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4月環境のシャドール考察

こんにちは、関西YPの案山子といいます。
今回はシャドールデッキに関する記事です。
2020年4月現在の環境において自分が使用する予定だった【シャドール】の理論を、構築の過程を追いながら紹介したいと思います。
本来であれば多少なりともの実績を残してから記事を書きたかったのですが……。
今の社会情勢からして恐らくこの先もCSに参加する機会はしばらくないでしょうし、プランを眠らせたままにするのも勿体ないので皆さんの自粛中の暇つぶしにでもしていただけたら幸いです。
一応基盤となるプラン自体には多少自信があり、十分大会環境でも通用すると思います。

0.デッキレシピ

はじめに執筆時点まででの最終的な構築を載せておきます。

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サイドデッキは適当なカードを入れているだけなのであまり気にしなくて結構です。テキストの分からないカードは、以下の公式データベースへのリンクから確認してください。

http://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?cgid=b0e7540f074afd543e1c8287ffe17b44&dno=30&request_locale=ja

最終的にこのリストに辿り着くまでの過程を紹介することで、このデッキのメインカードそれぞれの採用理由や、展開ルートを解説していこうと思います。

1.構築の経緯① リンクロスプラン採用まで

まずは以下の動画をご覧ください。

ハリファイバー1枚からエルシャドール・ネフィリムを着地させる(最近よく見る)展開です。この展開自体はリンクロス、プロキシーFマジシャンが登場した時点で存在していたものです。ハリファイバーを使ってはいますが、シャドールの構築上の要である光属性の供給を、リンクロス(=素材の緩いEXカード)で行う展開、という方がいいでしょう。
1枚初動でネフィリムが出ることは勿論革命的ではあるものの、この先の展開は、ETERNITY CODE発売当時のカードプールではイマイチでした。
強いて言えば、ネフィリムで接触や聖選士を落としてアナコンダでドラグーンやミドラーシュを出すことになるのでしょうか。
弱いとは言いませんが、gを筆頭とした誘発を重く踏む割には返しのリソース面か妨害かで不安が残る展開で、他の構築のシャドール(特に召喚シャドール)と比較した明確に有意であると言い切れません。
シャドールストラク以降ずっとシャドールに触ってはいたものの、こういった背景もあり、これだ!という構築にはたどり着けずにいました。

そんな折に不意に登場したのがこちらのカード。

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このカードが強いというのは様々なところで紹介されている通りですが、より具体的には、たとえ盤面が空でもこのカードだけで妨害とリソースが完結している点が革命的です。

従来のシャドールというデッキは、常に盤面かハンドにシャドールモンスターを切らさないようにしつつ、融合魔法を回していくのが基本でした。影光の聖選士という例外はあったものの、通常罠ゆえに往復で1度しか開けないため、単体ではミドラやアプカローネを出すとその動きしかできず、ネフィリムを出すと妨害にならないというジレンマがありました。

そこを踏まえてこの影依の偽典というカードを考えるとその優秀さが際立ちます。
他にリソースが一切なくとも、とりあえずこのカードさえ触れていればなんとかなります。気軽に下級シャドールをリンク素材にしてもリソースが続きやすい(=手数の増加)、盤面に寄らず融合体を使い分けられる、マジェ耐性を簡単に超えられる、などその恩恵は計り知れません。前述のハリファイバー展開において、ネフィリムで触るのにこれほど適したカードもないでしょう。

この”これ1枚さえ触ればいい”というカードが登場したことで、ハリファイバー(というよりはリンクロス)を軸としたプランを取ることに踏ん切りが付きました。ネフィリムを落とすためのリンクギミックとしてはとりあえずアナコンダ+ドラグーンを暫定的に採用し、以降はこのリンクロス展開を練っていくことになります。

2.構築の経緯② 初動カードの模索

次に考えるのはハリファイバーを何で作るのかという点です。
クリッター+神樹や恐竜ギミックといった定番出張セットから、B・Fのようなニッチなものまで手当たり次第に漁り、様々な観点で精査していきました。その結果、最終的に落ち着いたのがこのカードでした。

