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読書備忘録

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2021年2月の記事一覧

上空へ伸ばす手を握りしめてくれるという「救い」

昨日は1日冷えましたが、今日は朝から暖かい日差しが降り注いでいます。 連日夫はゴルフに出かけていますので、私は家事を一通り終えると読書に専念しています。 そして昨夜読み終えたのは小林由香さんの新刊です。 音海星吾は美術サークルに所属する大学生。中学生時代、不良に絡まれた星吾は、彼を助けようとして身代わりに刺された青年を見捨てて逃げてしまう。青年はその後死亡したため、星吾はネット社会を中心とした世間の誹謗中傷を浴び続ける。 大学入学後も星吾は心を閉ざして生きていたが、ある

世の中の真実「それ本当?」

こんにちは。こちら真夜中から強い北風が吹いています。気温も上がらず、寒い土曜日となるようです。 さて木曜日の夕方、予約していた本が貸し出し可能となり、5冊ほど借りてきたのですが、昨夜こんな本を読み終えました。 “忖度抜き"で「2ちゃんねる」創設者が語りつくす――“知らないほうが幸せ"かもしれない衝撃の真実 本書では「社会・仕事・教育・政治・人間関係」という5つのテーマについて「正しい情報」にもとづいた真実を明かしていきます。なかには「そんなこと知りたくなかった」というもの

心が動く、言葉の力

図書館のお休みが続いたため、予約している本も借りにいけません。 そこで昨夕からKindleの雑誌を購入して読んでいます。 コミュニケーションの取り方は変化し、ネットを通して言葉を伝達する比重がさらに高まっています。そこでは効率よく伝えるために「ノリ」と「軽さ」を備えた新しい共通言語が次々に〝発明〞されていて、曖昧な空気感や複雑な概念も簡単に共有してしまうという、イマドキの言葉の力を感じずにはいられません。一方で、深く重みのある言葉や、美しく情緒のある言葉に、人々はより強く

人間の起源〜Origin

昨日夫が葬儀に参列するため、半日外出しなければならず、暖房機が壊れ、寒さのなか「オリジン」一気に読みました。 宗教象徴学者ラングドンは、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れていた。元教え子のカーシュが、“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という人類最大の謎を解き明かす衝撃的な映像を発表するというのだ。カーシュがスポットライトを浴びて登場した次の瞬間、彼は額を撃ち抜かれて絶命した。カーシュ暗殺は、宗教界によるものか?もしくは、スペイン王宮の差し

根を張ることの難しさと離れることの不安

昨年以上に今日は雪が積もりました。車の上を見ると40センチはあります。 警報が出てこれからも降るようですので、明日の通院が大変そうです。 さて日本の作家の作品が続いたので、少し海外の翻訳物を読もうと借りてきています。今読み終えたのはこちらです。 歩道で、仕事場で、トラットリアで、広場で、クリニックで、本屋で、美術館で、スーパーで、海で、レジで、文房具店で、バールで、母の家で、駅で…。生まれ育ったローマと思しき町に暮らす45歳の「わたし」。5年暮らした恋人ともとうに別れ、一

デジタル世界に生き、普遍な青春に恋する

昨日note事務局からこんなお知らせがありました。 読んでくださった皆さん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 さて、昨日はアイドルグループNewsのメンバーで直木賞候補作家となった、加藤シゲアキさんの作品を読みました。本作は今年の本屋大賞の候補作品にもなっています。 高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。全国配信の料理コンテストで巻き起こった“悲劇”の後遺症

時代に選ばれた新しい才能

今日はとても寒いです。先日20度近くまで気温が上がったのが嘘のようです。雪は積もっていませんが、強風とともにちらついていて、気温が上がらないのです。 今日のような日はもちろん外に出たくないので、久しぶりにビジネス書的なものを読みました。最近話題になっている方について書かれている本です。 新型コロナウイルスが席巻する中、いち早くマスクマップアプリを開発。世界に名を馳せた台湾のデジタル担当相には、逸話が多い。いわくIQ180、学歴は中卒、独学でプログラミングを学び、シリコンバ

怪物よりも恐ろしいのは人間

週末の金曜日の朝、夫は静かにゴルフに出かけましたので、私はのんびりと起き、朝からお風呂に入ってゆったりしています。 なんと幸せなことでしょう(笑) さて図書館から借りてきた本の最後はこちらで、昨夜読み終えました。 謀殺された幼馴染の復讐を誓い、ターゲットに近づくためテレビ番組制作会社のADとなった竜泉佑樹は、標的の三名とともに無人島でのロケに参加していた。島の名は幽世島―秘祭伝承が残る曰くつきの場所だ。撮影の一方で復讐計画を進めようとした佑樹だったが、あろうことか、自ら手

皆、死ぬまで自分と一緒なんだ

こんにちは。祝日ですが、いかがお過ごしですか?こちらもいつになく太陽が顔を出していて、気持ちがいいです。 さて昨日読み終えたのはこちらです。 高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける―。嘘と

お探し物は図書室まで

本当は紙の本が好きなのですが、今は賃貸に住んでいることと、実家が本の重みで傾いたことがあったので、本を買い手元に残すのは厳選しなければなりません。そこでいつも利用するのが図書館です。けれど購入してもらう本にも限りがありますから、自分で購入する際はまずKindleを利用するようになりました。 そういうことで、昨夜本屋大賞候補作品を1冊Kindleで読み終えました。 お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さ

同姓同名

今朝ライブ中継していたスーパーボウルの録画を先ほどまで観ていました。ハーフタイムショウのWEEKENDのパフォーマンスは素晴らしかったですね。 さて電子書籍と並行して、図書館から借りた本も読み進めています。 今日読み終えたのは下村敦史さんの「同姓同名」です。 大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。週刊誌が暴露した名は「大山正紀」。報道後、サ

土蔵の奥にしまわれた祖母の秘密

こんにちは。今日は太陽が朝から顔を出し、夫はいそいそとゴルフに出かけて行きました。 私は相変わらず、本を読んでいます。そして先ほど坂井希久子さんの新刊を読み終えました。 母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た 美佐。谷中で、着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。ある日、 実家の蔵を整理していると、箪笥に大切にしまわれた、祖母・咲子のものにしては小 さすぎる銘仙を見つける。そして、謎の3冊のノートと、見たことのない美少女が

主人公に好き嫌いが分かれるデビュー作

こんにちは。週末の金曜日、今日も静かに家で本を読み過ごしています。 ほんの気持ちだけ落ち着いた気分になります。この気分が続き外に出られるといいのですが。 昨日は宝島社の「このミステリーがすごい」大賞受賞作を読みました。 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加すること

角田光代氏の新刊「銀の夜」を読んで

幸いコロナと無縁で助かっていますが、相変わらず、変化のない本との生活をしています。 昨日は久しぶりに角田光代さんの新刊を読み終えました。 イラストレーター井出ちづる。夫は若い女と浮気をしている。嫉妬はまるで感じないがそんな自分に戸惑っている。早くに結婚して母となった岡野麻友美。自分ができなかったことを幼い娘に託し、人生を生き直そうとする。帰国子女で独身の草部伊都子。著名翻訳家の母のように非凡に生きたいと必死になるが、何ひとつうまくいかない。三人は女子高時代に少女バンドを組