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BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ。 『まさか、自分がブログをするなんて、日記といえば小学生のころ夏休み三日坊主で書いただけ。 めんどくさいものが苦手、人に自慢話や…
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レジリエンスは何処からくるのか

上の写真はローマ最古の図書館(Biblioteca Angelica)です。教会の隣にある修道院だった建物を1604年に図書館として公開、現在も一般に利用されています。あいにく改装中でしたが、係りの方が親切に入れてくださりお話を聞くことができました。「一番古い蔵書はいつ頃のモノですか」とお聞きするとなんと8世紀とのこと、源氏物語が9世紀なのでその凄さがわかります。今回の旅はレジリエンスをもった都市と呼ばれるローマを5日間にわたって1日平均1万8千歩、堪能するまで街を歩くことで

ゲームチェンジと心得る

上の写真にあるサイネージはコペンハーゲン市内を走っている車と自転車の動きをリアルタイムに視覚化したものです。自転車はユニークですよね。サステナブルな意識の高さとコペンハーゲンの特徴を上手く捉えたテーマです。コペンハーゲンの市内を結ぶ道路にたくさんの光の粒が動き回ってとても綺麗です。もともと空間デザインに優れている北欧のオフィスですが、デザインセンターにあるオフィスにふさわしいデジタルアートだと思います。 このサイネージからヒントを得てビービーメディア新オフィスのロビーにはブ

43%は習慣

昨年カンヌ国際映画祭で役所広司さんが主演男優賞をとった映画「PERFECT DAYS」の冒頭のシーンをみなさんは覚えていますか。「毎朝5時半の目覚ましで起きるとトイレに行ってから着替えて歯磨きをする、顔を洗ってひげをそる、髪を整えて、首や顔にクリームをつけてからリビングへ移動。TVをつけてカーテンを開ける。ニュースを見ながら体操を30分、終わると冷蔵庫から取り出したヨーグルトとフルーツと混ぜながら朝食。さらに水とサプリメントを飲んだ後、準備をととのえて会社に向かう」 私も映画

扉から見える光景

長い人類の歴史をみると世界4大文明発祥の地に始まり古代ローマから現代に至るまで国家のサイクルは新たな秩序から制度が整う発展期、平和と繁栄が続く絶頂期、支出や債務が過剰になり、機能不全が起きて内戦や革命が起こる衰退期を繰り返してきました。多くの混乱を経て国家はなくなるというよりもリボーンすることで進化を遂げてきました。そして今、日本も含めてリボーンしなければならない段階が世界中で迫っている気がします。 先週ニューヨーク滞在中に現地でTVを見ていたら「ポータルが再開されました」

何になろうとしている?

ソーシャルメディア(SNS)はいつの間にか交流するためのメディアから娯楽やニュースを発信・閲覧するためのフィードに変わってしまいました。自分自身も昔は個人的なやりとりを中心に行っていましたが、今ではそうした会話は非公開のメッセージングアプリやグループチャットに移行し、SNSはもっぱら見る専門になってしまいました。アルゴリズムやAIによって個人の好みを収集し、同じようなジャンルやテーマばかりが流れるようになって、広告もずいぶん増えたと感じます。 ソーシャルメディアのマスメディ

そもそもを考えるとは

2024年、世界では選挙イヤーと言われています。なんと約60か国・地域で国家レベルの選挙が実施される史上最大の選挙イヤーになる見込みです。おそらく今後の世界がどうなっていくのか大きな節目となりそうです。 さて、選挙といえば日本は国政選挙でさえも50~60%の投票率しかありませんが、デンマークでは85%もあるそうです。どうしてこんなに差が出るのだろう。昨年コペンハーゲンを初訪問してますます好きになったデンマークからもっと多くを学びたいと思い先月都内で開かれた勉強会に参加しまし

情報の在処

かつて学生時代はもちろんのこと、社会人となった後も能動的に何かを調べる際には本屋や図書館に行って文献やレポートを探したり、その分野に詳しい専門家を探して聞いてみたり、自身で現地を調査したり、とにかくどこに有益な情報があるか探すのに時間がかかり、情報の在処はバラバラでそれぞれやってみなければわからない有り様でした。それがインターネットの検索エンジンによって大概の情報がほぼ即座に入手できるようになりました。グーグルの1998年創業時の理念「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアク

