一緒に時間をすごし過ぎると「言ってはいけない言葉」が出てしまう

僕たち飲食業界の間では「友人と二人で共同経営のお店をやるのはどうか問題」というのがあります。

これ、もちろんうまくいっているお店すごくたくさんあるとは思うのですが、「途中で一人が抜けた」とか「よく喧嘩する」とかってよく耳にします。

理由を聞いてみるとやっぱり「お金のことが原因」って多いようです。

「自分ばっかりが働いている」とか「原価がかかる商品ばかり入れたがる」とか、そういう「ちょっとした金銭的なぶつかり」が多いようです。

まあ「お金」って本当に難しいんですよね。どれだけ仲が良くても「お金」が原因で変な関係になります。

 ※

さて、そういう「お金のこと」以外でも、共同経営をやめるパターンがたまにあります。

バンドとかでもよく耳にする「コンセプトや考え方が違う」というものです。

でもそんなのって「始める前」からわかっているし、心の中で決めていますよね。大体お互いが納得して始めているはずです。

でも途中で「あいつとは根本的に考え方が違う」みたいな別れ方ってよく耳にします。

これ、恋人同士や友人関係もよく耳にしますよね。「やっぱりあの人は保守的すぎる」とか逆に「新しいとすぐに飛びついちゃう」とかなんとかそんな感じです。

 ※

さて、先日、そんなケースをある人から聞いていると、あることに気がつきました。

「それ、考え方が違うとかそういうことじゃなくて、二人が顔をあわせすぎ、一緒に時間を過ごしすぎなだけなんじゃない」ってことなんです。

人と人って、普通は完璧にはわかりあえないんです。まあでも「あいつとは気が合うなあ」というところで「友人」になったり「恋人」になったり「共同経営者」になったりするのですが、ずっとずっと一緒に時間をすごすと、家族みたいになって、遠慮がなくなって、普通の相手なら言わないようなことを「ずけずけ」と言ってしまうことがあるんです。

普通の知り合ったばかりの相手なら、なんとなく様子見で、「無難なこと」を言うものなんです。

最初から「俺、野菜はオーガニックにこだわってるから」とか、逆に「オーガニックってありえないよね。あれ宗教だよ」とかは言わないんですよね。なんとなく「様子見」で「野菜ってどこから仕入れようか」って振ってみて、相手が「一番安い業者知ってるんだけどどうかな安過ぎもダメかな」とか「農家と契約して届けてもらうのって面白いよね」とかって言葉が出て、すり寄っていくんです。

でも、ずっとずっと一緒に時間を過ごしていると、もう家族みたいになってしまって、すごくわかりあえていると勘違いして、ついつい心を許してしまって、普通なら言わないような、例えば「おまえ、お金にこだわりすぎだよ」とかってことを相手に言ってしまうんです。

それで「あいつはやっぱり違う」というところにたどりつくんです。

「親しき仲にも礼儀あり」とよく言いますが、ずっと同じ時間を過ごすって逆にそうとう気をつけないとってことありますよね。

いつも思うのですが、人間って「一緒に会う時間が多い少ない」ってどうやら関係性に大きく影響するようなんです。

最近、恋人や配偶者や友人に「カチン」と来ているあなた、もしかして「一緒に時間を過ごしすぎ」なだけかもしれないですよ。

#コラム

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「うちの犬の可愛い行動ベスト3」です。

ここから先は

130字

¥ 100

サポートしたいと思ってくれた方、『結局、人の悩みは人間関係』を買っていただいた方が嬉しいです。それはもう持ってる、という方、お友達にプレゼントとかいかがでしょうか。