なぜバスは生きているのか?
裏山のハイキングコース。その途中にある貯水池で、先日バスが死んでいた。釣り禁止の貯水池なので、とてもキレイな40cm弱のバスだった。なぜ、このバスが死んだのかは、わからない。前日の急激な冷え込みのせいかもしれないし、何かの病気なのかもしれない。
そもそも、なぜバスは生きているのか?この質問に答え始めたとき、アングラーは、また一歩成長することになる。バスは、ルアーにバイトするために生きているのではない。また釣られるためだけに生きているのではない。彼らは人間を除く他のすべての生き物と同様に同じ法則の上で生きている。その法則とは「本能」だ。
「本能」とは、ひとつのプログラミングで、生き物は生まれた瞬間から、そのプログラミングに従って生きている。そのプログラムの中心になっていること。それがバスが生きる理由だ。
「子孫を残すこと」それも、「できるだけ多く、そして出来るだけ永く」。子孫を残すためには、生きなければならない。もちろん生きるために食べなければならない。それに気づき、納得したときに見えてくるものは?バスはルアーのメーカーを選んでいない。彼らにとって重要なのはエネルギー効率だけだ。
人間と違って彼らの世界にはお金がない。食べ物をほしいときに自由に手に入れることが出来ない。次の日の食事の保障がない状態で、考えることは何か?「最も、効率よく捕食すること」つまり、栄養価の高い食事をより少ないエネルギーで摂取すること。これこそ彼らにとっての「長生き」の秘訣。
だから、大きなバスは小さいエサを追い掛け回したりしない。それは、非常にエネルギー効率の悪いことだからだ。1円玉を拾うのに1円以上のエネルギーは使わない。このルールに彼らは徹底している。そしてこれに気づけば、「喰わなければ、フィネスで攻める」ということの根拠も薄れてくる。自分の固定観念が崩れるとき。それはアングラーとして一歩進んだ瞬間となる。