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バーテンダー、”ネオ酒場”を巡る。

先日、ひょんなことから「たまには流行っている酒場を回ってみないか?」という提案があった。
普段は寄り付かないような街の、寄り付かないような店を梯子酒。
悪くない。いや、面白いじゃないか。

ということで巡ってきました。
“ネオ酒場”と昨今呼ばれているらしいジャンルのお店を数軒。学芸大、中目黒、恵比寿そして三軒茶屋周辺といういかにもな高感度エリア。
いったい普通の居酒屋、或いは酒場と何が違うのか?
基礎知識くらいは、とネットで調べてみると

「ネオ酒場」は、従来の大衆酒場のノスタルジックな風情を残しつつも、洗練されたモダンな雰囲気を持つ、まさにネオタイプの居酒屋。
(店舗デザイン.COMより)

…?
そもそも昔から気の利いた居酒屋でこれくらいのものはあった気がする…でも世代が変われば感性も変わるし、解釈もアプローチも変わるのだからわからないでもない…けど、腑に落ちない。

なにはともあれ”百聞は一見に如かず“と行ってみる。

「“大衆酒場のノスタルジー”なんてものは微塵もないぞ。現在の空気感でパツパツだよなあ」と入店早々にこぼしたら、友人曰く「外見は今風で飲み物・食べ物が酒場な感じなんだよ。そうじゃないと若い子入りにくいじゃん」と。
なるほど。
わかってはいるけど自分がもう(とっくに)若くないのを痛烈に感じさせてくれるひと言でした。
気を取り直して先を進めます。

どのお店も眩しいくらいに明るく(比喩ではない。比喩的にもそうだったけど)、アッパーな4つ打ち・懐かしめ90’s J-POP / Rockが主にかかっているあたり、今の20代からしたらレトロテイストなんだろうな。
思わず遠い目になった。僕にとっては青春真っ只中の音…。あ、また早くも遠い目になってしまった。いけない。
まあそんなだから入りやすいよね、若い人。

たしかに供される食べ物は現代的にリアレンジされているものの酒場的。
よく練られたクオリティで完成度高い。加えてネーミングも目を惹くものでとても考えられているなあ、と感心しきり。
飲み物も定番のサワーやビールから日本酒、焼酎、ナチュラル・ワインにウイスキーまでなんでもござれだけどしっかりと流れを押さえたセレクトをしたところが多い。
今の世情でこの席幅は…と眉をひそめる人も居そうな空間。しかしそれがまた酒場・居酒屋的(念のため書きますが、入店前に検温とアルコール消毒します)。
スタッフはどこもみんな適度な距離を保ちつつフレンドリーで好印象。そしてイケメン率がやたら高い。そりゃ流行るよなあ。当然、女性率も高いし(相関性はわかりません)、熱量も高い。店内の空気感が濃ゆい。僕らなんか完全に想定対象より上世代って感じで押され気味でした。
“若い人は飲まない”なんて話をよく耳にするけど、ああいう状況見ると「そんなことないじゃん」て思いますね。

直接的なフィードバックは出来ないけど、とても良い刺激と勉強になった。
自分のフィールドじゃない空間で飲むのもやはり必要。視野は広く持たないとね、と教えられた気がした夜でした。

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