見出し画像

初心に帰り「ラム酒の飲み比べ」

弊店BAR Julepは先日10月4日に開店18周年を迎えることができました。
皆さま、いつもありがとうございます!

節目って好き。仕事もプライベートも一年365日を新鮮な気分でいることは難しいし「一年間」「一年後」を意識できる貴重な機会。同時に店の節目では「初心に帰る」意識も働きます。そこで頭をよぎったことが「ラムの飲み比べ」ラムのセミナーをビギナー向けに開催するときには「まずはこれから!」的な感じで飲み比べを実地していて、店でも希望があれば提供しています。その「まずはこれから」のセレクトを改めて考えて飲み比べてみようと。

ラムの飲み比べには「熟成期間の違い」「製法の違い」「宗主国の違い」などがあります。今回は「宗主国の違い」で飲み比べるてみることに。この違いだけはラムならでは、世界一バリエーションの多い蒸留酒と言われる大きなの要素の一つです。

宗主国別の違いについて

宗主国とは「支配されていた国(植民地)」に対して「支配していた側の国」のことを指します。ラムの歴史においては当時カリブ中南米諸国を支配していたヨーロッパの列強国「イギリス」「フランス」「スペイン」が宗主国にあたり、各国は自国の蒸留酒づくりの技術や製法を植民地に持ち込みラムの味わいに反映させたわけです。その流れでラムの表記も異なってきます。

*イギリス系(Rum):ブレンデッドウイスキーの技術・製法
(ジャマイカ、ガイアナ、バルバドス、トリニダっどなど)
*フランス系(Rhum):ブランデー(コニャック)の技術・製法
(マルティニーク島、グアドループ島、レ・ユニオン島など)
*スペイン系(Ron):シェリーやシェリーブランデーの技術・製法
(キューバ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、パナマなど)

「自国の技術を伝える=嗜好性が反映している」とも言えます。

宗主国別のセレクト

こんな感じで選んでみました。
イギリス系:アプルトン エステート レアブレンド12年(ジャマイカ)
フランス系:ラム クレマン VSOP(マルティニーク島)
スペイン系:ディプロマティコ レセルバ エクスクルーシバ(ベネズエラ)

選んだ理由
①宗主国別の特徴がわかりやすく出ている
②コスパがよく手軽に手に入りやすい
③全てバーボン樽(アメリカンホワイトオーク樽)で熟成されている
→同じ熟成樽で比べた方がより差がわかりやすい。

バーボン樽にはバニリンやリグニンといった成分が含まれていて、寝かせることでアルコールにバニラやココナッツを思わせる香味や風味が浸透します。因みに熟成ラムの約8割がバーボン樽を使用しています。

それぞれの特徴とテイスティングノートを、

イギリス系:アプルトン エステート レアブレンド12年(ジャマイカ)

イギリス系ラムの特徴は基本的にボディが厚めでしっかりした味わい、ウイスキーが好きな人に好まれやすい。その中でもジャマイカ産ラムはエステル香(発酵時に生まれる香味成分)が高めなのが特徴。ジャマイカラムというとマイヤーズのイメージが強いけど、国内No.1シェアはこのアプルトン。個人的にも大好きでバーに行くとついつい飲んでしまう。コスパも最高。

テイスティングノート
・黒糖のような風味、しっかりとした熟成感
・程よい甘みとタンニン、クローブのようなスパイシーさ
・奥行きがあり後味はドライめ、余韻も長め
>ストレートはもちろん、ロックで飲むと甘さが引き立ちまろやかになる感じもよい。ハイボールもオススメ。

フランス系:ラム クレマン VSOP(マルティニーク島)

フランス系ラムの特徴は​​​ブランデー(コニャック)のように香り豊かで繊細な味わい。マルティニーク島はカリブ海に浮かぶフランスの海外県。フランス系ラムには「XO」や「VSOP」などブランデーと同じ等級を使用しているブランドが多く、実際に生産者たちはサトウキビからブランデーを造る意識を持っています。またフランス系ラムはサトウキビジュース100%を発酵・蒸留して造られる「アグリコール・ラム」が主流。100%サトウキビジュースを使用することで植物香なども感じられ極端に甘いラムが少ない。

アグリコール製法によるラムの生産を最初に行ったのがこのクレマン。クレマンのオフィシャルボトルは、マルティニーク産ラムの中ではバランスがよく中間的な味わい。シンプルにコニャック感を堪能できます。

テイスティングノート
・ブドウなどのベリー系の香り、オレンジピール感
・甘さは控えめでオイリー
・程よい熟成感(ウイスキー感)と植物香
>香りを楽しみながらぜひストレートで

スペイン系:ディプロマティコ レセルバ エクスクルーシバ(ベネズエラ)

スペイン系ラムの特徴は​​​シェリーのようにライトで甘く飲みやすい。スペイン系ラムはキューバやプエルト・リコなど「島もの(カリブ海)」と、ベネズエラ、グラテマラ、パナマなど「大陸もの(中米)」に分けられる。島ものに比べると大陸ものの方がコクがありボディもミディアムより。

このディプロマティコの熟成では「ライト」「セミヘビー」「ヘビー」の 3 タイプをブレンド、調和することで味わいに変化をもたらしています。とにかくファンの多いラムで女性にも大人気。「ラムらしいラムください」と言われた時によく提供していて「コレコレ、ラムっていいなぁ」って親しみが湧く味わいです。

テイスティングノート
・焦がし砂糖、オレンジ、アールグレイのような風味
・飲み口は甘くまろやか、バニラやカラメルが感じられる
・口の中に心地よくドライさが残り、デリケートな余韻が続く
>じっくりストレート、ロックはコクが残るように小さな氷一個落として飲むのがオススメ。


宗主区別の飲み比べでした。
いつもは「コレうまい、最高!」的なことばかり言っているので、初心忘れずでラムに向かい合ってみました笑。

19年目のよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!
5
BAR Julep https://www.julep.online 日本カシャッサ協会 http://cachaca-japan.jp 日本ラム協会 http://rum-japan.jp/