学校に行かなくても成功した人たちの本があれば、と三鷹バル一瀬さんをインタビューしたこと

谷川俊太郎が「学校に行けない子供」だったのはご存じですか?

なんとなくわかりますよね。あれだけ繊細な世界への眼差しがあれば、いろんな感性を押し殺さなければならない「学校」へは行けなかったんでしょうね。

9月1日になると、毎年、「学校に行けない子供」のために、たくさんの心ある大人たちが「学校がすべてじゃないよ。行きたくなかったら行かなくていいよ」って呼びかけますよね。

あの日をむかえるたびに、「学校に行かなくても成功した人たち」っていう本を誰か書かないかなあ、学校に行けない子供たちにたくさんの勇気を与えるのになあ、っていつも思います。

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ところで、三鷹バルの経営者、一瀬さんも「学校に行けない子供」だったってご存じですか?

僕、そのこと知らなくて、先日、一瀬さんにインタビューしたときに初めて知りました。

そして一瀬さんのお話を聞けば聞くほど、「ああ、この人は谷川俊太郎と同じタイプの人だ」って確信しました。

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今、日本中に「○○バル」っていうお店が氾濫していますよね。

ちょっと立ち飲みに近いスタイルだったり、椅子が高いスタイルだったり、とにかく「気取らなくて楽しくワインなんかを飲みましょうよ」というスタイルのお店です。

この「○○バル」って一瀬さんが一番最初に始めたってご存じでしょうか。

一瀬さんが「三鷹バル」を始めなかったら、日本に今の「バルブーム」って来なかったんです。

もちろん「フォーマルからカジュアルへ」という流れはずっとあったから、飲食店がカジュアルにはなったと思うのですが、「○○バル」というすごくキャッチーな言葉は誰も使わなかったはずなんです。

そうなんです。一瀬さん、もし「日本の飲食店の歴史」というのが書かれたら、必ず「21世紀初頭のバルブームの一番最初に始めた人」として歴史に残る人なんです。

それで僕、カフェレスのインタビューで、「一瀬さんに、バルを思いついた物語を聞き出そう」って気合いたっぷりで、おうかがいしたんです。

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それが、最初に「僕、中学、途中から行けなかったんです」って始まって、「それで大工とコックしかできないなって思って」、この飲食の仕事を選んだそうなんです。

詳しくはカフェレスの記事を読んでいただくしかないのですが、「ああ、そうかあ。一瀬さんって飲食業をやってなかったら、絵描きとかそういうアーティストになってたかもしれない人なんだなあ」ってわかってきました。

飲食業、僕、もう24年間やっているのですが、飲食業の現場でたまにいるんです。

「あ、この人、今、たまたま料理を作ってるけど、今、たまたまサービスをしているけど、もしかして本当はアーティストとかになってたかもしれない人なんだなあ」って人。

まあ一番最初に何かを始められる人ってちょっと普通の人と見ているところが違うんです。

すごく印象的なのが、「今、お酒離れが言われてますが、どう思いますか?」って聞いたら、一瀬さん、こう答えました。

「アメリカで大麻が合法化されていますよね。あれで、タバコより消費が増えているらしいんです。それで大麻にも何百種類も違いがあって、それを選ぶバーテンダーさんみたいな職業もあるらしいんです」

あのー、一瀬さん、みんなと見ているところ、全然違いますよね。日本で大麻は合法化はされないとは僕も一瀬さんも思っているのですが、でも、そんなことを頭のどこかに置いているのが、すごい視点だなあと。今、そんな大麻のバーテンダー、ソムリエのことを考えている日本人いないですよね。

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あと、一瀬さん、お店作りも仕事にしていまして、小さいお店、例えば「300万円で内装をやりたい」とかっていう無茶な要望がありますよね。

そしたら、相談に乗るそうです。基本的に一瀬さんが「一ヶ月50万円」いただければ、設計や大工仕事、すべて一瀬さんがやるそうです。

もうホント、詳しくはカフェレスを読んでいただくしかないのですが、一瀬さん、すごいです。

できれば誰か「お金や経営やプロデュースを全部見る人」が右腕になれば、もっとすごいことになるのに、と僕は思うのですが、どうなんでしょうか。

とにかく一瀬さん、すごかったので、是非、インタビュー読んでみてください。 → https://goo.gl/3ZnFg5

#コラム #告知

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

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