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地獄門の契約書DDラミアの出張セットです。
このギミックにおいて最も重要なのは、
・リンクリボーを経由しながらハリファイバーを作れる
・ハリファイバーまでに無効系誘発を貰わない

という2点を同時に満たしていることです。
この2つの要素が組み合わさった場合、無効系誘発への貫通力が大きく上がるのです。
例えばライティドライバーのようなカードの場合、召喚時効果に無効系を貰うと当然展開は止まります。クリッターのようなカードなら召喚権に貰わずともハリファイバーに無効系を貰うとやはり何もできません。
しかし地獄門であればリンクリボーを経由できるため、

・ハリファイバーに泡影→リンクロス→リンクリ蘇生→アナコンダ
・リンクロスやプロキシー、ネフィリムに泡影→盤面でアナコンダ
・アナコンダに泡影→ルーク1妨害+ルークファルコンのリソース

というように、地獄門1枚で無効系誘発を1枚貫通できるのです。

また、他のカードとのくっつきで展開強度が上がる点も重要です。
例えばハリが誘発を貰った場合、緊急テレポートを持っていれば追加でもう1枚誘発を貫通できます。緊テレでウェンディを出して実質ハリが通った以上の盤面にできるためです。したがって対面からすると、緊テレを意識するならハリファイバーをスルーしてリンクロスやプロキシー、アナコンダに無効系2枚を当てたくなりますが、ハリを通してしまうと今度は神の写し身との接触や超融合が裏目になってしまいます
ハリが通ってリンクロスに誘発を貰った場合、チェーン接触(or超融合)でネフィリムss、トークンが出て、ウェンディ(orルーク)を落としファルコン蘇生リンクリ蘇生……と動けば明らかに誘発を追加で1枚以上貫通できるのが分かると思います。

加えて、緊テレや接触といったカードは誘発を貰わなかった際には最終盤面を強くするカードにもなります。

途中までは地獄門1枚展開と同じルートをたどりながら、最終的にはルーク+ドラグーンに加えて接触と下級が追加されたより強固な盤面になっていることが分かると思います。
このように、誘発の貫通札になりうるカードが、展開が通った際には盤面を強くするカードに変わるうえ、いずれの役割で使うかは誘発を見てからで十分間に合うという、マストカウンターの見極めづらい展開をすることができるのです

さらには、ハリファイバーとリンクロスのどちらも無効になったとしても、リンクロスという光属性が残るため、融合魔法+ウェンディorリザードで改めてルークドラグーンに向かうこともできます。

融合魔法が接触であればそもそもリンクロスへの誘発を躱すことができるため、さらなる誘発貫通も見えてきます。

以上の考察のように、地獄門の持つ2つの特徴によって、ギミックカードとのかみ合いもよい貫通力の高い1枚初動として機能することが分かってきたため、基盤となる初動をこのカードに決定することとしました。
また、地獄門の誘発貫通に関わる以上の考察から、アナコンダ+ドラグーンのギミック(=モンスター2体のみで作れる十分な妨害)を採用する必然性が生まれることが分かります。よって、暫定的に採用していたここも同時に採用を確定としました。

実際に地獄門の契約書というカードを採用して回してみると、貫通力の面以外でも、単体でssチューナーとして利用できたり、コストのあるカードともかみ合いがよかったりと、非常に扱いやすいカードでした。
 例:後手で下級シャドールセット超融合コストラミアで雷神龍などの光をつぶしてからラミア蘇生してハリファイバー展開

惜しむらくは下級シャドール単体とはかみ合わないことと、魔封じ勅命などのギミックへのメタが刺さってしまうことですが、これらの点は単体での取り回しの良さがずば抜けていたため仕方ないと思います。
最後に、初動の嵩増し兼ハリファイバーの択として、同様の動きができるジェット・シンクロンを数枚採用し、初動周りの結論としました。

