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実写映画「とんかつDJアゲ太郎」

WOWOWで入った「とんかつDJアゲ太郎」実写映画!!
めちゃくちゃ良かった!!!!!

コロナ禍ど真ん中故に興行収入残念すぎたらしいけどこれ映画館で見たかったな。

原作お馴染みの「とんかつと同じじゃねえか……!」展開の説明セリフやこじつけモノローグがそのまま入った文字通り原作そのままのギャグ映画かと思って観たけど、いい意味で裏切られた。
ちゃんと映画に相応しい視覚誘導のみでスッキリと仕上がってた。ちゃんと「これが見たかった」っていう実写映画になってた。いい意味で「原作と全く同じではない」良作だった。アゲ太郎がフロアもとんかつも爆アゲしてた。
DJ屋敷くん役の伊藤健太郎さんが最高の仕事をしてくれたとだけ言っておきます。

最大のピークである、あの曲をかけるところのシーン。
オイリーさんのあの台詞を、極限まで削ぎ落とした実にシンプルな演出で最高の「主人公の成長」の瞬間として魅せてくれた。
ハチャメチャにテンションが上がるジェットコースター展開でもなければ、お涙頂戴感動シーンにやたらジーンとくるという訳でもない。
だけど、しっとりとなめらかでほんのりと清涼感のある余韻が残る。お風呂上がりに塗ったボディーローションが染み渡るときのじんわりとした心地良さのような。

無性にとんかつを食べたくなる飯テロ過剰演出もなければ、クラブで無礼講にはしゃぎたくなるような非日常に浸かるためのディープな演出もない。
ただそこにあったのは、とんかつ屋跡取りプラスDJという二足の草鞋人生に挑み楽しむ青年の、人より少し変わった日常の中での成長劇。

心のマツコ・デラックスが静かなるスタンディングオベーションを続けている。
ご時世がご時世じゃなければもっともっと話題になって然るべき。
こんな感じに仕上がってたらいいな、がそのまま叶ってくれていた。
ラーメン屋で塩ラーメンを頼んだのにジェノベーゼやサムゲタンが出てくるようなそれじゃねえんだ系の実写映画化も少なくない時代に、ちゃんと塩ラーメンが出てきたって感じ。それも一口目で美味しい→途中で飽きて最後まで食べられないやつじゃなくて、スープを飲み干して心地いい満腹感で締まる、みたいな満足度。

実写映画「とんかつDJアゲ太郎」、とてもよかった。
またWOWOWや地上波で放映される日があるかも知れない。
もし気になっている人がいたら、是非とも観て頂きたい。

制作スタッフの皆様、演じられた皆様、こんなに素敵な作品に仕上げて下さってありがとうございました。
この先何度でも見返します。
コロナという長い冬が明けた未来で、映画館でたくさんの人がこれを観られる日が来たらいいのに。

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