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都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 4 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

【詩①】

今織り成すべき
詩は熱中症にも勝つ
逞しい言葉のストラクチュア
ぽろんぽろんと
ピアノが聴こえる -
さあ吐き出しちまへと
神?悪魔?
の誘導..とは言へ己は
そんなにか弱くはない
52のをつさんだぞ
タフに世間を渡るのだ
そしてあの娘の太股に
大輪の
牡丹?芍薬?
が咲くのだが
微かに小便くさゝが残る
絶好のチャンス·ミーティングに
命、賭ける -
そいつが戀だつて云ふ事は
神?悪魔?
のみぞ知る さあ
行つて羽ばたけ
羽根も無いのに
バカらしさの権化となり
男と女の物語を
今織り成すべき・べき・べき
それが退屈しきつた
わが街へのオード
これが己つまり
詩、そのものだ!

©都築郷夫

【定番・四吟】

売れ残りの魂一覧見る者は臆病なのか利口やも知れず
(©都築郷夫)短歌 tanka

捜し来てもうこれ以上遡る水のなき事肚(はら)決めるんだ
(©都築郷夫)短歌 tanka

口に上る残暑の薄められたるのお
(©都築郷夫)俳句 kigo

巨大なるバッタが虫初めのおぞけ
(©都築郷夫)俳句 kigo

【詩②】

漆黒の珈琲に髪の毛一本
浮いてゐたとさ
不潔、なんて己は
思やしない
なんか物凄く曖昧な味つけの
カレーライス食ふ より
マシだ
レコードで彼は
寄る年波にも関はらず元氣で
まあ遊び上手で曖昧カレーライス
食はずにこゝ迄辿り着いたんだな、と。
・・・・・・・・・・
はゝ、拙速に過ぎる?
いやいや彼には
早く傳へたいんだよ
みんながあんたをあいしてる
つてさ。以上カレーなる詩。でした。
©都築郷夫

【何?】

「現代の相聞」と言ふお題出て私の昨今二十年単位

何?

珈琲粉を切らすほどにも血道上げ追つたあの人雲に隠るゝ

何、何??

知り合ひが雑誌掲載の人となり私の着替へは五分で済ませる

何、何、何???

夜闇は深甚なインスピレーションの源である - ラ=ロシュフコー(大嘘)

©都築郷夫

【川柳集】

ちまちまと蝋燭使ふ大黒屋(古川柳ばりに)

柳に風あれ亜熱帯日本かな

ところどころ貴女のかをる空の部屋

ビーチバレービキニ小さき強豪ティーム

汗だくで募金らしいが何処収まる

キャップ被り直し無人のゲーム誇る

©都築郷夫 川柳 senryu

【過去・現在(未来は分からん)三句】

すいすいと忍びの子泳ぐ川の村
(©都築郷夫)俳句 kigo

カッと照り日本は負けると訓導言ひ
(©都築郷夫)俳句 kigo

畏敬よ恐怖よ21世紀夏々(げゞ)厳しき
(©都築郷夫)俳句 kigo

【詩③】

人生勇気が必要だ
水戸黄門のオープニングで
助さんだか格さんだかゞ歌つてゐる
こゝで、確かにさうだね
と、軽い相槌気分で肯定してしまふと
後で火傷であつちつち - なのだ
私は子供時分よりテレビには
取り分けドラマには 懐疑的だつた
まあフツーに必殺シリーズには
はまつたかな..
連中(誰のことだかよー分からんが)は
いつもドラマティックなものを(与へられることを)
求めてゐる、
が 僕にはその癖(へき)ないよ
それより自分が想像(創造?)した
キャラクターと遊んでゐた方が
何倍楽しいことか..
まあフツーに
発達障害と云はれる
生まれだつた訳。アスペルガー
だかなんだか。
その後マイノリティ贔屓で
50年ずつと過ごしてきた - あゝ別に
そーれほど珍しい人格形成でも
ないでせう・・・こゝで質問、
統合つて
なんなんだ?
何と何を「統合」すんの?
はゝ長くなつた でも、
これは決して苦闘の物語では、ないよ!

©都築郷夫

【ヴヰヲロン・三吟】

薬師像残暑の汗は乾き遅く
(©都築郷夫)俳句 kigo

沖合ひに鰺など豊富朝まだき
(©都築郷夫)俳句 kigo

ヴヰヲロンのと記を起こし照れ笑ひかな
(©都築郷夫)川柳 senryu

人間万事心 人間万事こゝろ
行為的中芯 行ひのなかの芯には
銭有極々僅 銭はごくごく僅かにあるだけ
人間万事仁 人間万事仁である

押韻の踏み方を忘れた。全部「in」で済ましちやつた。どのみち私の漢詩は、仄起式、起承転結、ともに無視のフリーなもんなんで、まついゝかと言つたところ。因みに良寛和尚も同じ口で、まあ自由韻律漢詩の伝統(?)、とでも言はうか。

【後記】

えーもう終はりー?て、これは私が自分に言つてゐるのである。だけど一回でやり過ぎると、次回からがキツい。つー事で今回はこれにて。せつかく始めたワードローブだが、既にしてネタが..今後は自撮りせんかも、はゝ。まあ総合的には短い分気楽に讀めるし。そんな訳で一旦〆ます。宜しくご笑讀下さい。20/8/13未明 都築拝。

秋とば口驟雨も一度二度ありて
(©都築郷夫)俳句 kigo

それから!私が詩のをつさんになる前、90sにバンドを三つも渡つて音楽活動をして(吉田ツグオミ名義にて)をつたことは、案外知られてゐない。その間、まだアナログのベッドサイドレコーディングで、自作自演のデモを録音して参つた - その記録・発掘音源集CD-R『Directly From A Trash Can』(11曲入り¥600-)と言ふブツがあります。場合によつてはディスカウントも念頭に置いてをります。興味お持ちの方はコメ下さい。音質最低楽曲最髙!何卒よろしふ!!都築。

つーこつて、お別れのお時間。また。チャオ!

オマケです。

【特に意味のない詞の連なり】

底の剥がれたスリッパ
ぱたぱた云はせて
上へ行つたり下へ行つたり
僕の遅く来たセーシュンは
抜け髪と 屁のやうな
愛の言葉
いやいやまだそこまでも
辿り着かぬ - みんなおまへの
せつかちな妄想なのだ、
あの娘は「靡いて」ゐるのかい?
周囲の意見に左右されては
ゐないかい?
僕の如き文藝の徒(まだまだ褌担ぎ)
評判が悪いのは知つてるさ
でも今回は
尻込みしない
誓ひますよ、
I'll get what I need
かつ拐ふのさ この地表より。

足抜けは夏のけばけばなぎ倒しおまへか己を呼んでゐると云ふ
(©都築郷夫)短歌 tanka

ぢや、また。

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