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「オンラインショップはメーカーとエンドユーザーが繋がる場所」(株式会社アイディールカンパニー)

「LIVERAL」は、1992年に小さな縫製工場として長久手に設立された株式会社アイディールカンパニーのファクトリーブランドです。アイディールカンパニーの縫製工場では、車両用シートや管楽器ケースに加え、病院や空港のベンチソファーカバーなど、幅広い製品を手掛けてこられました。

その長年培った縫製技術が認められ、現在ではパリコレクション常連でもある国産ファッションブランドの製品も手掛けられているそうです。

今回は、この「LIVERAL」の設立背景とオンラインショップをスタートした経緯について、オンラインショップを運営している大田様にインタビューしました。

ブランドの誕生について


——どのような経緯で貴社でバッグの製造が始まったのでしょうか?

大田さん:実はLIVERALのブランド責任者は、私が2代目にあたります。ですので当時在籍していた初代責任者から聞いた話にはなるのですが、お取引させていただていたアパレルブランド様から「カバンを作ることはできる?」と聞かれたことがキッカケだそうです。

「お客様の要望に応えられる会社」という想いを持って事業拡大してきたことと、工場全体の技術力をアップさせる、つまり「作れる製品の幅を広げること」を鑑みて、バッグの製造を始めることを決めたと聞いております。

——なるほど。まずはOEMでバッグの製造を始められたのですね。そこからどのような経緯でオリジナルブランドのLIVERALが誕生したのでしょうか?

大田さん:製造していく過程でノウハウが貯まってきたことと、OEMの閑散期でも工場を稼働させられる新たなビジネスを作りたかったことがLIVERAL誕生の原点になっています。

試しにソファーカバーの素材を使ったバッグを作りまして、これが、LIVERALのプロトタイプになりました。

——プロトタイプができた後は、すぐに製品化・量産化と展開されていったのでしょうか?

大田さん:いえ、そううまくは進まなかったようです。今もそうなのですが、各所への営業含めたLIVERALの運営責任者が「一人体制」だったので、特に販路開拓の営業に苦戦し、正式な製品化や量産はしばらく止まっていた状態でした。私が引き継いだのはちょうどこのタイミングからになります。

アパレルの輸入会社でバイヤーをやっていた私自身の経験から、アパレル商品の利益率はだいたい分かっていましたし、OEMでの製造請負はなかなか儲からないことも理解していました。ですので、「利益率の高い自社製造アイテムを作ろう」という想いで、デザインをイチから組み立て直し、LIVERALを再稼働させました。

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オンライン販売に至った経緯

——オンライン販売前、社内でどういった課題がありましたか?

大田さん:私が引き継いだときはまだブランドサイトすら無い状態でしたので、まずはそこから着手しようということになりました。HPをカンタンに作れる無料のサービスを使ったのですがこれがすごく難しくて(笑)。みようみまねでSEO対策もやりましたがそれも全然はまらず、八方塞がりでした。

——なるほど、BASEはそのときに知ったのでしょうか?

大田さん:はい。色々サイトを増やすより、ネットショップがブランドサイトも兼務する作りにして一元化したら、管理もしやすいなと思って、無料のネットショップ作成サービスを探していた中でBASEを見つけたんです。

——他のネットショップ作成サービスと比較検討はされましたか?

大田さん:そうですね。とにかくスモールスタートしたかったので、BASE以外の無料のネットショップ作成サービスと比較検討はしました。

大手のモールは私の前任が少しやっていたようですが、その当時の販路の違いから再導入は避けました。

——なるほど。その中で、最終的にBASEに決めた理由はどこにありましたか?

大田さん:BASEのロゴが「山」みたいで(※)、「山ってことはアウトドアで、これから作るウチの商品コンセプトと合うな」と思ったんですよね(笑)。こういうフィーリングはけっこう大事にしているんです。

また、今だと他のサービスでもできるようですが、Instagramと連携して商品を販売できるのは当時BASE以外あまりなかったことも理由としては大きいです。

※編集部注:BASEのロゴは、どこでも簡単に設置できるアメリカ先住民族のテント「ティピ」をモチーフとしている。

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オンライン販売開始前の目標設定について

——開始前に具体的な目標やノルマは設定しましたか?

