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アメリカの大統領選挙から学ぶことができる、8つのソーシャルメディアマーケティングの教え

2020年 - アメリカの大統領選挙の年です。コロナウイルスは間違いなく候補者の行動に変化をもたらし、特にブランディング担当者やマーケターに影響を与えていますが、それでも候補者たちのソーシャルメディアの使い方からは、多くの事を学ぶこと出来ると思います。

政治家のソーシャルメディアキャンペーン広告が、研究に適しているのはなぜか?  

1. 非常に広範囲に候補者の認知度を高める必要がある

2. 人々を一つの目標到達に集中させる必要ある、つまり候補者に投票させるように

3. 時間枠が限られている

4. 直接競合候補と戦っている こうした要素はビジネスとよく似ています。

こうした要素はビジネスとよく似ていますね。

候補者が実際に若年層の有権者に接触し、コミュニケーションを図ろうとしたのは、バラク・オバマが大統領に選出された2008年の大統領選挙からで、それまではあまり見られない現象でした。テレビやその他の伝統的な広告形態がすべてでした。せいぜいがウェブサイトの利用です。現実に日本の選挙ではまだこの時代だと思いますけど。

2020年まで時代を早送りすると、状況は大きく変わりました。ソーシャルメディアを始めとする、現代のコミュニケーションチャネルが大きな役割を果たすようになっています。そこで…

政治家はソーシャルメディアをどのように活用して、自らを売り込もうとしているのか、そして私たちはそこから何を学べるのか?

ここには、包括的なテーマが2つあります:「即時性」と「詳細性」です。

ここで検討する事項には、実際の政治的立場、二大政党制の欠陥、選挙人団などについて議論することは含まれていませんので、それ等の問題はとりあえず脇に置いておきましょう。そこで、現職大統領に挑戦する立場のジョー・バイデンを分析してみたいと思います。

1. まず彼らは自らが誰であるのか、そして何をしようとしているのかを伝えようと、直接訴えかけます。

これらのジョー・バイデンの広告は、彼のさまざまな側面を明らかにし、信仰、軍人の家族、自動車産業の仕事など、さまざまな興味に訴えかけています。

人々は、企業であろうと個人であろうと、さまざまな理由でブランドを好みます。

これらのジョー・バイデンの広告は、彼のさまざまな側面、彼が賛成の事項と反対の事項、そして彼がこれまで何をしてきたかを示しています。そしてこうした広告を、同じ興味、信念、懸念を持つ可能性が高いターゲットオーディエンスに対して配信します。

全員に訴えかける1つのメッセージはありません。これらの広告はそれを反映しており、複数の詳細なターゲット毎に、それぞれ異なる広告を作成できるソーシャルメディアの特性を最大限利用しています。

2. オーディエンスに応じたコンテキスト化

これらのジョー・バイデンの広告は、ターゲットオーディエンスの居所(フロリダ、ジョージア、ミシガン)にコンテキスト化されています。

これらの広告は一見同じように見えるかもしれませんが、実際にはさまざまな異なる州の人々に話しかけています。

居所(州全体よりもさらに小さい単位)で広告をターゲティングできるため、より具体的な言葉で「話しかける」ことができます。

米国全体ではなく、ミシガン州の課題を具体的に扱っている場合、ミシガン州の州民がその広告が自分たちのためのものであると感じる可能性が高くなります。

同じ場所に住んでいる有権者であっても、彼らは異なる背景や文化を持っているかも知れず、まったく異なる言語を話すかも知れません。

これらのジョー・バイデンの広告は、ターゲットオーディエンスの文化と言語に合わせてコンテキスト化されています。

米国は英語圏の国と考えることができますが、約4,100万人のアメリカ人が自宅でスペイン語を話し(人口の約13%)、5,800万人がスペイン語を母国語としています。これは、こうした有権者の投票を獲得することが非常に重要であることを意味します。そのため、ジョー・バイデンのみならず、他の政治家も、ターゲットとする有権者が共感する人々を特集したスペイン語の広告を流します。

英語とスペイン語に続いて、各州で最も話されている言語を見ると、状況はさらに多様になります:

