意をもって被害者の方々への損害賠償・慰謝の措置等にあたるよう求めます。 

報道によれば、法手続き的には、複数の被害者がデイズジャパン社に対し損害賠償を請求しており、これを受けて同社が破産申請を行ったため、6月に東京地裁で債権者集会が予定されているとのことです。同社が可能な限りの誠実な対応を取るよう注目するとともに、非常に憂慮されるのは、広河氏が前述のような責務を未だに全く果たそうとしていない現状です。

広河氏は、仕事を通じて築いてきた地位や名声に乗じ、長期に渡り複数の被害者を苦しめ、周囲はそれを黙認・隠蔽してきました。そして今、広河氏本人による加害否認や責任回避という二次加害が起こっています。さらに、そうした不正義に居直る広河氏を擁護し、それに同調・加担するような団体や関係者も出現してしまっています。

広河氏が真摯に反省しない態度を取り続けている一因として、わたしたちパレスチナ問題と関わってきた者や、彼の周囲の人々の社会的沈黙(暗黙の容認、彼の言動に内心批判的ではあるが声を上げる気運が乏しいこと、彼と関係を断つことで終わりにすること、無関心等)も挙げられると思います。それが彼に居直りの余地を与え、構造を温存し、二次加害の発生にも繋がることになっていはしないか、わたしたちも自戒を込めて本声明を出すことにしました。わたしたちは、被害者の方たちの尊厳が守られる社会の実現を願う者として、性暴力・人権侵害を許さず、再発防止に取り組む土壌作りを呼びかけたいと考えます。

事件は、そして、その背後にある家父長制や性差別、権威主義や「大義」の硬直化といった構造的問題は現在進行形であり、他の社会運動や業界・職場においても無縁ではなく、よりよい未来を築くための課題として存在しています。世界的に見てもジェンダーギャップ指数順位が著しく低い日本では、性差別に対する闘いはまだまだこれからも続きます。この事件で傷ついた方々の苦しみが無駄にならないよう、日本がすべての人々にとってより住みやすい社会となるよう、わたしたちは性差別・性暴力・ハラスメントをなくすべく、これからも声を上げて行きたいと思います。

BDS japan有志

[連絡先:bdsjplus☆gmail.com (☆を@に入れ替えてください)]

〔メインイメージ写真について〕2019年9月26日、数千人のパレスチナ人女性達が、女性に対する暴力に抗議する街頭デモを各地で行った。この運動は、Israa Gharibさんが親族による"名誉殺人"で命を失った事件をきっかけとして呼びかけられた。写真は西岸地区ラマッラーとガザ地区ラファ、Peoples Dispatchより。
https://peoplesdispatch.org/2019/09/30/in-photos-there-is-no-free-homeland-without-womens-freedom/

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