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猛練習したあの曲との再会は、あの日の自分との再会

おはようございます。

河野企画代表、チューバ奏者、指揮者の河野一之です。

コロナの第二波が大方の予想通り世界各地で起こっている中、発信や企画の開発は一旦横に置いて河野は相変わらず

ガンざらいしている。

(※さらう=練習する)

このコロナ期間中は外出の機会も減り、なおさら音楽や自分自身に向き合う時間が多分に増えた。さらに世界中の一流のアーティストたちがこぞってビデオ配信やウェブ・マスタークラスを開催してくださっているおかげで最新の知識が手に入ったりモチベーションの継続にもなっている。

なんのために

しかし、一時期悩んだのが

なんのために練習をしているのか

である。コロナで演奏会もない、イベントだって開くには開けるけれども僕がお客様の立場になったらまだ絶対の安心の元ライヴ・エンターテイメントを楽しめるかは疑問だ。

演奏会もない、先の見通しも立たない。そんな中で練習することになんの意味があるのかと考えた結果ある名案が浮かんだので後日紹介する。

これによりモチベーションはかなり上がった。

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今日の話

そして今日の話題。そんなモチベーション爆上げの中「今吹きたい曲、好きな曲」を楽譜庫の中から見繕ってみた。

高校三年生で初めてチューバのソロに出会って10数年、やったほうがいいかなとか、必要かなとか、誰かにやりなさいと言われ買ったものから吹けるようになりたい!好き!!と思って買ったものまで数十曲。

もう試験もないし、受けるとしたらソロコンテストぐらい。なので愛してやまない協奏曲たちと必要かな?という曲以外はすべて売りに出した。
(万が一売り出し中の楽譜に興味があったらDM)

そんな中上記した名案のため、選曲している中でまた手に取ったのが

Tuba Concerto / Philip Sparke

出会い

この曲との出会いは大学四年生、慣れない英語を駆使し個人輸入したCDの中に入っていた。元Black Dyke Band首席Eb Bass奏者のJoe Cookが自身初のソロCDとして発表したDebutの中の一曲だった。

そんな中日本で唯一授業としてブラスバンドを行なっている洗足ブリティッシュ・ブラスにてBb Bassを演奏していた僕はこのジャンルに魅了され専門家になることを決意する。

しかしBb Bassではソロの曲を吹くのには適さない、やはりチューバ・ソロといえばEb Bassだ!ということで大学にあった購入されたばかりのBesson Eb Bassを借りこの曲を吹いてみようということにした。

会場は洗足が誇る1000人越えのホール、前田ホール。

学内リサイタル講座というソロを吹く舞台をある程度自分で組み立て演奏をさせてもらえる講座がありそこで演奏し高評価を得たし手応えも感じた。そんなことは自分のソロ人生四年で初めてのことだった。 

またその後浜松ブラスバンドキャンプのソロコンテストや、英国王立ウェールズ音楽歌劇大学院の入試など様々な場面で吹いてきた思い出の曲だ。

それを久しぶりに吹いてみた。

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甦る思い出

ソロの曲に限らずアンサンブルの曲でもすべて練習した際や本番での思い出というのが一音一音残っている。

「あの跳躍難しかったな」
「ここは好きなところ」
「ここはピアノとこう絡んで」
『〇〇さんのここの演奏好きだったな」

など数え切れない思い出が残っている。

そんな思い出、過去の自分に出会えるのも再演の魅力だ。

対比ができる

人は日々前進して生きているもので、過去を美化しやすい生き物でもあるのだけれどもほぼ毎日2時間練習する河野が今回この協奏曲を再練習して感じたのは自分の成長であった。

当時だったらできなかった音楽表現、音色、スタミナ、ダイナミクス、アーティキレーション、すべてが何倍も上達しているのを感じ嬉しくなった。

日々の研鑽を感じられる瞬間だった。

また当時も苦戦していて相変わらず苦戦する箇所もある。しかし、当時と段違いなのが「経験値が段違いにあり、対応策を知っている」という点だ。

がむしゃらに立ち向かうことはない。冷静に分析し、改善し完成させることができる。

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まとめ

過去、猛練習した曲。曲以外でも基礎練習や教本、練習曲、すべて思い出が宿る。

再会した時には当時の音楽性や音楽感以外にもその当時の思い出や感じが古いアルバムを開いたかのように感じられ胸を熱くする。

ミニマリストを目指し現在断捨離しまくっている河野でさえ写真や、際限なく溢れる思い出が詰まった大事な楽譜ばかりは捨てられない。

ソロの曲やアンサンブルの曲に限らず、昔頑張った基礎練習や教則本を今一度引っ張り出しやってみよう。あの時奮闘していた自分に出会えるし、今の自分を誇らしく思えるだろう。

もしあの時の自分よりも下手に感じても問題はない。人の記憶なんて曖昧なものだし、下手に感じる部分と同じ数だけ上達した部分をあげて楽しもう。

あの時憧れたCD、それを演奏していたJoe Cookとその後4年後、英国はバーミンガムのシンフォニーホールで共に演奏するなんて、この時の僕は知らなかったのであった。

Enjoy Brass!!
Cheers
Kazz


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