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楽器演奏の分割

おはようございます。

河野企画代表、チューバ奏者、指揮者、金管バンド専門家、英語通訳、企画運営の河野一之です。

楽器演奏の分割

楽器を演奏するっていうのは普段の僕たちの生活で全く使わないような筋肉や神経を使う。

それゆえ簡単に感じることはそれで良いのだけれど難しく感じる部分(よくいう高い音とか、早いフレーズとか)に出会った時に解決方法が全くわからず呆然としてしまう。

でも目やデータで見えやすいスポーツなんかは色々なことが科学的に検証されていて、人それぞれの個性次第でどのようなトレーニングをすると〇〇が伸びるというのが検証されている。しかもそれができていない場合の解決策も沢山研究されている。(だから100mを9秒台で走っちゃう人増えてきたでしょ?)

でも音楽(特に日本語に訳されているもの)はまだまだそこが弱く、データ化や検証がやっとここ10年ぐらいで発展してきた感じ。だからまだまだ何をどうしたら良いかわからないままの人は多いと思う。

そこで先日こんなツイートをした。

楽器の演奏は普段の生活であまりしない動きをする=よくわからない未知の感覚を使用する。ということになる。

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そんな時スポーツでも感覚やそのための筋力をつけるためにまず何をするかというと練習法の細分化を行う。

例えば水泳の平泳ぎ。まずは走り込みや筋トレ、フォームの確率のために
・腕だけでの練習
・足だけ
。息継ぎの感覚
・体感トレーニング

などなど毎回水の中でひたすら平泳ぎを行うのではなく、水中での平泳ぎという非日常から、細分化したトレーニング(日常により近いもの)から始め筋肉や感覚を掴む。そうして細分化し強化した身体を使って実際の水中での平泳ぎに戻る。すると魔法にかかったかのように泳ぎやすくなったり、さらに改善点を見つけることができる。

楽器演奏も同じだ。

例えばこれまでの人生で100万回ぐらい聞かれる「高い音がでない」の話。

箇条書きにしていくと

・「高い音」が出ている原理を知る。
口から出す息によって唇が必要な回数振動する。その振動が楽器内の空気も振動させ、さらにその空気の振動が楽器という金属を共鳴させることにより鳴る。

高い音が出ない理由は①わざわざ自分の身体がこれ↑を邪魔するような動きをしている、または②この動きをするための筋力や能力が付いていない。この2点しかない。

あとは唇が半分ないとか、歯が折れているとか楽器が壊れているとか自分では解決し辛いことが原因となる。

あといつも「なぜ出ないか」を考えるのと同時に上の原理のように「出ている理由」も考える必要がある。

この原理を遂行するためにスポーツのように楽器を演奏する上での行動を細分化して研究をする。

・姿勢
・息だけ
・歌だけ
・イメージを具体的にする
・マウスピースだけ
・フリーバズだけ
・自分が感じる「高い音」を自分が吹いている時と楽に鳴る音域を吹いている時の自分の身体の変化を観察する

etc

とにかく細分化、何百通りの方法を試す。するとどれかしら当たり自分だけの奏法を手に入れることができる。

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高い音がならない=これまでの練習をしていたから高い音がならない
→練習方法を変える=新たな可能性

となる。

僕も10年前、音大にいる時に聞いていた巨匠たちの演奏。彼らが演奏する尋常ではない高音域は神の領域だと勘違いしていたけど「今出る」。というか表現の1つとして使えている。

それは出る理由と出ない理由を知って実践したからだ。それを知るために勉強やトレーニングの細分化が必要になるよ。という話。

Super CとかD(Double highの音域)だって可能な方法と不可能な方法を知ればおのずと答えは出てくるよ。

今は高音域の話をしたけど、早いパッセージや高速リップスラー、美しいスラーにレガート奏法、ヴィブラートなどなど全てそう。

All the best my friends!




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