ヒトを育てようとするから離職する
どうも、
マサキタカシでございます。
美容師の離職率は年々高くなっていて、新卒入社1年以内の離職率は約50%、3年以内の離職率約70%、10年経つと約90%が美容師を辞めているという、非常に高い数字です。
上がり続ける離職率。何故ここまで離職率が高い業界なのでしょうか?
離職率が高い=魅力的な業界ではない
ここまで離職率が高い職業は他にあるのでしょうか?
色々調べてみると宿泊業界とか飲食業界とかも離職率や人の入れ替えが激しいみたいです。
とはいえ、美容師って国家資格です。
しかも美容師が好きで目指し2年間かけて国家資格をとるのに、それでも辞めてしまうという結果に。
よく業界の労働環境が問題視されていますが、労働環境だけではない部分もあると考えています。
どちらにしても、離職率が高い美容師は本当に魅力的な業界とは言えません。
近年はワークライフバランスに取り組み、環境改善に尽力しているサロンも増えてはきていますが、それ以外で離職率が高い原因について僕の考えを伝えていきます。
ヒトを育てようとすることが美容師の離職を高める原因に?!
これは経営者でもそうですが、美容師誰にでも当てはまることです。
特に僕たち世代の美容師は気合と根性で育ってきた美容師が多いので、色々なことを言われる免疫がついています。
基本的に美容室は【教育機関】という考え方を持った方が経営者、従業員問わずに多いような気がします。
共通点としてはすぐに【個にフォーカスする】ことです。
「〇〇さんが〜・・・・」って一人のヒトに対して求めたりすることって多いと思うんですよ。
求めるということは、逆を返せばそのヒトにもっとこうなって欲しいという想いがあるからです。
けどその想いも思いやりなので、求めているヒトからすると一切悪気はありません。
ヒトに対して「もっとこうした方が良いよ」、とか「もっとこうなって欲しい」とか「あなたの為に」って思ったりすることの何が悪いかわからないでしょうが、根本的にはそれをしてしまうから、美容師は離職するのだと考えています。
求めるということは、それだけ期待しているということです。
これはこちらが相手に求めている一方的な感情です。
では相手の立場を考えてみるとどうでしょうか?
相手の気持ちをあなたは直接聞きましたか?
何故できないのか?何故そう行動したのか?
相手の本当の気持ちを理解していないと、自分と相手との間に溝ができているので、伝わるものも伝わらなくなることがあります。
何故ならコミュニケーションの本質は「聴く」ことだからです。
だけどみんな自分が思う正義を相手に押しつけすぎなんです。
目的は何かというと自分の想いを伝えたいことじゃなくて、相手によくなって欲しいことですよね?
相手との想いのギャップで徐々に関係性が悪化して、結果離職に繋がることってめちゃくちゃ多いんです。
ですが、そこに離職の原因があることはほとんどのヒトは気付けずにいます。
「あの人のことを思ってこんなに言ってあげてるのに、伝わらない」となってしまうんです。
もう一度言いますが、もうこの時点で本来の目的を見失っていますよね。
目的は自分の伝えたいことを伝えることではなく、【相手を良い方向へ導いていく】ことですからね。
ヒトを育てることを辞めると、ヒトは成長します。
これは僕の最強の経験からまず間違いない一つの理論です。
ヒトを育てることを辞めると、ヒトは成長します。
どういうことかというと、ヒトが育つ環境を創ればヒトは勝手に成長します。
わかりやすい例をあげますね。
カラー剤を選定して、アシスタントの子にカラーの薬剤を調合してもらうことを何年も繰り返しても、
そのアシスタントの子はカラーの調合を自分でできるようにはなりません。
ですが、ただカラー剤を作ってもらうだけではなく、何故このような選定にしたのかを伝えたり、時にはカラーの選定をどした方が良いと思うかを考えてもらったりすることを続けていけば、アシスタントでも自分一人でカラーの選定をできるようになります。
これがカラーの選定を考えてもらうという環境を創ったということです。
もっとシンプルなのがスタッフ3人のお店で、2人がスタイリスト、1人がデビュー仕立てのジュニアスタイリスト。
Aさんの指名人数が180人、Bさんの指名人数が100人、Cさんの指名人数が20人だったとします。
ここでBさんが離職してしまったら、Bさんが担当していた100人の指名客の何人かのお客様はCさんが担当することになります。
Aさんの指名人数はある程度アッパーに近いので、100人全員ともAさんが担当できるキャパ要領は残り少なく、100人ともAさんが担当するという可能性は低いです。
100人のうち20人はAさんが担当して、残り80人はCさんが担当することになったとします。
そうするとCさんの指名人数は100人になりますよね。
これってCさんが急成長したから獲れた結果ではなくて、Bさんが辞めてしまったことによってCさんが育つ環境ができたということですね。
離職で例えてしまいましたが、美容室の適正な成長環境の良い事例として店舗展開があります。
要は先ほどのBさんが新しくできる支店の店長として転勤になった時に、そのBさんの補填としてCさんの活躍の場ができるということです。
環境ができたことによってたくさんの入客チャンスが生まれるんです。そして様々な経験ができるからこそ、そこから飛躍的に急成長するものだというのが僕の成長に対する考え方です。
約4、5年という長いアシスタント期間を経て、ようやくスタイリストデビューしたは良いけど、はじめは子供や学生、男性客ばかり担当する日々、少し慣れてきたら、女性の学生や20代前半のお客様を担当して、40代、5、60代などのお客様は中々担当させてもらえないわけですよ。
スタイリストになっても日々鍛錬ですが、実際にこれってめちゃくちゃ効率悪いことじゃないですか?
タイミングよく出店があって、自分が上のポジションに上がれれば良いですけど、そうでなければ、中間〜下のポジションで効率の悪い時間を過ごす羽目になってしまいますからね。
ヒトを育てようとせずに、ヒトが育つ環境さえ創れば離職率は下がります。
結論こういうことです。
ヒトが育つ環境とは、安心して任せられるということです。
ここは経営者だけにしかできませんが、経営者はその会社での最高責任者です。
ヒトに任せた結果、失敗してしまい、お客様を怒らせてしまうようなことがあっても慌てる必要は全くありません。
経営者の仕事はスタッフに安心して失敗させてあげれる環境を創るということです。
失敗して、お客様を怒らせてしまった時には経営者が全力で頭を下げてお詫びするしかありません。
お客様にお許しいただき、ご理解いただけるように努めることが経営者の仕事ですし、社員の為に自分ができることでもあります。
せっかく自分のお店を選んで働いてくれたスタッフを辞めさせることは本当に悲しいことですし、
それを経営者は全て自分の責任と思えなければ組織や自身の成長はないでしょう。
ヒトを育てようとするのではなく、ヒトが育つ環境を創ることにフォーカスしてみてください。
必ず未来は変わります。
こんな僕でも変わったくらいですから、誰にでもできる!!
それでは!
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