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読書備忘録

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高田郁「あきない世傳金と銀13巻大海篇」

読んだ本の紹介 出版社:角川春樹事務所 発売日:2022年8月9日 文庫本:368ページ 内容:物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸が齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ、徐々に商いに心を惹かれ、「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五鈴屋なりの答えを見出すシリーズ完結編。 この本を読んだ理由 ベストセラー「みをつくし料理帖」シリーズですっかり高田郁氏のファンになり、このシリーズは出るのを楽しみにして、読み続けました。 あらすじ

池井戸潤「ハヤブサ消防団」

読んだ本の紹介 出版社:集英社 発売日:2022年9月10日第1刷発行 単行本:474ページ 内容:地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。 この本を読んだ理由 池井戸潤氏の作品というと、ドラマや映画と映像化された作品が多く、私も何作か観ていますが、実は著書としては直木賞を受賞した「下町ロケット」しか読んでいません。 しかし、上記の内容にもあるように今作品は雑誌「すばる」掲載時から初の地方の町で起

青山美智子&田中達也「いつもの木曜日」

今日も私の記事を目に留めていただき、ありがとうございます。 さっそく昨夜読んだ本を紹介させていただきます。 読んだ本の紹介 出版社:宝島社 発売日:2022年9月9日第1刷発行 単行本:96ページ 内容:2021年、2022年本屋大賞2位受賞作家・青山美智子さんが贈る『木曜日にはココアを』に繋がる温かな物語 この本を読んだ理由 そんなに多く著者の作品を読んだわけでもないけれど、表題に誘われ読んだ「お探し物は図書室まで」が好きで、Kindle本まで購入して読んでいます。

永井玲衣「水中の哲学者たち」

読んだ本の紹介 出版社:晶文社 発売日:2021年9月30日初版 単行本:265ページ 内容:みなが水中深く潜って共に考える哲学対話。「もっと普遍的で、美しくて、圧倒的な何か」それを追い求めて綴る、前のめり哲学エッセイ。 (目次) 1 水中の哲学者たち 2 手のひらサイズの哲学 3 はい、哲学科研究室です この本を読んだ理由 はるか昔ですが、私自身なぜか社会科目の「倫理」が好きでした。きっと本が好きで、生意気にも理解できずとも哲学書などにも手を出していたからだと今では思

ハン・ガン「すべての、白いものたちの」

読んだ本の紹介 出版社:河出書房新社 発売日:2018年12月30日邦訳初版 単行本:186ページ 内容:光州事件が舞台の小説「少年が来る」を出版後、在ポーランドの翻訳者の誘いに、ワルシャワで子どもと一学期間(夏から初冬)過ごした著者が書いた小説。 この本を読んだ理由 きっとどこかの書店員さんがおすすめの書籍ということ紹介されていたので図書館にリクエストしていたのだと思うのですが、すっかり忘れてしまっていました。図書館から新着のお知らせが来て初めて読み始めました。 あ

吉田篤弘「おやすみ、東京」

読んだ本の紹介 出版社:角川春樹事務所 発売日:2019年9月14日 文庫本:317ページ 内容:月に照らされた東京を舞台に私たちの物語を生きる、幸福な長編小説。 この本を読んだ理由 母が倒れて、いつでも連絡が取れるようにしていなければならなかった時期は、紙の本を手に取ることなどできないほど落ち込んでいました。 そんな時クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている著者のKindle作品紹介メールが来て、以前読んだ著者の作品で「月とコーヒー」や「つ

窪美澄「夜に星を放つ」

今日からいつものように更新していこうと思います。まずは今日読み終えた作品から。 読んだ本の紹介 出版社:文藝春秋 発売日:2022年5月30日第1刷発行 単行本:220ページ 内容:かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。 この本を読んだ理由 直木賞候補になる前から気になっていた作品でしたが、なかなか手元に来ることなく、先日ようやく図書館で借り読み終えることができました。 あらすじ 感想 どの話も先

