広告はどこかで良くない大人が操作している印象がある、と、良い大人がいる会社

ある音楽関係の方が、「新聞で取り上げられても全く動かなくなった」って言ってたんですね。

そうは言っても新聞って部数を考えるとまだまだ大きいでしょ、本とかはまだ影響あるんじゃないかなと思って、今度は出版関係の人に聞いてみたら、「ほんとダメです。広告で動くのは健康とかシニア世代向けの本だけ」ってことなんです。

「じゃあテレビは?」って聞いてみたら、「テレビも、すごく影響力がある人が心から面白かったって言ってくれたら動くけど、広告だなって感じの露出の仕方だとほとんど動かない」ということらしいんです。

それで、いろんな業界の方に聞いてみると、もうマスメディアで商品を露出させて、それで消費者に「これ、買いたい!」って思わせるのって、かなり難しいらしいんです。

ある食品会社の方によると、「商品を思い出してもらうため」にテレビの広告は出しているそうです。「あ、そういえばそういう商品もあったよな」って心の中にとどめてもらうくらいの効果で、それ以上の「それ、今すぐにでも買いたい」っていうのは望めないそうなんです。

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先日、ネットで元スマップの3人が出てて、すごく話題になっていましたが、みんなの反応を見ると、「テレビとかタレント事務所の古い体質がイヤ」なんですよね。

なんでそれがそんなにイヤなのかなと思って見てたら、要するに、「どこかにこの世界を牛耳っている良くない大人たちがいて、その人たちのせいで自由な活動ができない」っていうのが、イヤなんですよね。

たぶん、実際のところは、みなさんいろんな大人の事情があって、こういうシステムになってしまったんだろうなっていうのは、僕も大人なので想像できるのですが、若い世代としては「ネットにいない、SNSやってないってなんか不自然、どこかに良くない大人がいる」って感じてしまうんでしょう。

そして、その感覚って、マスメディアの広告では、若い世代が「買ってみたい」と思わないのと繋がっていると思います。

「どこかに良くない大人がいて、広告を見せて、そんなに良いものじゃないのに、買わせようと操作している」っていう風にどうしても感じてしまうんでしょう。

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ところで、最近、企業がインスタグラムのフォロワーが多い人を使って、商品を宣伝してますよね。

もちろん、企業の人がそこにいくのは普通の発想だと思うのですが、なんかそれはマズいのでは、自分の首をしめているのでは、と心配になっています。

だって、みんな「大人がお金を使って無理矢理買わせようと操作している感じがイヤ」なんですよね。

それをインスタグラムに感じてしまったら、どんどん気持ちは離れてしまいますよね。

今もう「インスタ映え」って言葉、冗談のように使われていますよね。なんか「インスタ映え」ってそろそろすごい反動が来そうに思います。

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今たぶん、「あの企業やメディアには良くない大人たちがいて操作している」って思われるのが一番マイナスだと思うんです。そういうのを指摘するツイートや記事ってしょっちゅう見るし、すごくシェアされていますよね。

それよりも、「あの企業には、社会をよくしようとしている良い大人たちがいる」って思われるのが一番消費者の共感を得る近道だし、広告になると思います。

そして、今回の元スマップの3人の件で、「AbemaTVって、社会に風穴をあけるいいメディアなのかも。いい大人たちがいる企業なのかも」って、若い人たちに思わせましたよね。

そういう共感を得るのが、実はその会社が一番、儲かるいい広告かなって思いました。

#コラム

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