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3.構築の経緯③ 確定枠の考察

初動周りが固まったことで、構築に起こすための確定枠を考えました。
ここまでの議論から少なくとも構築に必要であるカードをまとめると以下になります。

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地獄門とジェットロンは初動でありお互いの被りも弱くないため減らす必要がないと判断し3枚。
ここから汎用カードを盛り前期で言うリリーサードラグーンのような構築を目指すことも検討しましたが、その場合はシャドール周りのカードの素引きが浮いてしまい、シャドールカード+ドラグーンセットという多量のゴミをデッキに抱えることになってしまいます。基本展開の盤面強度はそのゴミの量に対しては不十分なうえ、影依の偽典のリソースとしての側面が生かせないのもあり、展開系に寄せるのはプランとして弱いと判断し、断念。
大人しく融合魔法やシャドールモンスターを採用する方向で考えることとしました。

シャドールギミックでリソースを回す上での必須カードを追加。

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神の写し身との接触は速攻魔法ゆえに妨害の貫通やライフカットなど用途が多く、影依融合も後手捲りの際のパワーがシャドールを使う意味たりうるものなので、先後問わず引いていきたいカードとして3枚確定で採用しました。従来のシャドールでの初動カードであったように、このデッキでも準初動として機能するため最大枚数で問題ないと思います。
モンスターはゲームエンドまでに最低限リソースが回る枚数を暫定的に入れていますが、初手に融合魔法と同時に引く確率などを考えるともう少し枚数が欲しいところです。その分も加味して考えると全体で30数枚、残りスロットは10もありません。
仮にここから残り全てを誘発で埋めたとしても誘発の総枚数は10枚少々となり、これは対面の展開を確実に止めるには心もとない枚数です。したがって必要になってくるのは中途半端な枚数の誘発ではなく、ギミックの対応幅を広げ、影依融合と合わせて後手を捲っていくカードです。特にドラグーンは環境に十分すぎるほど蔓延しており、対策を講じないのは愚策でしょう。

安直ではありますが、まずギミックとの噛み合いもあるカードとして超融合をフル投入しました。準初動や妨害、ライフカットカードとしての役割も期待できますし、素引き捲り札だけでなくアナコンダの択にもなるため強力なカードです。
しかしドラグーンに対応できるカードが超融合だけでは心もとなく、特に影依融合が通った場合に確実にドラグーンを捲ることができる保証が欲しいと考えました。そこで候補に挙がったのが閃刀姫-ロゼです。

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もともとシャドール使いの身内からドラグーンを見れるカードの1つとして以前に提示されており、巷でも稀に採用したシャドールを見ていました。今回ドラグーン対策を考える上で改めて存在を思い出し、採用を検討した格好です。展開を考えてみると、影依融合とバトルフェイズのみでns権も使わず簡単にアナコンダ+ドラグーンを捲ることができると分かり、またロゼを使用せずに捲るルートが思いつかなかったため、採用が確定しました。素引き真紅眼融合には対応できないものの、規制でその機会が減っているのも追い風です。
(下の動画でロゼ起動前のどこで発動無効を受けてもロゼが起動でき、ロゼまで待たれた場合はアナコンダ超融合が通る)

またこのルートにおいて、アナコンダを剥がしロゼを起動させるためのモンスターはリザードかドラゴンの二択ですが、他の妨害を踏む過程などでリザードを使用したかったり、素引きで引ききってしまっていたりする可能性を考慮し、ロゼと合わせてシャドール・ドラゴンを採用としました。

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苦手な罠デッキ対面での重要な手数になる点、自ターン内に破壊耐性を超えられる貴重な手段である点も考慮すると、ここも確定枠に思います。

ちなみに、影依融合自体がドラグーンで止まるから意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、個人的には影依融合でドラグーンを心置きなく踏んでいけることに意味があると思います。
対面からするとシャドールの融合魔法はあまり発動無効を撃ちたいカードではありません。二枚目の素引きが裏目になるのは勿論、テーマ内で墓地から簡単に拾えるため、できれば下級それぞれの効果を止めたいと思うでしょう。ですから、影依融合を止めざるを得ない状況にする(相手視点からはそれが分からず通ってしまっても実際に捲れる)ためにロゼの存在は重要だと考えます。

さて、ここまでを整理すると以下のようになります。

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この33枚が自分が現環境でリンクロス軸のシャドールを組む際に必須枠だと考えるカードです。残りの7+@で微調整を行っていきます。

