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アーカイブ・「私は貝になりたい」でサプライズ

映画「私は貝になりたい」を観た
冒頭から田舎の床屋さんのシーンで
「あ、私の提供したシェービングカップが出てる」と喜び
「あ、あの消毒器と明治の椅子は、装飾のYさんがネットオークションで
落札した物だ」「あんなキレイなシャンプー瓶がよく手に入ったナ」とか
コレクターの悪い癖でディテールばかりに目が行ってしまった😅

当店のホームページから引用しました

高知県が舞台なのだが、ロケは島根県横田町や隠岐の島でも行われた
「そう言えば、私が古い椅子を譲って貰った横田町の店もこんな感じだったナ」とか
「昔の店は、お客さんが座敷で将棋をしたり世間話をしていたナ」
など、色々な想い出が蘇って来た😍

妻に丸刈りにしてもらい息子に敬礼するシーン、椅子は明治時代の物

主人公が修業した店のセットも細部までよく出来ていて
ほんの一寸のシーンなのに
よくこんな凝ったセットを造ったものだと、感心した
「あ、あれはBさんの椅子だ、古い椅子を10台集めるのに
岐阜のBさんの他に、滋賀のK社長にも交渉したな
美術のYさんも大変だったろうな」と裏方の苦労が思われた😅

ストーリーも主人公二人の馴れ初めから、軍隊の非道さ
極東裁判の不条理さ、妻の献身、米兵との心の交流などが
よく書かれ、さすが橋本忍の最終稿だと感じた
中でも、心に強く残ったのは、中将(石坂浩二)の
「数百万人の無辜の民を空襲で殺傷した米国は何故裁かれないのか」
との訴えだった😨
日本の四季の美しさ、主人公の心象を表す断崖と荒波
雲間から射す日光など、奇跡のような映像が多くあったが
最後の方にサプライズが待っていた
再審を訴える同房の戦犯(笑福亭釣瓶)の
「釈放されて山陰に行く事があったら、倉吉に来てくれよな
近くには東洋一の湯量を誇る三朝温泉もあるしね」
という言葉にビックリ😍(実際は世界有数のラドン温泉です)
当地の映画館では「何故三朝が!?」と、どよめきが起きた
これは私の協力に対し、感謝を表す為かと思ったが
小説の段階であった台詞だったと解った😅

「私は貝になりたい」と同じく
反戦映画の名作「チャップリンの独裁者」の主人公も床屋だった

チャップリンが恋人のカットしているスチール写真です😍

共に理容師の真面目さと善良さが、主題を際立たせているようだ

今、渦中にいるあの人は、深い海の底の貝となって沈黙してしまったが
この映画の主人公を演じた事をどう思っているのでしょうか😨

ジャケットの写真は死刑台に向かう清水豊松
このシーンのために厳しい減量に耐えたとか😨

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