マガジンのカバー画像

読書備忘録

553
本を紹介したnoteをまとめています
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

「背中の蜘蛛」誉田哲也(26-50)

金曜日の朝、雨から始まりました。夫が出かけたのを機に、Apple Musicでこのアルバムを聴きながらnote書き始めました。 昨夜夫が疲れていたようで19時半から横になったので、私は借りていた本を1冊読み終えてしまいました。 直木賞候補作にもなり、気になっていた誉田哲也氏の作品です。 東京・池袋で男の刺殺体が発見された。捜査にあたる警視庁池袋署刑事課長の本宮はある日、捜査一課長から「あること」に端を発した捜査を頼まれる。それから約半年後―。東京・新木場で爆殺傷事件が発

いよいよ第8作まできました(25-50)

寒い朝でした。日中は20度まで上がるそうですが、この晴れた空も午後には下り坂とのこと。窓越しで日差しを愛おしむようにしてこのnoteを書いています。 昨日書こうと思っていた読み終えた作品は高田郁氏の時代物シリーズ第8作でした。 遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」。裃に用いられ、武士のものとされてきた小紋染めを、何とかして町人のものにしたい―そう願い、幸たちは町人向けの小紋染めを手掛けるようになった。思いは通じ、江戸っ子たちの支持を集めて、五鈴屋は順

聡乃学習(24-50)

いつも私の拙いnoteを読んでいただき、ありがとうございます。 このところ記事は書かせていただいていますが、皆さんの記事を読むことがあまりできずにいます。 自分の心のざわつきがまだ落ち着かないのです。私のような持病をお持ちの方なら経験がおありかと思います。どうかご容赦ください。 さてそんな中、Amebablogをフォローさせてもらっているitocazさんが以前自身のInstagramで紹介されていたこのエッセイを読みました。 無理せずに、興味のあることに飛び込んで、いろ

三島屋変調百物語六之続(23-50)

以前から宮部みゆき氏の時代小説が特に好きで、三島屋変調百物語シリーズもずっと読み続けています。 本作は2018年8月から2019年7月まで毎日新聞に掲載された小説を、2019年12月に単行本化されました。シリーズも6冊目です。 江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。 これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいったので、次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。 気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する

最後の手紙(22-50)

目まぐるしい気圧配置の変化に、いつもよりひどい頭痛に悩まされながらも、寂しくてこの本を読み終えました。 近代日本文学から現代日本文学を数多くイタリア語に翻訳し、村上春樹氏「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の翻訳で第21回野間文芸翻訳賞を受賞したアントニエッタ・パストーレ氏の初の小説です。 別れた夫の思い出のみを胸に戦後を生きた女性。その遺品の手紙が語り出す、悲しい真実とは。 イタリア人の目を通して描く、実話に基づいた「原爆と戦争」の傷跡―― 日本人男性と結婚した

雪が白いとき、かつそのときに限り(21-50)

昨日読み終えたのは中国出身30代作家の学園ミステリーです。 本のサイズが新書版より少し大きいですが、ポケット版で手に持ちやすいサイズになっており、しっかりとしたビニールカバーがついているのが特徴的な早川書房の作品。 このところ読んだ中国発の作品が面白かったこと、1988年生まれで現在日本に在住し執筆活動を精力的に行っているとのことで、手にとって読み始めました。 冬の朝の学生寮で、少女が死体で発見された。白い雪に覆われた地面には足跡がなく、警察は自殺として処理する。5年後

ドラマの原作(20-50)

昨日この作品を読み終えました。 2020年3月29日(日)NHKがドラマ化、映画監督青山真治さんが演出を手がけ、主人公を志尊淳さんが演じ[BSプレミアム]後9:00~10:29に放映されると知り、原作を読みたくなりました。 原作者の荻原浩氏といえば、渡辺謙が主演し話題となった「明日の記憶」は本屋大賞2位、2016年「海が見える理髪店」が5度目の候補で直木賞を受賞した人気作家の一人です。 その著者の作品「金魚姫」は2014年に発表され、2015年に単行本化、2018年に文

反日種族主義(19-50)

おはようございます。やっと昨日1冊読み終え、紹介することができます。(ちょっとほっとしています苦笑) 最近ではインフルエンザの感染予防策として入国の規制をかけていることで、韓国は日本を批判しています。WHOはインフルエンザを政治に利用してはならないと警告していますが、また火種ができたように感じています。 この本では歴史を深く読み解き、その正確な資料に基づいた理論が述べられているのですが、衝撃的なのは、巻頭の「韓国人は嘘をつく民族である」と言い切っていることです。 さらに

店長がバカすぎて(18-50)

昨日本屋大賞候補作になっている、「イノセント・デイズ」の早見和真氏の作品を読み終えました。 本屋大賞が書店員の方の投票で決定する賞だけに、書店員を主人公しているのでかなり有利かなと思いつつ読みました。 「幸せになりたいから働いているんだ」 谷原京子、28歳。独身。とにかく本が好き。現在、〈武蔵野書店〉吉祥寺本店の契約社員。 山本猛(たける)という名前ばかり勇ましい、「非」敏腕店長の元、文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、日々忙しく働いている。あこがれの

切ないけれど温かさが沁みてくる(17-50)

おはようございます。やっと1冊本を読みました。 「トレーニングマガジン」で連載され、2013年5月に単行本化された森沢明夫氏の作品です。 実は幻冬舎電子書籍noteが電子書籍フェアを発信され、Amazonをうろうろしていたらこの作品が目に入り、図書館の蔵書を借りて読みました。(幻冬舎さんごめんなさい) 駅前の寂れた通りの地下にある「スナックひばり」。そのママは身長2メートルを超えるマッチョなオカマ・通称ゴンママ。彼(彼女?)の周りに集まるのは、一癖も二癖もある「変わり者