大田さん:金額的にはしっかりした目標設定はしていませんでした。というのも、LIVERALは当時~今でも、ネットショップの売上シェアはそこまで大きくないからです。

現状、ネットショップの売上シェアは全体の1割ほどで、売上の大部分はセレクトショップ様への卸販売になります。また、セレクトショップ様自体がネットショップを運営していたり、モールに出品していたりするので、我々のネットショップを大々的に宣伝しようとは思っていません。

——なるほど。そうなると、貴社が運営するネットショップの位置付けはどのようなところになるのでしょうか?

大田さん:「我々が製造している全シリーズの全商品(SKU)を卸している」セレクトショップ様はありません。ですので、LIVERALの何かの商品を購入されたり、気になったお客様が「BASEショップに来れば、LIVERALの全ての商品(購入した商品以外のシリーズなど)を閲覧したり、購入したりすることができる」という場所にしたかったんです。

全ての商品のブランドタグ内にQRコードを印字しているのですが、そのQRコードのリンク先をBASEショップにしているのは上記の理由からです。そこで気に入った商品はそのままBASEで買っていただいても良いですし、近くにセレクトショップがあれば、そこで買っていただいても良いかなと。

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運営していて気づいたBASEのいいところ

——BASEを利用してみてよかった点(活用できた機能など)はありましたか?

大田さん:やっぱり直感的で使いやすいですよね。伝わらないと思いますが「こんな僕でもできたんだよ!」と声を大にして言いたいです(笑)。

さっきも、ふと思い立って、ショップのトップページの画像をスマホでサクッと変更しました。画像さえ用意していればいちいちPCを開かなくても更新が簡単にできるのはとても助かりますね。

今後のショップ展開・展望について

——今後の販売目標や展望を教えていただけますか?

大田さん:工業製品を作ってるメーカーとエンドユーザーが繋がる機会って意外と少ないと思うんですね。

ですので、なるべくブランドコンセプトや、使用方法等の接客トークが私が考えていることとブレないように、大手のセレクトショップ様への展開は避けてきましたが、少しずつ展開を広げていこうかなと思うフェーズに入ってきました。

また、LIVERALのデザインは全て私が手掛けていますが、私以外の若い、それこそ専門学校生などが考えたデザインや新たなシリーズを「LIVERAL」という名前を使って世に出していくというのも面白いかとおもいます。

——なるほど。ブランドというよりひとつの「プロジェクト」のように進化していく印象ですね。

大田さん:そうですね。LIVERALの中に「L/R」というシリーズがありまして、このシリーズのコンセプトは『KURO DE ASOBE(黒で遊べ)』というものなのですが、これをもっと派生させたプロジェクトもやりたいと思っています。

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活用ポイント

株式会社アイディールカンパニーのネットショップ活用ポイントは、以下になります。

・全SKUを取り揃えることで、ブランドの「ウェブカタログ」としても機能させていること

・限られた人員リソースで効率的な運営・販売体制を構築できたこと

インタビューの終わりに、ブランドの営業も、ショップ運営も、SNS運用も基本的にお一人でやられている大田さんに、「どうしたらそこまでやれるのか?」という素朴な質問をしてみました。

大田さんは、「本当に自分しかできないこと以外は、重要なポイントと大まかなディレクションだけおこなって、あとは思い切って任せる」ということを実践しているのだそうです。

人それぞれ得意・不得意があり、特に「写真撮影」はネットショップを運営しようとするオーナーが苦手とすることが多い分野です。ご自身が不得意なところは、大田さんのように「ディレクションだけ」きちんとおこない、思い切って任せてしまうことで、本当にブランドオーナーがやるべき仕事に専念する時間を創り出せます。

ぜひみなさんもBASEでのネットショップ開設をご検討してみてはいかがでしょうか?

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