4.構築の経緯④ 諸説あるカードの枚数

暫定的に以下のレシピで仮回しを行い、枚数や必要なカードを調整していきました。

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〇影霊の翼ウェンディ、シャドール・リザード

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デッキ内の全てのシャドールモンスターにアクセスできるカードです。
始めは既存のシャドールデッキのテンプレに従い3:3で構築していました。しかしながらある程度回していると、素引きしたこれらがハンドで浮くシーンがちらほら見受けられました。実際地獄門を採用した都合素引きがそこまで重要でない点は机上論でも事実です(少なくとも被ってまで引きたくはない)。
また別の観点として、ハリファイバーやドラグーンのパワーにより他の型のシャドールよりも早期決着が多かったというのもあり、そもそも融合魔法と同時に引いた場合しか強いカードではないため、最終的には2:2に減らしました。
減らしたことでデッキ内に3枚目がないことによるリソース切れなどが起こることはありませんでした。むしろ低速デッキとのリソース戦になった場合に重要なのはファルコンやアプカローネ、聖選士を回すことなので、以降基本的に3枚目は採用していません。
もし入れるとすれば素引き確率を上げたい(=融合魔法、特に超融合を強く打ちたい)場合だと思うので、ドラグーンを吸いながらスタぺリアなどになれるリザードを増やすのかなと思います。

〇シャドール・ビースト

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シャドールを触って暫くは必要性が分からなかったのですが、有識者から融合スタートの際のgストップのために必要だとの見解を得ました(ヘッジで拾ってアドバンスセット)。実際に使ってみるとハリ初動のプランとはいえ融合から入らなければいけないシーンはちらほらあり、必要性を再確認。
加えて、他のシャドールデッキと比較して増殖するGが重く刺さるプランなため、おろかな埋葬からビーストを落としうらら墓穴を引きに行くシーンもありました。
おろかな埋葬はドラゴンを落とし雑に罠を踏むことも多かったという点にも鑑みて、択を作る意味でも、おろかな埋葬+シャドールビーストのセット採用を決定しました。
付随して墓穴の指名者に関しても、腐るシーンがあまりなく、ビーストを落としてでも引きたいカードであるシーンがあるとの認識を得たので、3枚をそのまま継続採用することとしました。

〇その他シャドールカード
大半は特筆することもなく、暫定レシピのままでよかったと思います。
ヘッジホッグ、エリアル、ドラゴンは2枚目が欲しいシーンはなく、ウェンディやリザードですら素引きが微妙で減らしていることから各1のまま。ファルコンはたまに欲しくなるシーンがありましたが(ヘッジで触ったファルコンをnsしハリ展開に行ったもののうまく拾えない等)、プレイなどでケアできる範疇と考え1枚をキープ。ハウンドは必ずハウンドでなければならないシーンが机上論でも実戦でもなかったため不採用のままです。

もっとも採用枚数を増やしたいと思ったのは影光の聖選士でした。

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従来のシャドールでは2~3枚採用が多く、実際このカード自体は強いことしか書いていない類のカードなのですが、いかんせん初動がない時に素引きすると死に札でしかありません。速めのプランを取っているのもあって出来れば減らしたいと思い1枚で回してみました。
2枚欲しいと感じたシーンは多々ありましたが、細かく振り返って精査すれば、過剰に展開しこのカードの墓地効果を浪費している場面も多かったことに気が付きます。重要なのは、このカードの墓地効果を使うべきゲームか、半無限リソースカードとして長期戦を戦うべきゲームかを見極めることでした。
例えばこのカードの墓地効果を使うことで相手の盤面を追加で1枚剥がせたり、さらにライフを取っていけたり、あるいはリソースが若干増えたりといったケースで、本当にやらなければ勝てないのかを考えるようにしました。墓地効果は実質デュエル1なので、先攻で盤面が明らかに強くなるシーン、使わなければ敗色濃厚になるシーン、あるいは使えば裏目がほぼ消えて勝ちまで持っていけるシーンかのいずれかにだけ使う、というようにです。
するとルークの恩恵もあって、意外と2枚無ければいけない場面というのは少なく、プレイでどうにでもなると感じました。
勿論誘発を貫通してギミックを回さなければならず墓地効果を使ってしまい、以降若干苦しくなるというケースもありますが、そのまま敗北に繋がるかと言われればあながちそうでもない、といった感じです。本当に影依の偽典が偉大でした。
結論ここも必須枠の1枚のみでいいという判断です。

