誰かの息づかいや体温までが伝わってくる言葉が必要

※2年前に書いた記事の再掲です。

先日のcakes記事『若い女性はおじさんが好き?』→ https://cakes.mu/posts/10195 があまり読まれなかったんです。

cakesの記事に関しては自己満足な内容じゃなく、エンターテインメント性の高い、すごく面白い内容にしようといつも考えていまして。

今回のは実はすごくリサーチをしたんです。

ツイッターのTLを見ていると「おじさんと若い女性ネタ」っていうのが多いんですね。

で、妻に「年上男性と付き合おうと思ったことある?」って聞いてみたら、「私、おじさんダメなんだよ。年上って言っても2、3歳上くらいまでかな。美味しいお店なんて自分でお金稼いで自分のお金で行くし。おじさんに連れていってもらおうって思わない」って答えたんです。

そして色々と調査をしていると、おじさんと若い女性事情がわかってきて、あんな記事になりました。

「リサーチ→取材→原稿」だったんです。

で、妻に「今回のcakes、あんまり読まれてないんだよ」って言ったら、「読者は甘くないんだよ」との答えでした。

 ※

以前、ある有名編集者が部下にこんな話をしていたのを聞いたことがあります。

「あのね、『読者の興味なんてこのくらいだろうなあ』ってなめて記事をつくるのが一番やっちゃいけないことなんだよ。自分が本当に面白いと思って、そのことにすごく夢中になって調べて、そして情熱をこめて作った記事こそが、読者も一緒に楽しんでくれるんだよ」

そういう態度ってよくありますよね。

例えば「料理」でも、「本当は繊細な出汁の味が美味しいと思うんだけど、一般の人なんてマヨネーズが美味しいって感じるんだよ」って言ってどっさりマヨネーズ味にしちゃうとか。

音楽なら「今の若者は良い音質なんて求めてないんだよ」とかいった態度です。

でも、その編集者が言うには「本当に自分も夢中になって、自分が一番良いと感じる内容のものを作らなきゃ、お客さまは一緒に感動してくれない」というわけです。

 ※

ところで、決して僕は「読者の興味なんてこのくらいだろうなあ」ってなめたわけではないのですが、「リサーチして、この辺りが求められている内容だろうなあ」って計算しちゃったんです。

その「リサーチと計算」が敗因だったのかなあと今は思っています。

僕が「どうしても若い女の子にモテたい。なんとかして20代の女の子と恋愛したい」と考えて、あれこれと悩んだり、実際に20代の女性に声をかけておもいっきり失敗してたら、あの記事は「リアル」で「笑える内容」になってたと思うんです。

でも、そうじゃなかったんですよね。

 ※

このnote、土曜日は本当に読む人数が激減するので、「ま、みんな読んでないから」と思って、本当に僕の個人的な話を書いているんです。

ホント、個人的すぎて、僕のことを知らない人には「つまんない話」だろうなあ、って思うのですが、どういうわけだか、「土曜日の個人的な話が一番好きです」と言ってくれる方がたまにいるんです。

で、わかってきたのは、もしかして「人が面白い」って感じるものは「情報」じゃなくて、「誰かの息づかいや匂いや体温まで伝わってくる言葉」なのかな、って思い始めているところです。

#コラム

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bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「オリジナルカクテルが」です。

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