英語とスペイン語に続いて、米国の各州で話されている最も一般的な言語。

ドイツ語、フランス語、ベトナム語と中国語で話すアメリカ人も多いです。

候補者の中には、こうしたターゲット向けにも広告を作成して流しています。 バーニー・サンダースが韓国語版を作成したのは、知られています。

バーニー・サンダースが韓国語版を作成した

例えば、日本は、全員が日本人に違いないと良く思われます。しかし、日本国内でも、人々をより具体的なサブセットに分割することができます。同じ都道府県内であっても、出身都道府県が異なれば方言も異なります。また、東京では、表参道の文化は秋葉原の文化とは大きく異なります。

こうした細かな相違にもかかわらず、私たちはしばしば数本しか広告を作成せず、それらを大雑把な年齢層向けに発信します。例えば、「18〜29歳」向け。現実には、18歳の誰かが、引っ越し、大学に行く、サークルのこと、デートのことを考え、土曜日にカラオケに行けないという理由だけで、FOMO(fear of missing out / 取り残されることへの恐れ)に苦しんいることが考えられます。24歳では、自分のキャリアについて考えているでしょうか。29歳では、結婚して子供がいるかも知れません。

ターゲットへのコミュニケーションをどのようにコンテキスト化するかについて、もっとよく考える必要があります。

3. 積極的なA/Bテストの実施

これらのジョー・バイデンの広告は、A/Bテストのコピーを表示しています

ソーシャルメディア広告が可能にする1つの利点は、A/Bテストを実行できることです。それも積極的に。

私たちは、マーケティングチームを集めて、ブランドコンセプトに沿っていて、効果的である可能性が高いと思われる1つまたは2つのクリエイティブなアイディアを考え出すことに慣れています。これが、印刷物またはテレビ広告を放映するときに実行していた方法でした。

問題は、そうして得られたアイディアは、せいぜいほんの一握りの人々の完全に主観的な意見に過ぎないということです。

ソーシャルメディアでの広告作成では、技術的には、好きなだけ多くのクリエイティブを好きなだけコピーが作って、好きなだけ多くの人に好きなだけテストすることができます。

上記のジョー・バイデンの広告は、同じクリエイティブに対してさまざまな広告コピーをテストしています。以下の広告は、同様のメッセージに沿って、さまざまな広告コピーと広告クリエイティブの両方をテストしています。

これらのジョー・バイデンの広告は、A/Bテストのコピーとクリエイティブを示しています

広告キャンペーンを分析するときに注目すべきもう1つのことは、実行される早さです。

広告は30日間実施された後、パフォーマンス ミーティングで確認されるだけではありません。複数の広告キャンペーンが毎日開始され、数日後に調整または停止されます。広告の立ち上げと最適化のスピードは信じられないほどです。

スピードといえば、これはオーガニック ソーシャルメディアにも当てはまります。

4. 現在進行形で行われている会話との関連

10月8日には、マイク・ペンスとカマラ・ハリスの副大統領候補同士の討論会が行われました。討論中にハエがたまたまマイク・ペンスの頭に数分間止まり、それがすぐにオンラインで流行の話題になりました。

ほぼ瞬時に、ジョー・バイデンのTwitterアカウントでは、「ハエ」という言葉をクリエイティブに再生するコピーを使用して、行動を促すフレーズでハエたたきをしている彼の写真をツイートしました。

ジョー・バイデンのこのツイートは216,000件以上リツイートされ、57,000件を上回るツイートで引用され、そして「いいね」を910,000件以上獲得しました。

そうすると、今度は41分以内に、ジョー・バイデンのチームは、このハエたたきのグラフィックだけをツイートし、ユーザーがこのブランドのハエたたきを販売する立ち上げたばっかりeコマースショップページに移動できるようにし、陣営の資金調達に役立てています。

リアルタイムのオンライン会話への注意と、すぐに反応し、計画し、何かを生み出すスピードは信じられないほどです。これが物語るのは、何かを慎重に計画し、1週間かけてデザインする時代は既に過去のものであるということです。

5. 信憑性の証明

あなた自身もコミュニティの一員であることをオーディエンスに思い出させるのは良いことです。そうすることで親近感がわき、信憑性を高めます。

こちらのケースでは、ジョー・バイデンは「#NationalDessertDay」(デザートの日)のトピックに便乗し、選挙キャンペーン中に食べたデザートのいくつかの情報を共有しています。

実際のところ、人々はあなたの会社、あなたが販売しているもの、そしてあなたのプロモーションについて聞きたがっているだけではありません。ソーシャルメディアは、同じフィードにコンテンツを共有する人と企業のプロファイルを両方配置するため、企業は会話の一部である必要があります。