〇幽鬼うさぎ

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暫定レシピのメインに入っていないカードで唯一明確にほしい場面があったため、ウェンディリザードを削り39枚になったメインの最後の一枠として採用することになりました。
幽鬼うさぎというカードの効果にそこまで深遠な意味はありませんが、緊テレ対応の光チューナーというスペックのカードが幽鬼うさぎかPSYフレームギアかメンタルマスターしか存在しなかったため、枠の都合と単体性能でこのカードになりました。
主な採用理由は2つあり、1つは緊急テレポートからの光供給の役割です。
たとえば融合魔法+ウェンディ+緊テレと引いた時、このカードがあれば展開が始まりますが、なければ及第点の展開すらできません。緊テレというカードに択を作る意味であった方がよいと感じました。
もう1つはデッキ内の光属性の枚数。暫定レシピでは光属性が閃刀姫-ロゼしかおらず(シャドールなのに!)、デッキ融合時に稀にイカれることがありました。
また細かいシーンでもたまに欲しくなるカードで、例えば素引きラミア+緊テレと引いた時や、地獄門+緊テレでラミアが墓穴を踏んだ時などなど。また実際にあった例として、相手の盤面にフリチェ破壊系の妨害があり、ジェット+リザード+接触と引いていたシーンなどもあります。その際は、ハリが割られてしまうと光が絡まないため展開がしょぼくなり捲り切れず、ファルコンではなくうさぎをリクルートしました。

最後に、ここまでスルーし続けていたエクストラデッキについてですが、アクセスとドラゴスタペリア以外の13枚確定枠なので語ることはほとんどありません。
基本展開で使わないリンク2が1枚必要なためクロシープは確定、シャドール融合体も全て展開上必要になってくるので6枚確定、他は既に名前が挙がったカードのピン採用です。
残り2枠のうち片方はドラグーンを吸える超融合枠としてスターヴorスタぺリアorドロゴン、もう片方はドラグーンを超えられるカード兼盤面に触れるカードとしてのアクセスです。辛うじて自由枠になるのはアクセスだけですが、このデッキは普通に展開するだけで墓地に5属性(リンクリ、リンクロス、ハリ、プロキシー、クロシープ)がたまるのもあって盤面を壊滅させやすく、また高打点を超える手段がギミック内に存在しないためほぼ必須だ思います。

以上で冒頭に示したデッキレシピが完成しました。

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その後も何度も回してみましたが構築上で問題があると感じたことはなく、経緯④で話題に上げたカードを中心に細かい枚数などは変更する可能性がありますが、デッキとしての大枠はこれで決定でよさそうです。

5.原始生命態ニビルについて

最後に原始生命態ニビルの対策について記述します。

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基本的な無効系誘発はここまでの議論で比較的貫通できることが分かると思いますが、ご存じのようにニビルという誘発は他の誘発とは妨害の質が大きく異なっており、あらかじめ意識した展開を行わないと致命傷を貰いかねません。ほぼデッキの中身が固まったことで、このデッキ内容で行えるニビルケアについて考察を行いました。

このデッキのニビルケアについては固定のルートなどはなく(開発しておらず)、いくつかの点を意識しながら初手や盤面を見て都度考えるしかありません。
とくに重要なのは、
①原始生命態トークンは光属性である
②ニビルは表側のモンスターしかリリースしない
③プロキシー、アナコンダはニビルを踏みうる

という3点だと思います。

①についてはそのままの意味で、トークンが光属性のため、なんらかの形でニビルを撃たせられれば、融合魔法とシャドールモンスターで展開できるということです。③で後述しますが先攻ではプロキシーでニビルを踏みやすいため、ハリリンクロスに無効系2枚を貰った時同様に影依融合+ウェンディで貫通していくことができます。

