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お前は好きなことがあって良いよな

とある年、20年来の親友たちと久しぶりに旅行でも行くかという話になった。

ウルトラ雨男な僕のせいもありその日は大雨、大荒れ。でも楽しく観光したり飲んで食べて大笑いしながらホテルについた。

食事も済ませ風呂に入り宴会タイム

酔いも回ってきた頃にいつものように変わらぬ僕らのこれまでの成果発表的な熱く語り合う時間が来る。

そんな中親友の一人がいつになく酔っていた。そいつは大企業に勤め僕らの中でも一番の稼ぎ頭ですでに一般的に言われる「幸せ」な生活をしているやつだった

ゲラゲラ笑いながら話している最中そいつが呟く

「俺にはやりたいことが無い」

突然の告白に驚かされた。黙って聞いていると

「お前は好きなことがあって、そこに全てをぶち込む頭のいかれたやつだけど、すげーと思うよマジで」

こんな言葉が後に続いた。

僕はすごくびっくりした。あいつが僕のことをすごいだって?この20年で初めて聞いたかもしれない

僕にとってはこれまで挫折など知らないであろうあいつは大企業に勤め、収入も同級生の中ではすごく高い方で、車も買い存分に遊び好きなことをやって生きているんだと思ってた。人生の成功者だと思ってた。

でも好きなことがない、やりたいことがない

それがめっちゃ辛そうであった。

確かに今の僕から音楽や金管バンドへの愛や衝動を奪われたら本当にダメになると思う。それがあるから動いてる、飯も食べるし筋トレもする。人との関わりだってそう

でもそれが無い状態を想像したら本当に怖くなった、無気力の塊である。いろんな新しいこと、楽しいと言われること試してみても暖簾に腕押し状態でどれもひっかからない、熱中できない



怖い



自分の好きなことに自分の全てをかける、注ぎ込むというのはこの世界では稀なことのようだ

いつの頃からかそういう人しかいない世界に迷い込んでいるようでそれが「普通」だと思っていた僕は親友の言葉に驚かされた

そして思った、こいつは色んな事、まして自分の好きな事を我慢して何かを頑張らざるを得ない状況がもしかして我々の知らないところでたくさんあったんじゃないか

挫折を知らないなんてこっちの勝手な見方で、こいつはこいつでめっちゃ大変な、自分を押し殺さなきゃいけない時がたくさんあったんじゃないかと思った

自分の好きなことに蓋をして、蓋をしすぎていつの間にか蓋の開け方を忘れたどころか、蓋をした好きなことがどこにいったのかさえわからなくなっているんじゃないか

そんな風に思った。


人それぞれ好きなこと、熱中できること
個性とか言ったりするけど、その力はものすごい

ちゃんと自分自身を見つめその好きなことをやらせてあげないと人はちゃんとロボットのように無気力に何かをこなすだけの存在になる。でも心だけはそれでもあるから苦しい時間が続く

僕の親友は大丈夫だと思うけど、彼は好きな事をまた探しだすことを諦めていないから

でももし長い年月で好きなことがわからなくなっていたとしたらそれはせっかく自分が持っている自分らしさというのを見失っていることになる。

なのでたまには自分を見つめなおして好きなことを探しだしやらせてあげないと。

我慢できちゃう人は本当に我慢強くて、それで好きなこと忘れちゃうんだよね

僕も久しぶりにドラクエとかFF10とか64買いなおして007とかスマブラでもやろうかな

今日はこんな話

Japan United Brass Project本日5/31千秋楽

河野企画オンライン事業


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