シンガーズ・アンリミテッドのクリスマス・アルバム
複数の人間が集まって人間の声だけで音楽を奏でる「コーラス・グループ」という形式があります。
音楽の歴史が始まった太古から、まるで海の波のようにコーラス・グループが生まれては消えていったことでしょう。
そんな数あるコーラス・グループの中からひとつだけ好きなグループをあげろと言われたら、僕は迷うことなくシンガーズ・アンリミテッドと答えます。
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The Singers Unlimited
直訳すると「制限のない歌手たち」。
彼らは1960年代後半に登場した多重録音という技術を駆使して、言葉通り「制限のないサウンド」を生み出しました。
しかし彼らは逆に「制限のある歌手たち」でした。
彼らの音楽はその録音技術が前提だったためにライブ演奏が出来なかったのです。
彼らがアメリカ本国ではあまり売れなかったのは、「LP発売→ライブ演奏ツアー」というアメリカの音楽ビジネス・スタイルを実行できなかったからだという説もあります。
アメリカの音楽リスナー達は目の前にある手で触ることの出来る音楽を好んだのでしょう。
しかし、シンガーズ・アンリミテッドの音楽は手で触れる音楽ではありませんでした。
シンガーズ・アンリミテッドはレコードという閉じた架空の世界だけに存在するコーラス・グループだったのです。
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そんな彼らのレコードの中でもこのクリスマス・アルバムは特別です。
梅雨のジメジメした日でも、蝉が鳴き続ける真夏でも、このレコードに一度針を落とせばあたりは白銀のクリスマスの世界へとトリップします。
閉じた架空の世界の音楽だからこそ、現実の世界の方に魔法をかけることが出来るという、まさに「音楽の魔法」です。
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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「昨日は台風みたい」です。
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