②について特に意識すべきはシャドール・ファルコンの存在です。ファルコンはハリでssした場合など表側の状態でリリースされると自己セット効果により盤面に帰ってきてくれ、既に自己蘇生されている場合にはリリースされません。シャドールというデッキのリソース戦の要はファルコンなので、このファルコンがニビルにリリースされないというのは大きい点です。2ターン目以降のニビルを意識する場合に、ファルコンをキープするために極力反転召喚は温存するなどのプレイが考えられると思います。
また限定的な状況ではありますが、影光の聖選士でニビルをケアできる場面もあります。効果使用済みのドラグーンがいる状態でニビルを撃たれてしまった場合、墓地に聖選士があればチェーンして発動することでドラグーンを裏返してニビルから守ることができます。一旦裏側を経由しても素材情報は失われない(はず)なので、さらに反転召喚して起動効果でニビルを爆破して殴りかかる……といったお洒落な芸当が可能です。
※追記 上記の素材情報に関して、実際には保存されず起動効果は使えません。筆者の間違いです。

③についてですがこれは主に先攻展開時に重要な点で、どうやってニビルを撃たせるか?という問題への答えの1つです。
アナコンダがニビルを踏むのは当然で、ドラグーンを出されるとニビルが止まってしまい、アナコンダチェーン発動でも結局ドラグーンが成立してしまうため、リンク召喚成功時に打たざるを得ない……というような話です。
プロキシーFマジシャンの効果も、通ってしまうとネフィリムが着地してしまい、以降どこでニビルを撃っても影依の偽典の妨害を消すことができないためニビルを踏みうる部分です。

これらを踏まえた上で、ニビル含む誘発をどう受けるか1つ具体例をあげます(必ずしもこれが正解とは限りません!)。

例.地獄門の契約書+おろかな埋葬+影依融合

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地獄門から入るパターンと埋葬から入るパターンがあると思いますが、自分は地獄門から入ります。

地獄門から普通に動きハリからファルコンで5回目です。ハリが止まった場合はリンクロスに行き、そこも止まれば埋葬ヘッジからリザードを拾って融合(グラビティコントローラーを匂わせて誘発ためらわせるためにEXゾーンに出す、うららはケア不能)、ここのネフィリムが止まればリザードでお祈りビーストワンチャンかウェンディでファルコン出して盤面にリソース残すかで、ネフィリムが通るならウェンディでビーストss聖選士で起こし、アナコンダドラグーンまで(この過程のニビルもケア不能)。
ハリが止まりリンクロスが通っていれば、ニビルがあるか何も無いかの2択だと思うのでニビルを重く見て先にアナコンダss。ニビルしか持っていないならここで撃たざるを得ず、上と同様に埋葬ヘッジから融合していき貫通(最後に出すのはクロシープ)。アナコンダ成立時何も撃たれなければそのまま真紅眼融合を撃ち、ここが止まった場合は光のトークンが1体残っているのでやはり埋葬ヘッジから融合してネフィリムを着地させます(融合チェーンニビルは原始生命態トークンが光なので無意味)。
そもそもハリが通っていればほぼニビルがあると思うので、プロキシーで誘発チェック。誘発があるならここを通す意味はないため何かしらは撃たれると思います。何を貰ったとしても埋葬でリザードを回収してから融合。これでもう1枚誘発が貫通できます。プロキシーに泡→融合にニビル→ネフィリムにヴェーラーなどがキツイですがそれでも聖選士でファルコンを起こせば無理やりドラグーンまでは行けます。融合へのうららはケア不能です。


自分ならこのように考えると思います。他にも埋葬ウェンディで先にファルコンを出してハリからはジェットを出す人などもいるでしょうが、いずれにしても貫通の際には上記①~③が重要になってくるでしょう。

6.おわりに

以上が自分がリンクロス軸シャドールを構築する上で考えていたことのほぼすべてになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました、ぜひ試しに使って頂けたらと思います。
願わくばこのプランでCSに出たかった……

最後に、適当に書いているうちに置き場所を見失った展開を置いておきます。地獄門+影依融合から接触ルークドラグーンまで、ネフィリム全部使って無理やりつなげる展開です。

文責は案山子(@Batteryman_yp)にあります。
ご指摘やご質問などもこちらへお願いします。

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