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発展し続けられるのは、バリューを磨き続けた会社だけ

ビジネスを始める時、どんな経営者でも最初はガムシャラに売上を作りにいくところから始めるものです。
ところが、ある一定段階で同業他社と比べ大きく成長する企業と、そうでない企業が出てくるようになります。
ではその差は一体どこから生まれてくるのでしょうか?

この回答は色々あるのだろうと思いますが、私の拙い経験からすると、自社の「バリュー」をどれだけ磨き続けられるかが、後年大きな差になって現れるように思います。
尚、一般に「バリュー」はビジョンなどと共に、社員の行動規範のように使われることも多いのですが、ここではもう少し広く「同業他社と比べて、その企業を特徴付ける価値」くらいに捉えておいてください。

一般にビジネスを大きく分解すると 『リーチ数』×『CVR(成功率)』×『単価』 という3つの要素に分解できると言われています。

そしてそれぞれのパワーの源泉は、とてもざっくりいうと、

『リーチ数』・・・資本力
『CVR』・・・価値開発力
『単価』・・・ブランド力

と考える事もできるでしょう。

この中でリーチ数と単価は分かりやすいのがですが、一見分かりづらいのがCVRです。
そして、実はCVRこそ、その企業の価値(バリュー)と大変密接な関係があるのです。

話をわかりやすくするために、例えばAmazonの例をあげましょう。
Amazonのバリューは「あらゆる商品を届ける」ことにあります。
では、そのバリューを経営にどうやって反映すべきなのでしょうか。

かつてAmazonの米国本社はAmazonジャパンに「アイテム網羅率」と「顧客2回目購入率」の2つのKPIだけ毎月報告させていたと言われています。
因みにアイテム網羅率とは、例えば日本で買える全てのリンゴジュースのうち、Amazon上でどれだけ買えるかという数字です。
驚くことに「会員登録数」「新規購入者数」「購入数」「購入単価」などは報告対象外なのです。

つまりAmazonは、自身のCVRを「アイテム網羅率」と「顧客2回目購入率」の2つで測っていたわけです。
つまりAmazonは、お客様がAmazonの購買体験にどれだけ満足して、結果的に2回目の購買に結びついたかをAmazonの”価値(バリュー)"が体現できている、と定義していたということなのですね 
そしてAmazonという会社は、基本的にこのバリューをずっと磨き続けてきた会社だといえるでしょう。

このAmazonの例に見られるように、他社が簡単にマネできない競争優位性は実は『CVR(価値開発の力)』のみ宿ります。
リーチ数は中小企業がどんなに頑張っても、大企業が本気になって資本を投下してくれば容易に覆されてしまいます。
そして単価は市場占有率やプライスリーダーの存在によって容易に左右されます。
だからCVRを磨き続けた組織のみ、社会に不可欠な存在として、マーケットリーダーに存在し続けることができるのです。

こういう時代だからこそ、改めて自社のバリューが何なのかを見つめ直し、磨き続けていきたいものですね。

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