あの人が同窓会に来ない理由

読んだ本の紹介 出版社:幻冬舎 発売日:2018年8月3日 文庫本:305ページ 内容:切なくてほろ苦い大人のための青春小説 この本を読んだ理由 このところ体調がよくなくて、図書館も書店にもいくことができず、Kindle本を探し、タイトルに惹かれて購入しました。 あらすじ 感想 この小説のように成人式後、かなり短い期間で開催を重ねたときは、地元に住むものばかりが集まっていた記憶があります。同窓会はいつも会えない人と会える楽しみがあるはずですが、いつも出席しない人が

「タコの心身問題」

3連休の最終日、日曜日の朝です。皆さんいかがお過ごしでしょうか? 東海地方、特に静岡では集中豪雨でした。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。 さて、最近Netflixに加入して以来、映画館で観ることが叶わなかった映画や好きな韓国ドラマを観る時間が増えてしまい、その分読書量がかなり減ってしまいました。 さらには年を重ねたせいでしょうか(年齢のせいにするのは卑怯とも思いますが)没入できない作品が多々あり、読書の幅を広げることができずにいます。 最近ではブックレビュー

スペンサー・ジョンソン「プレゼント」

昨日は彼岸の中日だったので、実家に行き、実母とお昼を食べ、3時間弱話を聞いて帰りました。しかし、世の中はシルバーウイーク後半の3連休。私も夫も生活は普段通り、いつもの家事を終え、読書と映画やドラマを楽しんでいます。 昨日は本文110ページという短さですが、とても意味深い作品を讀みました。 出版社:扶桑社 発行日:2022年7月30日(日本語版) 単行本:112ページ 世界的ベストセラー「チーズはどこへ消えた?」から5年後に原作者が発表した著書です。 物語は一人の少年が

はじめての

読んだ本の紹介 出版社:水鈴社 発売日:2022年2月16日 単行本:224ページ 内容:小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」 『私だけの所有者』はじめて人を好きになったときに読む物語(島本理生)『ユーレイ』はじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 『色違いのトランプ』はじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき) 『ヒカリノタネ』はじめて告白したときに読む物語(森絵都) この本を読んだ理由 日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にする

垣谷美雨「もう別れてもいいですか」

読んだ本の紹介 出版社:中央公論新社 発売日:2022年1月7日 単行本:297ページ 内容:女を奴隷扱いする男たちとの決別を描く、ベテラン主婦のハッピー離婚戦線。 「決断は幸福のはじまり!50代」女の再出発を描いた傑作長篇。 この本を読んだ理由 結婚した女性が結婚生活を営む中で、1度は考えると思う「離婚」をテーマにした作品をこのシルバーウイークにゆっくり読もうと借りてみました。 あらすじ 感想 「夫の墓には入りません」「老後の資金がありません」など中年主婦が1度

柚木麻子「ついでにジェントルマン」

読んだ本の紹介 出版社:文藝春秋社 発売日:2022年4月10日 単行本:261ページ 内容:著者初の独立短編集 Come Come Kan!! 渚ホテルで会いましょう 勇者タケルと魔法の国のプリンセス エルゴと不倫鮨 立っている者は舅でも使え あしみじおじさん アパート1階はカフェー この本を読んだ理由 実は他の著書を借りたくて図書館を検索したのですが、貸し出し中でたまたまこの作品が返却されていたので借りました。 あらすじ 感想 本短編は全て文藝春秋社の「オール

ほどなく、お別れです

読んだ本の紹介 出版社:小学館 発売日:2018年12月18日 単行本:222ページ 出版社:小学館 発売日:2020年2月27日 単行本:270ページ 出版社:小学館 発売日:2022年7月22日 単行本:272ページ 本シリーズの内容:読んだ人すべての心を温かく包み込む“お葬式小説” この本を読んだ理由 私の年齢だとお祝いより、弔いの数が断然多くなります。数多くの葬式に 出るのですが、今の状況での葬儀に興味がありました。 あらすじ 感想 一昔前だと葬儀に