年賀状を書かない話

※土曜日は読む人が激減することが判明したので個人的な話を。

僕、実は年賀状を書かないんです。

いわゆる「決まったこと」みたいなことをするのがどうも苦手でして。

例えば、bar bossaって「○周年パーティ」って一切やったことないんです。

実はそろそろ20周年が近づいているのですが、もう絶対に20周年パーティなんてやらない自信があります。

どうしてなのか考えてみたら、まず「誰を呼ぶべきか」を考えるのが苦しいんです。

結婚式でもみなさん同じことを悩みますよね。

呼んだら呼んだで「え?! そんなに親しくないのに。まあ行かなきゃなあ」って思うのもイヤだし、呼ばれなかったら呼ばれなかったで「え?! どうして自分呼ばれないんだろう」って気になりますよね。

「○周年パーティ」なんかは、特にそういう位置なので、まず誰を呼ぶべきか難しすぎで、僕はそういうことをしません。

たぶん、そういう「人に位をつける」という行為が苦手なんだと思います。

昔、小学生の頃、「自分が親友と思っている人の名前を書きなさい」っていうの、授業中にありましたよね。

あるいは「友達と思っている人の名前を何人でも良いから書きなさい」っていうような感じのもありました(あれって今でもあるのでしょうか)。

あれ、すごく苦しかったですよね。

子供ながらに「この人とはしょっちゅう話しているってわけじゃないけど、でも深いところでわかりあえている」とか「この人たちと同じグループに所属している風だけど、でもそのグループの中では浮いている」とか色々とあります。

それを「親友は誰ですか?」ってちょっとヒドい質問です。

人間関係って「まあ色々とあるけど、まあその時々にうまくやっていこう」とか「なんとなく肌はあわないんだけど、でも一緒にいて面白くて」とか「こっちはすごく好きなんだけど、どうも向こうはそうでもないみたいで」とか「まあ好意を持ってくれているみたいだからありがたいな」とか、そういう「はっきりとは言えないこと」の寄せ集めです。

それを、そういう「パーティに呼ぶ、呼ばない」の瞬間に決めなきゃいけないのが、僕にはちょっと無理です。

同じような感覚で僕はお土産を買わないし、お土産を貰ってもお返しはしないし、年賀状も出さないんです(でも年賀状は妻が僕の代わりに出してくれてます)。

                ※

そんな話を先日、友人と話していたら、彼は小さい会社を経営していまして、「名刺を交換した人には全員年賀状は出す」とのことなんです。

理由を聞いたら、「林くん、年賀状ってみんな最低1年間はとっておくんだよね。下手すると数年間はその人の机の引き出しに保管しておいてくれるんだよ。そしたら、何か仕事が発生して連絡しようと思ったときに、『あ、そうだ。年賀状が来てたからあれにメールアドレスか電話番号が書いてあるな』って思い出してくれるんだよ」とのことでした。

なるほど。年賀状って確かに業者のいかにも仕事っぽくて印刷しただけのモノでもとっておきますよね。

そうかあ。みんなリアルなビジネスマンってそういうことを考えているんだなあとやっとわかった46歳の冬です。

#コラム

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