過去から未来を発見する

新年の挨拶をまだ済ませていないと思ったらあっという間に1月も終わろうとしています。一方で24年ぶりのバス通勤にも慣れ、新しいオフィスでの生活が始まりました。実を言うと今回の引越しでは初めて片付けコンサルの方の協力を得て会社で保有していた荷物の50%を廃棄もしくは整理し、効率的でキレイな職場に変貌しました。これからがむしろ本番となりますが、モノや時間の無駄を減らし、新たな環境でサステナブルな仕事意識を高めていきたいと考えています。 さて、そんな引っ越しの最中でビービーメディア

西から南へ

麻布という地名が大体定着したのは江戸時代初期にさかのぼります。元々の地名の由来はかつてこのあたり一帯で人々が麻を多く植えて布を織っていたからと言われています。その後江戸の発展と共に武家・大名屋敷が増えていきました。幕末にはアメリカ公使館が麻布善福寺におかれたこともあります。今もなお非常に多くの大使館が点在しているのはそのせいかもしれません。明治になってからは東京府麻布区となり武家屋敷跡地が次々と外国の大使館や住居になっていきました。と同時に高級住宅地として名を馳せるようになり

使い方次第と心得る

生成型AIの登場によって写真や音声、世界の出来事を誰もが自由自在に作れる時代になりました。ブランドコミュニケーションの世界でもさまざまな活用事例が既に生まれています。例えば、コカ・コーラはいち早くChatGPTとDELL-Eを歴史あるコカコーラの広告クリエイティブの数々と組み合わせた新しいクリエイティブ共有サイト(Create Real Magic)を立ち上げました。これはコカ・コーラが常にイノベイティブで新鮮で楽しいブランドであることを訴求するのが狙いです。ナイキは女子テニ

筋金入りのサステナブル

昨年9月、アウトドアウェア・ギアで有名なパタゴニアの創業者イボン・シュイナード氏が自身と家族の保有する議決権のない同社株式を環境NPOに譲渡し、議決権のある株式はすべてパタゴニア・パーパス・トラストに信託するというニュースが話題となりました。ご存じの方も多いかと思いますが、パタゴニアは環境問題が今のように騒がれるずっと以前から持続可能性を経営の軸において売り上げの1%を環境保護に充てることをはじめ、従業員の事業所内託児所設置、倫理的で持続可能なサプライチェーン、ブランドの修

相応しくないパーパス

今年米国のビール業界で起きた大きな出来事といえばアンハイザー・ブッシュ社(AB社)がトランスジェンダーのソーシャルインフルエンサーにバドライトのパーソナル缶を送ることから端を発した顧客によるブランドボイコットであったと思います。マーケティング巧者であるAB社が主力ブランドを分裂する政治社会問題の渦中に投げ込んでしまいました。誤解があったとはいえバドライトの売上は下がり続け、バドワイザー、ミケロブ・ウルトラ、などの他ブランドにも悪影響を及ぼしました。結果としてブランド担当と上司

AI製とヒューマン製(Made by Human)の違い

このところAI(人工知能)の話題が巷に溢れ、誰もが自分の仕事にAIがどんな影響を及ぼすか、一斉に考えるようになった気がします。TVのワイドショーはもちろん、SNSでも次から次へとAIの新しい話題が登場し、一年前には予想できなかった状況となっています。「チャットGPT」はもしかすると今年の流行語大賞になるかもしれませんね。「文書作成、画像生成、プログラミング、データ分析までAIでこんな風にできますよ」という事実を見ると人間が行ってきた高度な頭脳労働の少なくとも一部はAIが今後担

二者択一からの脱皮

「ガソリンスタンドの自動洗車機で車を洗うと傷がつく?」と思っている人はまだ多いのではないでしょうか。今の最新鋭の洗車機はブラシが改良されただけでなく、車の形状を読み取るセンサーや制御能力が向上したので車に傷がつくことはないようですが、昔の洗車機はナイロンやプラスチックに近い硬いブラシが使われていて目に見えるかどうかの細かい傷がつきました。雨や汚れをとるために自動洗車を長年何回もするうちにボディそのものにだんだん傷がついていったわけです。実は同様のことがブランドでも起こっている