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<後編>BranCo!を立ち上げた博報堂社員に学生スタッフが突撃!!【BranCo!2020オリジナルインタビューVol.10】

こんばんは!
昨日に引き続き、博報堂ブランド・イノベーションデザイン代表である宮澤正憲さんにインタビューした様子をお届けします。

後編となる今回は、BranCo!を立ち上げた際の思いや展望についてお聞きしていきます。

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多くの学生にブランドデザインを広めるため

スタッフ:
前半は、宮澤さん自身のご経歴の概要と、ブランドデザインは「今までにない、社会にとって魅力的な固有性をつくること」であり、あらゆる人や場面でも活きるものであることを伺いました。後編は、そもそもBranCo!を立ち上げることになったご経緯や、BranCo!に実際に取り組んでいる方に向けたアドバイをいただければと思います。まず、宮澤さんは、どのような思いでBranCo!を立ち上げられたのでしょう?

宮澤さん:
当初は企業のブランドデザインに取り組んでいました。ですが、たとえば街を魅力的にするとか、街のために高校や病院を魅力的にするとか、どんどん仕事の種類が増えていったんです。依頼が多様になっていくうちに、こんなに幅が広く汎用性の高い考え方は、もっと色々な人に、色々なところで活用してもらった方が良いんじゃないかと考えるようになりました。

スタッフ:
前編で伺った、キャリア形成などいろんな場面でブランドデザインは役に立つという話と繋がりますね。

宮澤さん:
そうです。そんなときに縁があって東京大学で授業を持つことになったので、学生向けにブランドデザインを教える授業はどうかと提案してブランドデザインスタジオの授業が2011年から始まりました。まだアクティブラーニングが珍しかった頃の授業なので、教室に入りきらなくなるほど、他の大学からもいろいろな学生さんが覗きに来ていました。それでも教えられる数や伝わる範囲には限界があります。なんとか、もっと多くの学生さんにブランドデザインのことを伝えられないかということで考えたのが「コンテスト」という形式でした。企画の甲子園のようになることで、みんなが大会に向けてたくさん勉強をして盛り上がれば良いなと思いました。

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BranCo!は、誰もが強みを発揮できる「思考の三種競技」

スタッフ:
他のビジネスコンテストやアイデアコンペにはない、BranCo!ならではの魅力ってどんなものがありますか?

宮澤さん:
BranCo!はもともと教育的な背景で始めたものなので、一般的なビジネスコンテストとは違い、現実的なビジネスの収益などを競うようなコンテストにはなっていません。まず魅力の一つとして、生活の役に立つような、ブランドデザインの考え方自体が身につくというのがあると思います。

スタッフ:
たしかに、評価基準が他のコンテストとは違いますね。

宮澤さん:
もう1つは、BranCo!にはいろいろな思考が求められるということです。「思考の三種競技」と言っているんですけど、BranCo!で推奨しているリボン思考では「インプット」「コンセプト」「アウトプット」の3つが求められ、各段階で求められる頭の使い方が違います。インプットは緻密な分析やデータ集めの努力が求められ、理系的な分析能力が求められます。コンセプトでは、抽象概念を扱い哲学をするといった、文系的な能力が求められます。最後のアウトプットになると、今度は物理的に使うモノのデザインをしたり、最近のBranCo!では工学系の学生が実際にアプリを開発して持ってくるなど、美術/工学系の実装力が求められます。このように、特定の強みを押し出すというよりは理系・文系・美術/工学系の3つの能力をバランスよく組み合わせる三種競技的な側面があり、逆に言えばマーケティングやビジネスのことをよく知らなくても、自分の強みを生かすことで誰でも参加できるというのが良いところではないかと思います。

スタッフ:
「思考の三種競技」ってワクワク感がありますね。宮澤さんはどんな学生にBranCo!に参加して欲しいと思いますか?

宮澤さん:
色々ありますが、企画をすることに興味がある人はもちろん歓迎です。広告業界に興味がある人に限らず、アイデアや企画を将来的に仕事にしたい人は是非トライしてもらいたいです。一方、むしろ企画が少し苦手とか、企画に興味がないけど刺激が欲しいという人にも参加して欲しいです。意外と自分でもできるじゃんという気づきがあると思います。

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良いアイデアを出すポイントは、良い素材を集めること

スタッフ:
ありがとうございます。では、ここからはBranCo!に参加したいと思ってくれている学生さんたちにアドバイスをいただきたいのですが、まずアイデアを出すときに意識したほうが良いことがあれば教えてください。

宮澤さん:
色々ありますが、アイデアを出すことに慣れていない人は、とにかくインプットの量を増やす、情報を集めることを徹底するのが一番良いと思います。アイデアというのはどうしても、頭の中で作るというイメージがあると思いますがそれだと結構難しいんです。よく食事に例えるのですが、アイデアというのが美味しい料理だとすると、素人が美味しい料理を作る最良の方法は、市場に行って新鮮な刺身を買ってそのまま切ることです。手をかけて美味しいカルボナーラを作るとなると、すごく技術が問われますよね。

スタッフ:
たしかに、良い情報や視点を見つけたときって、すぐにコンセプトやアイデアへの発想が広がる感じがありますね。

宮澤さん:
そう、加工しなくても美味しい食材を持ってくることを頑張れば、実はすごく良いアイデアができます。頭の中にあるものだけで考えると言うのは冷蔵庫にあるもので美味しいものを作るということに近くて、非常に上級者向けで難しいわけです。ですから、調査に労力をかけて、いい素材を見つけてくると言うのが、スピーディーに良いアイデアを作る一番良い方法なのではと思います。


プレゼンは、相手に伝わるかどうか

スタッフ:
続いて、少し先の話になりますが、企画書審査を通過した後はプレゼンテーションの審査がありますよね。プレゼンテーションでアイデアを伝える時には、どんなことを意識したほうが良いですか?

宮澤さん:
書類審査ではPDF1枚、一次予選は非常に短いプレゼンテーションで考えたことを伝えなければなりません。そういう時、往々にして考えた側は色々な想いを詰め込みたくなります。でも、想いが多すぎて聞き手からするとよくわからなくなってしまうことがよくあるんです。なので、「わかるかどうか」というところをまず第一に優先したほうが良いかと思います。短い説明しかできない状況では、他人がこれを見て分かるかどうかをまず考え、その上でそれは面白いのか検証する、という順番で考えて説明してもらったほうが伝わりやすいと思います。

スタッフ:
面白さや新しさを第一に考えてしまいそうなところですが、まず理解してもらえるよう丁寧に設計するということですね。勉強になります。
2回に渡って続いたインタビューも最後になりました!ぜひ、BranCo!に参加する学生のみなさんにメッセージをお願いします!!

宮澤さん:
BranCo!はいろんな場面でいろんな人にとって役立つ基礎スキルが学べるものなので、誰が参加してもそれなりに満足してもらえると思います。感じることは人それぞれで、企画力があがったという人もいれば、就活に活かせたという人もいて、大げさに言うと人生の思考法が変わったという人もいます。それぞれの学びがあるので、騙されたと思ってとりあえず参加してみてください。損はないと思います。


以上、博報堂ブランド・イノベーションデザイン代表の宮澤さんのお話でした!
BranCo!2020のエントリー締切も、もうすぐ。
ぜひ、後悔しない冬を過ごしていただければと思います!
ご参加、お待ちしております!!

BranCo!2020は11/18までエントリーを受け付けています。
(エントリーにはチーム登録とエントリーシート提出が必要となります。)
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