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全ての幸せは個人的幸福であり分かち合えないから僕達は勝手に幸せになるしかないんだ

はじめに

 幸福になりたい、と思わない人はいない。もし苦痛や不幸しかない人生であったら、誰がこんな複雑で面倒くさい世の中で生きていこうと思うだろう。では、何故我々は生きていくのだろうか。

欲望があるから?本能?

 まず、幸福、幸せとは何なのだろう。やや退屈な話になるかも知れないが、近代心理学の文献から考えてみたい。

アメリカの心理学者エイブラムス・マズローの「自己実現理論」によると、生存欲求とは、有名なマズローの5大欲求の一番下に位置する。すなわち本能である。ただ生きる為の最低条件である。しかし人間というものは面倒な生物で、生理的欲求や安全欲求が満たされると、徐々に自分の生きる意味や、価値を求める(承認欲求など)。これはもう、それらの欲求が満たされると脳が快楽を感じてしまうのだから、仕方ないと言うしかない。生物である限り、この「気持ちよさ」に勝てる人はなかなか居ないんじゃないだろうか。

その自己実現に至る承認欲求などから発生する「気持ちよさ」を得る為に、我々は日々努力し、労働に取り組み、苦しみながらも生きている。その「気持ちよさ」を計る「ものさし」、それを「幸福」と言い換えたりしている。幸せや気持ちよさというものは数値化して表現出来ない。だから我々は漠然と概念として、大きく括って「幸せ」として呼んでいる。

つまり幸福とは「気持ちよさ」の集合であり、他人とそれを共有、説明する為の「ものさし」に過ぎない。しかしその「ものさし」は個人毎に長さが異なり、比較したり共有することはとても困難だ、という事だ。

豊かさとは何なのか?

 それでは心の豊かさ、とは何なのだろう。心の豊かさとは、例えば富の小大だけではないだろう。慎ましくも幸せに生きる人もいるし、大金を持っていても苦しみを抱えて生きていく人もいる。多くの友人に囲まれているのに不信感に悩まされている人もいれば、孤独に生きていながら充実した生活を送っている人もいる。現代は価値観も多様化し「みんな違ってみんな良い」みたいな風潮全盛である。例えばトランスジェンダー、セキュシャルマイノリティーであっても、理解のある人が世間に増えてきたように感じる。あまりに利己的でない限り、少数派だからといって即糾弾される事も少ない。逆の風潮(例えばファシズム)よりは良い事なのだと思う。これは、社会が豊かになってきている、と言い換えても良いだろう。

つまり豊かさとは多様性を尊重し、認め合うというメンタリティなのではないだろうか。価値観は人それぞれで、第三者が勝手に決められるものではない。価値観を一方的に押し付けることは、その人の自己実現を邪魔する事に繋がり、他人の「気持ちよさ」を奪う行為とも捉える事が出来るだろう。言い換えれば、その人が幸福であるか不幸であるかは関係なく、当人がその人生を選択しているのであれば、他人が価値観を押し付ける事は気持ちの押しつけである、とも言える。明らかに「不幸」だと見えたとしても、当の本人にしか分からない事なのだ。

それでは、幸福になりたい、心を豊かにしたいと思ったらどうすればいいの??

 以上の事を纏めると

幸福は「気持ちよさ」の集合

心の豊かさとは、多様性を認め、リスペクトしあうメンタリティ

であると考える。実に単純なことに見える。しかし、これは実践することはとても難しい。人生「気持ち良い」事だけやって生きていくことは出来ないことは想像に難くないだろう。また、例えば自分と敵対する勢力の価値観を認め、ましてやリスペクトする、なんて、自分の存在理由を否定することだ、と考える人もいるだろう。いきなり実践できる人がいたら、余程の聖人か人間ができている人だろう。

しかし、徐々に上記の状態に近づけていくことは出来る。これらの概念は全て脳内で起こっている事だからだ。他人や世界を変えることは大変で困難である、という事は言うまでもないだろう。それに比べれば、自分を変えるほうが何百倍も簡単で確実である。

要は

全ての幸せは自己満足なのだから

脳が気持ちよくなるように訓練し

勝手に幸せになるようにしていくようにしていく

事である。例えば私が実践しているポイントを幾つか挙げておく。

実践ポイント

1.世の中の人は、自分が思っているほど自分に興味がないと理解する。

・・・好きな人に嫌われないか、友達に軽蔑されていないか、など悩むのは普通の事だけれど、大抵の場合は被害妄想や誇大妄想だったりする事が殆ど。意外と気にかけていないものである。

2.自分はラッキーだと思いこむ。

・・・幸運ばかりの人はいない。不運ばかりの人もいない。だったら幸運な事を素直に喜び、不運だった事は気にしないようにして忘れるように努力する。すると不思議なもので、記憶に残るのは幸運だった事が多くなってくる。

3.身の回りの人に感謝し、機嫌良いように振る舞う。

・・・笑顔が絶えず、感謝の言葉もすぐ出る人の周りには、笑顔な人が増えていくのは自然に理解できるのではないだろうか。感情は伝染する。不機嫌でいると、周りも不機嫌になっていく。

4.毎日最低一回は声を出して笑う。

・・・幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ、と思う事。笑うことで免疫力も向上し、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンも分泌されやすくなるそうです。

5.好奇心を大切にする。

・・・自分に刺激を与えることは、常に成長できる証であると考える。人間考えるのを止めなければ、何歳になっても成長出来る。変化を恐れるな。

最後に

だいぶ乱暴な論だと思うが、私なりに誠実に書いたつもりだ。私もまだまだ修行の身で、達観できている訳でもない。世の理不尽に怒りを覚える事だってままある。信じがたい悪意というものを目の当たりにすると、絶望したくなる事もある。それでも、自分から少しでも世の中が幸福に、豊かになっていけば良いな、と願って毎日を生きている。

世界を変える前に、自分を変えよう。

Let's change ourselves before we change the world.

お気持ち程度いただければ、私がビアを飲めます。