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メガプロスペクト タイラー・オースティン

23 タイラー・オースティンとは?

10年ドラフトでヤンキース入団。12年にマイナーで好成績を残し、キャッシュマンGMから若手有望株を意味する「プロスペクト」を超える「メガプロスペクト」と称された逸材です。16年にメジャー初打席初本塁打を放つと、2号がバースデーアーチ、3号はサヨナラ弾となるなど、勝負強さを見せました。18年途中にツインズに移籍し、最多となる17本塁打をマークしています。とにかく長打力がすごくMLBでも期待の存在でした。しかしながら19年にはメジャーとマイナーを行ったり来たりするようになりオフにベイスターズと契約しました。オープン戦では筒香の穴を埋める活躍を見せオープン戦の本塁打王となっています。

自慢の長打力

ホームランになりやすい打球速度と打球角度の組み合わせを測る「バレル(Barrel)」という指標では、この割合がMLBの並み居るスラッガーの中でも優れています。19年、オースティンは50以上打撃イベント(BBE)があった478人のメジャーリーガーの中で、バレルの割合(Brls/BBE)が12位の15.9%でした。つまり、オースティンが放つ打球の約6回に1回はホームラン性の当たりだというこです。この割合は、ナ・リーグのホームラン王でMLBの新人ホームラン記録を更新したピート・アロンソ(15.8%)や、40本塁打&40盗塁が目前だったロナルド・アクーニャ(15.0%)よりも高い数字です。その反面、19年シーズンのオースティンの三振率(K %)は150打席以上のメジャーリーガーのなかでワースト5位の37.4%。特に変化球への対応が悪く、スライダーやカーブといったブレイキング・ボールの空振り率(Whiff%)は49.5%、フォークやチェンジアップといったオフスピード・ボールの空振り率は52.8%でした。前述のようにパワーは飛びぬけているが、ボールコンタクト率が低い傾向にあります。ただし日本でのオープン戦ではボール球を見極める姿勢も見せており進化している可能性が高いです。

日本に来た理由

オースティンは28歳とまだ若くマイナーでメジャー昇格を待つという選択肢もあったはずですが、阪神とベイスターズの争奪戦の上NPBでのプレーを選びました。ラミレスもそうですがMLBでレギュラー手前でありながらポジションを掴めない状況を打破するためにNPBをはじめとしたアメリカ以外でのプレーを選択する選手はいます。古くはフィルダーのようにNPBからメジャー復帰後タイトルを獲る選手もいました。メジャーの競争は激しく与えられたチャンスをものにできないと次のチャンスがないというケースも多く、オースティンも19年に3チームを渡り歩き自分の方向性を見極めてNPBに来たと考えられます。ラミレスも27歳の時に家のローン返済のため1年だけNPBでプレーするつもりで来日し、日本に馴染み監督まで務めました。監督がオースティンの立場を非常によく理解してくれる環境にあるため、少なくともこの1年はオースティンにとってよいパフォーマンスを残せる環境にあると言えます。

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