自分がなぜセブンのコーヒーを買ってしまうのかを考える

僕は「bar bossaに来てほしいなあ。どうやったら来てもらえるんだろう」というのがいつも頭にあって、「お客さまの行動心理」みたいなものをしょっちゅう考えています。

例えば、僕は毎日どこかで「お金を使っている」のですが、「どうして自分はそのお店でそれを買ったのか?」というのを常に意識しています。

セブンイレブンのコーヒーってありますよね。あれ、すごく買ってしまうんです。さらにファミリーマートやローソンでも同じような価格のコーヒーを売っているのを知っているのですが、セブンイレブンで買ってしまうんです。

実は僕は自分が個人店をやっているので、出来るだけ「小さい個人店」でお金を使おうって思っているんですね。

同じものを同じ金額で売っているのなら、出来るだけ小さいお店で買って、応援したいと思っているんです。

そう考えると「セブンイレブンでコーヒーを買う」って出来れば避けたいですよね。

で、いくつか好きな喫茶店はあるのですが、「そのお店の人と話をしなきゃいけない」という理由で避けてしまうという本当に自分らしい「心が小さい理由」があって行けません。

あと、良いバリスタがいるコーヒーショップありますよね。あれで美味しいカフェラテを飲むの好きなんですが、僕、どうもある一定のクオリティ以上のコーヒーを飲むと、酸味の問題なのか、胃が弱くて、後でお腹を壊しちゃうんです。

それで、ぐっと喫茶店の選択肢が減ります。

さて、他にも色々とコーヒーチェーン店ありますよね。そこもあまり利用しないのは「何を頼むべきか店頭で悩むのが面倒くさい」からなんです。

これ、実はすごく大きい「行かない理由」だと常々思っていまして、bar bossaに来ない理由に「ワインを注文するのが面倒くさい」というのがあるようなんです。

僕はワインはすごく好きなのですが、ワインって興味ない人にとっては、「すごく面倒くさい」と感じるようなんです。

さて、どうしてセブンイレブンでコーヒーを買ってしまうのかですが、「ホットコーヒーのRください」と言って、100円を渡すと、後は紙コップをくれて、その後、自分で勝手にコーヒーを出せるんです。それも紙コップを置いて、ボタンを押すだけなんです。

他のお店もそれに近いのですが、ちょっとだけ「コーヒーのメニューの選択肢」が多くて、店員が作ってくれるのを待ったり、マシンの操作が「イマヒトツわかりにくかったり」するんです。

その本当に「ちょっとしたこと」で僕はついついセブンイレブンを選ぶんです。

そして最後の理由がセブンイレブンのコーヒーって「意外と美味しい」んです。

サイゼリヤのコンセプトが「この値段にしては意外と美味しい」だと、どこかで聞いたことがあります(間違ってたらすいません)。

この「意外と美味しい」も「飲食業」において、すごく重要だと僕は感じています。高くて美味しいのはあたりまえだけど、安くて期待してなくて「あれ、意外と美味しい」ってなんか得した気分になるんですよね。

               ※

さて、そんなセブンイレブンにも「落とし穴」がありました。

いつも利用しているセブンイレブンに「外国人の店員」が新しく入ったんですね。

で、その人に「ホットコーヒーのRください」って注文すると「Lサイズのコーヒーカップ」が出てきたんです。

名著『アイヌと縄文』によると、日本語と韓国語とモンゴル語が母語の人は「RとLの違いが発音できない」そうなんですね。

で、「L」を出されたから、僕はいかにもな発音で「アーウ、アーウ、ヲクダサイ」とか言うのですが、「キョトン」とされたりして、「ここ日本なんだから、RとLの発音で悩まさないでよ」とか思ったわけです。

で、その彼が最近はよくいるので、そのセブンイレブンは行かずに違うセブンイレブンでコーヒーは買うようになりました。

これで、思い出したことがありまして、昔、中村悌二さんのお店「なかむら」で、メニューは毛筆で手書きだったのですが、「鯖」や「鰯」や「鰺」といった、普通は読めそうな感じも「さば」「いわし」「あじ」と平仮名で表記していたそうです。

というのは、「鯖=さば」ってわかっていても、もし間違えたらどうしようという気持ちが働いて、「読みやすいメニューの方」をみんなついつい注文するそうなんです。

「本当に?」って思いますよね。数字は忘れたのですが、「漢字表記」と「平仮名表記」で「注文される数」が全然違うみたいなんです。

そういう「注文しにくい」とか「恥ずかしい」って意外と「人間がお金を使うとき」に大きい要因ですよね。「表紙が恥ずかしいからレジに持っていけない」とかよくあります。

そう。ですから、これからドンドン外国人が増えたら、セブンイレブンの「RとL」、結構売り上げに関係するのかも、なんて想像したりします。

           ※

そういう「自分の買い物行動をチェックする」って、結構面白いですよ。

意外と人間って「変な理由」で買ったり買わなかったりしているのがよくわかりますし、自分のお店の「見直し」になったりしますよ。

#コラム

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「やっぱり行かないとわからない渋谷のこんなお店」です。

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