6. 他のチャンネルでもオーディエンスを獲得する

これらのジョー・バイデンの広告は、リードを集めることを目的としています

ソーシャルメディアで多くのマーケティングが抱える問題の1つは、自分のアカウントを他のチャネルに接続していないことです。ソーシャルメディア内でも、1つの主要なソーシャルネットワークに依存します。

1つのチャネルに依存することは大きなリスクです。

ここでは、ジョー・バイデンの広告が人々に他チャンネルへの参加を求めています。勧めているのは、おそらくSMS("テキスト メッセージ")とeメールです。こうすることで、他のチャネルでもコミュニケーションを行うことができ、その人が自分のSNSアカウントを変更または削除した場合、またはあるチャネルの人気が完全に失われた場合でも、コネクションを維持できます。

この真ん中の広告で、ユーザーに簡単なアンケートに回答するように求めていることは注目に値します。

多くの企業は、自信を持って行っていることのイメージを提示することを好みますが、ターゲットオーディエンスに直接尋ねることは、彼らの洞察を得ると共に、オーディエンスのことを気にかけていることをアピールすることにもつながります。また、ここでは質問が2つしかないため、ユーザーは容易に回答できることが分かり、参加の障壁を低くします。

7. インフルエンサーの活用

これらのジョー・バイデンの広告では、インフルエンサーを使って、自らに代わって発言せています。この場合は、スタートレックの俳優たちです。

インフルエンサーマーケティングは、本質的に口コミです。ある集団に高い認知度がある人に、あなたのビジネスや製品について何か良いことを言ってもらいます。

今回の場合、ジョー・バイデンはスタートレックの俳優が投稿したビデオスピーチを広告として使用しています。これらの広告はスタートレックのファンに対して流されたと推測できます。

8. ターゲットが望むところにアクセスする

2008年のオバマ大統領の最初の大統領選挙に戻って、その当時、ターゲットが望むところにアクセスするという考えが出てきました。それが、SNSが注目された始まりです。

2020年現在、候補者または消費材を扱っている企業が意図的にソーシャルメディアを使わない場合、使わないことで、有権者または消費者との接点を失い、競合他社にオーディエンスを奪う機会を与えます。

eスポーツとゲームは、今日のエンターテインメントの大きな柱になり、成長し続けています。これが何を意味するか。この分野に人々の注目が集まっていることを意味します。つまり、人々とつながるチャンスです。

ジョー・バイデンは流石にゲームまでしませんでしたが、"AOC" としても知られる、米国下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、PokimaneHasanAbiなどの人気なゲーマーと協力して、Twitchでゲームをプレイする彼女自身をライブストリーミングしています。

Twitchによると、彼女のストリームは、最初の試合の頃に435,000人の視聴者でピークに達しました。今まで世界的に最も人気なストリームの1つになりました。[]

デジタルネイティブであるAOCは、ソーシャルメディアを多用することで、他の大物米国政治家よりも高いエンゲージメント率を獲得しており、別の記事で、彼女のSNS使い方を分析する価値があるであろう。しかし、彼女のTwitchの使ってみることは、人々が注目し、また注目されたいと思うところに、ビジネスがどのように着目すべきかを表している。

中には、こうした動きに反応して、政治家や公務員はビデオゲームをするべきではないと主張する人もいるかも知れません。しかし、現実は、今日、そこに人々が集まる限り、そこがコネクションを作ることができる場です。

考えてみれば、路上にバンを駐車して、スピーカーを持って立ち上がり、人々に向かってがなり立てるのが適切だと、誰が言ったのでしょうか?車で走り回り、授業中の学校や病院お構い無しに、自分の名前をスピーカーで、大声で繰り返すのは「適切」なのでしょうか。「適切」かどうかは主観的であり、しばしばばかげています。

結論として、それがビジネスブランドであろうと個人ブランドであろうと、エンドユーザーとつながり、関係を構築することが何よりも重要です。その為には、人々が集まっている場所に行き、彼らとコネクションを常に維持していなければ始まりません。

選挙の候補者たちの行動を分析することは、それを学ぶためのとても良い方法です。

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英語の記事:Social Media Marketing Lessons From Presidential Campaigns

見てくれてありがとうございます!!☺️

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