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金管バンドのベースパート攻略法3選

難しい!!

その一言でまとめてしまうのはもったいないぐらい金管バンドの中で演奏するベースパートには沢山の魅力があります。

オーケストラや吹奏楽ではあまり出てこないフレーズ、音域、音量、技巧など様々なものを攻略していく中に光る魅力、そのために必要なテクニックをご紹介。


もくじ
1, 細かい音符は露骨にはっきり
2, ノータンギング
3, 役割分担


1, 細かい音符は露骨にはっきり

例えば
The year of the Dragon/ P.Spark
Strathcarron/ P.Spark
Brussels Requiem/ B. Appermont
Extreme Make-Over/ J. de Meiji

これらの曲の中にはまるで木管楽器や弦楽器で演奏されるような細かく速いフレーズが羅列したり、ダブルタンギングやトリプルタンギングをたくさん使う必要があるフレーズも出てきます。

多くの場合チューバやベースなどの低音楽器がそのようなフレーズを演奏すると起きるのが

・不明瞭に聞こえる
・音量が下がる
・遅く聞こえる

といったことです。

僕もチューバやサクソルン属系のベースを吹くので苦心してきました。しかしこれには伝統的な攻略法があります。

そういった細かく速いフレーズやタンギングは
露骨にはっきりと(普段の演奏に比べて)

・タンギングを行う(もはやアクセント気味に)
・単純に音量を上げるように演奏をする
・とにかくゆっくりとしたテンポから練習を行う

これが必須です。
フレーズの始まりや途中にある16分音符などでタンギングを必要とされた場合はほぼアクセント気味に演奏をし強調をします。結果的にそれぐらいでやっと通常の譜面通りのバランスに聞こえます。


また16分音符群の羅列の際は他の長めの音符に比べ音量を上げ=息圧を上げる事によりより音程や音形が見えるようになって広い場所でもクリアに聞こえるようになります。

遅い、聞こえない、何やっているのかわからないと言われた事があるベース奏者は多いと思いますが上記の事を丹念に行なっていくと難所もスムースに聞かせる事ができます。

2、ノータンギング

賛美歌や美しい歌の部分などは表現上スラーがフレーズの役割をしていたり、弦楽器や歌をイメージをしている場合ほぼスラーがなしで書かれている事が多いです。

しかし、これをベースで忠実に再現をすると音がしっかりと途切れてしまい滑らかさや歌のような表現が出にくくなります。超ソフトなタンギングであればありかもしれませんが、僕はノータンギングを多用します。

タンギングをせず息のコントロールのみで音を区切る、というか変えできるだけ滑らかにスムースに聞こえるように演奏をします。

例えば

・賛美歌
・歌
・カンタベリーコラールのようなコラール系
・威風堂々のトリオの伴奏

などはノータンギングを選択する余地が大いにあります。

表現方法の1つとしてノータンギングも取り入れましょう。

3、役割分担

一人で演奏できる範囲には限界があります。
金管バンドのベースパートはオーケストラとは違いEb&Bb2人ずつ合わせて4名の奏者がいます。そのため個人練習をしている最中に明らかに

・息が続かない
・分割をし、分担を行った方が効率的
・1番パートと2番パートを時たま入れ替えるのもあり

など工夫が必要になってきます。

一番大切なことは

バンドの中でベースがどのように役割を果たし1つの曲を表現するか

です。一人で全て演奏する必要はありません。
またある人がずっと1番、ある人がずっと2番を演奏し続けなくはいけないルールはありません。

まとめ

難所を難所のまま演奏するのか、早い箇所を難しいからと諦め本番を迎えるのか選ぶのは自分です。

しかし、少しの工夫とベースチーム同士のチームプレイで乗り切れるものが殆どです。ぜひサポートをし合い自分自身の演奏は工夫で乗り越え素晴らしい金管バンドライフをお過ごしください。

ご読了ありがとうございました。

河野一之



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