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四球がV逸を招く

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

ソフトバンクでさえ「四球渦」に苦しんだ

ベイスターズの投手陣は打者に打たれることから逃げて外角低めギリギリを突こうとして四球を連発して長打を浴びるシーンをよく見かけます。実はパ・リーグでV逸したソフトバンクも「四球渦」に苦しんだようです。今季のソフトバンクの与四球は12球団最多の474。リーグ最少のオリックスは375だから際立って多いです。統計に基づくと、四球1個の得点価値は約0.3。ホークスの四球がオリックス並に少なければ、失点を30点ほど減らせたことになります。ちなみにベイスターズの今季の四球数は408でリーグで2番目に多いです。リーグ最少は阪神の288です。阪神の投手力のすごさがわかります。今季のソフトバンクは471失点。リーグでは西武、オリックスに次いで少なく、〝投壊〟をきたしたわけではないのです。勝負所での四球が高くついたのは確かでしょう。

#日経COMEMO #NIKKEI

四球削減は難しい

ベイスターズも2022年は三浦監督がストライクゾーンで勝負すると言うことを投手陣のテーマに掲げて四球削減を目指しました。数ある投手の指標の中でも、四球は三振などと並び、シーズンをまたいでも一貫性が高い項目なのです。米国のデータ分析サイト「FANGRAPHS」のリポートによると、2002~12年の米大リーグを対象にした投手の指標の年度間相関(1で完全に一致)は奪三振が約0.8、与四球が約0.7で、0.4弱にとどまる被本塁打率や防御率に比べてはるかに高いのです。スポーツデータ分析を手がけるネクストベースの主任研究員でもある国学院大の神事努准教授は「直球のスピードが上がれば空振りの割合は若干増えるが、スライダーやフォークボールには遠く及ばない。追い込んでからの直球勝負はファウルになるだけで球数が多くなり、結果的に四球も増える。四球を減らすには、ストライクゾーンに投げる制球力だけでなく、追い込んでからの変化球の使い方など配球も重要になる」といいます。

投手心理が四球を増やす

ちょっと野球を知っている人なら「外角低めのストライクが一番打たれない」と訳知り顔で語るでしょう。プロに入るような投手はアマチュア時代、外角低めで見逃しの三振を取ることに苦労しなかったはずです。ベイスターズでも四球を連発するような投手が、ブルペンで外角低めのストライクゾーンをピタピタ決めているシーンは何度も見ています。しかしプロの打者は明らかなストライクゾーンの外角低めは打つことが可能です。空振りを取ったり、見逃し三振にするならボールかストライクか微妙なところを狙うしかありません。しかしプロの審判はそのゾーンをボールとしか判定しません。明らかにストライクゾーンに入っている球だけがストライクです。投手の「打たれたくない」という心理が、外角低めを極めて難しいゾーンにするのです。「外角低めだけ投げてればいい」みたいなことはプロ野球では通用しないのです。内外角、高低のストライクゾーンを変化球も交えて多角的に使うことができなければ、プロでは四球を連発してしまうことになるのです。

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