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BDDNEWSレター 2021.7.1 NO.48

◇◆◇写真で見るバングラデシュ◇◆◇

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再利用可能なプラスティックを集める女性たち。月に6~7千タカ(8~9250円)の収入になる:ボリシャル市ハットコラマスジッド通り

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ジュートに肥料を撒く農家:パブナ県マロンチ

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すべての花を売りつくした母を抱きしめる娘:ダッカ市ラビンドラ・ソロボー

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大雨のあと水浸しになった台所市場:カルワンバザール

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荷台に乗って現場へ向かう労働者。安全より節約が優先だ:シレット空港道路

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旬のパイナップルは大きさによって1個25~50タカ(33~66円)で売られる:タンガイル県ジャルクハットラパイナップル市場

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湖でボートに乗る観光客。ロックダウンの影響で数は減った:シレット県ボイシュ・テラ

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ミルプールで仕入れた鳥をシャリアトプールへ運ぶ商人:ムンシゴンジ県シムリア

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本格的なモンスーンが来る前の完成を目指す:パブナ県スジャンナゴール

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降りしきる雨にはしゃぐ子どもたち:ロングプール県ウッターケラボンド

◇◆◇賃金◇◆◇

【競争力低下のリスク】

競争力低下リスク

 「バングラデシュの製造業は、国内での賃金上昇や世界的な省力化技術の普及に伴い、生産性低下や低い労働コストへ依存するままでは競争力を失うリスクがある」
 世界銀行(WB)が24日指摘した。

 輸出主導の製造業の成長モデルはバングラデシュの持続的な成長と雇用創出の中心であり続けるが、競争力を維持するために低い労働コストに依存し続けることは、バングラデシュが中所得国としての地位を確立し、賃金コストが上昇するにつれ、できなくなるだろう。WBは「バングラデシュ製造業の未来に向けて」と題した報告書で述べた。

 また、国際競争力を決定する上での世界の主要トレンドは、省力化技術の普及、貿易パターンの変化、生産におけるサービスインプットの増加などのため、賃金コストの重要性は低下する。

 そのため、製造業は賃金競争から生産性競争へと移行することに注力する必要がある。高給の仕事を持続的に生み出す前提として、バングラデシュは効率性と生産性の向上という幅広い検討事項に重点を移さなければならない。

 「企業のイノベーションと技術導入を強化することで、製造業は生産性を向上させることができる」

 ティプ・ムンシ商業相が、ウェブ上で行われたプログラムで報告書について言及した。

 「世界的な危機のたび、地理的・経済的な中心地の移動、貿易の流れの変化、新技術の出現などが見られます。だからこそ、大きな変化が訪れることを期待すべきです」
 WB南アジア担当のハンス・ティマー上級エコノミストは述べた。

 ティマー氏は、バングラデシュでは最新設備を採用している企業が少なく、また新技術の採用が遅いなど、製造業への新技術の普及に時間がかかるとし、それらを促進するには中小企業に焦点を当てる必要があると述べた。そのうえで、新しい環境下では、生産の細分化や製品のカスタマイズ化で、中小企業が重要な役割を果たすとした。

 2019-20年にWBが実施した「バングラデシュ企業の技術採用(FAT)調査」では、ほとんどの企業が生産段階全体で完全手動、または動力付きだが手動操作が基本の機械を使用していることが明らかになった。

 主力輸出品目である衣料品産業でさえ、ほとんどの企業が縫製以外の生産段階では基本的な機械しか使用していない。一方、縫製段階では80%の企業が半自動化技術を、9%の企業が完全自動化技術を採用している。

 多くの企業は目標の設定、労働者へのインセンティブの提供、オペレーションモニターなど、基本的管理手法すら用いていない。また、32%の企業では重要業績評価指標のモニタリングを行っていなかった。

 FAT調査は、バングラデシュ企業は多くの汎用技術でベトナムに遅れをとっていること、企業の75%以上に工学や応用科学の大学を卒業した労働者がいないことも明らかにした。

 政策対話センター(CPD)のマスタフィズル・ラーマン特別研究員は、バングラデシュが後発開発途上国グループから卒業することで、特恵市場アクセスを持つメリットがなくなると指摘する。

 「そのため、市場アクセス主導の競争力から、生産性主導の競争力へと移行していかなければならないでしょう」

 2020年5月に新型コロナウィルス危機が発生した際、政府は迅速に行動し、民間企業に対する一連の支援策を発表した。だが、WBの調査によると、初期段階で支援を受けた製造業はわずか2%だった。

 ラーマン氏はパンデミックが続く中、支援策は引き続き不可欠だと述べた。また、企業がコロナショックにうまく適応するには、デジタル技術が有効な補完手段になり得るとし、電子商取引のプラットフォームを利用することで、企業は必要な中間投入物へのアクセスや、製品の流通ネットワークを維持できるとした。

The Daily Star Jun 25 2021

【茶園労働者の最低賃金】

茶園労働者の最低賃金

 労働者代表と意見が一致しない中、最低賃金委員会は、茶園労働者の1日あたりの最低賃金を117タカ(154.6円)と勧告する草案をまとめた。

 この官報通知は13日に出されたが、労働者代表のラ・ホジャン・カイリ氏は署名していない。

 労働省は、14日以内に勧告に対する意見や提案、異論があれば提出するよう求めた。

 賃金委員会は茶園について、A、B、Cの3分類とすることを提案した。

 シレット、モウロビバザール、ハビゴンジ県にある茶園は、年間平均生産量18万キログラム、10万8千キロ以上~18万キロ未満、10万8千キロ未満のA、B、Cに分類する。

 チャトグラム、ランガマティ県、その他の茶園では、年間平均生産量11万3千キロ、4万5千キロ以上~11万3千キロ、4万5千キロ未満のA、B、Cに分類する。

 官報によると、グレード2の茶園労働者の1日の最低賃金は、A分類で120タカ(158.6円)、B分類で118タカ(155.9円)、C分類で117タカとなる。

 見習い労働者の日給は110タカ(145.4円)で、月額総賃金は6千タカ(7928.6円)とされた。

 記者団から質問を受けたカイリ氏は、茶園労働者は2019年1月から2年半にわたり、すでに今回提案された賃金を受取っているとしたうえで、賃金委員会は労働者の提案を一切考慮せず、経営者が提案する最低賃金を提出したと批判した。

 「賃金委員会が2年半前の金額を最低賃金として設定したことは受け入れられません。賃金は経営者と労働者の二者間協議で修正したい」

 バングラデシュ茶園労働組合書記長のカイリ氏によると、彼らは1日の最低賃金として300タカ(396.4円)を、また、2カ月分の賃金に相当する祭事手当を提案したという。

 賃金委員会は、現在2年ごとに行われている労使交渉を3年ごとに行うことも提案したが、カイリ氏は反対した。

Financial Express Jun 15 2021

■アジア各国の最低賃金

アジア各国の最低賃金

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