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第1回「新しいバット買ってよ」という息子に…

 会社でデスクワークをしていると、ある上司にこう言われました。「よく日焼けしてるなあ!」。袖をめくると、腕には白黒がくっきり。鏡で見ると、首の後ろの部分も真っ黒です。自分でも「ほんまによう焼けたわ」としみじみ思います(私、大阪出身です)。
 もう秋風が冷たく感じられる季節ですが、私の両腕は日焼けのほてりが残っていて、今も真夏みたいにカッカしています。

 日焼けのワケは――。

 野球です。

 40代のオッサンである私がプレーしているのではありません。小学3年になる長男(8)です。息子は地元の少年野球チームに入っているのですが(いわゆる『スポーツ少年団』『スポ少』ってやつです)、そこで私も練習や試合のお手伝いをしているというわけです。

 9月中旬、秋期大会が終わりました。
 この夏、練習でノックやトスバッティングをしたり、試合で大声出したりしたなあ、なんてあれこれを思い出し、なんだかnoteにあれこれ書いてみたい気持ちになりました。


 私は野球のプレー経験がないので、難しいことは分かりません。子どもの頃、じいちゃんや父親とキャッチボールをしたなあ、という記憶がある程度です。祖父も父も経験者だったようですが、父はなぜか私に積極的に野球をやらせた、という感じではありませんでした。祖父とのキャッチボールは確か小学2、3年くらいだったと思うのですが、捕球したら手のひらがじんじん痛いほどの速球で、グローブにハンカチを入れて続けた、なんて思い出があります。

 その後は高校野球やプロ野球をテレビ観戦する程度でしたが、会社員になってから、高校野球、社会人野球関連の仕事をした経験があります。3年前は秋田で働いていたのですが、夏の甲子園で金足農業が決勝進出してしまう、なんてこともありました。現日本ハムの吉田輝星投手の熱投が話題になったあの大会です。

 このnoteでは、どちらかといえば少年野球を舞台にした「子育て日記」っぽい話をしたいなあ、と思っています。


少年野球のリーグとは

 どこの地域もたぶん同じだと思うのですが、小学生の少年野球は1~4年が低学年の部、5、6年が高学年の部、という具合に分かれています。息子は小学3年なので、低学年の部になります。

 ウチのチームが所属するリーグは、全部で10チームほどあります。例年ならば春と秋の大会があって、ともに総当たり方式で行われます。

 でも、今年は違いました。原因はもちろん、コロナ禍です。春の大会は試合数を減らして、勝ち抜きのトーナメント方式に変更されました。負ければそこでおしまいです。しかも開催は6月にずれ込みました。おまけに梅雨の長雨と重なって、初戦はなんと7月に!これではもう、「夏」大会ですよねえ。
 

 そんな春季大会ですが、残念ながら初戦で負けてしまいました。実は、あんまり強くない(よくいえば発展途上の)チームなんです。しかもこの春の大会は、今の低学年の部のメンバーにとって、初の公式戦でした。昨年はメンバーの人数がそろわず、春、秋大会ともに参加を見送った、という経緯がありました。この1年間でメンバーが増え、公式戦ができるようになった!と思っていたところのコロナ禍でした。
 
 だから、親子、チームメイトで「秋大会こそは勝ちたい!」と意気込んでいました。


いざスポーツ店へ

 秋期大会の初戦は8月下旬でした。その1週間前のことです。息子がかねてから「新しいバットがほしい」と言っていたので、買ってあげることにしました。息子が野球を始めたのは小1の夏。そのとき買ったバットを「もう軽すぎる」と言い出しました。そろそろ体に合わなくなってきたかな、と私も感じていたところでした。

 これまで使っていたのは、70センチで400グラムほどの金属バット。エントリーモデルで、かなり軽いものです。重くないのでフルスイングができるというメリットがありました。あともう一つの特徴は、ヒット性の打球でも当たり損ねでも、「カキーン」という心地よい金属音が響きます。「打感」というのでしょうか、そういうものがあって息子も私も気に入っていました。でも、チームメートがいろんなバットを使っているのを見て、新しいものが欲しくなったようでした。

 向かったのはスポーツ店が並ぶ東京・神保町です。2人で「よし!買うぞ」と勇んで店に足を踏み入れました。
(続く)

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