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noteで面白かった話

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noteの中で良いなあと思った作品をまとめます。
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#日記

愛をあるだけ、すべて

愛をあるだけ、すべて

2018年10月29日、子どもが産まれた。

振り返ると、とても充実した1年だった。何年後かに振り返った時に、いつの時代に戻りたいかと聞かれても、多分2018年は選ばない。軽くハイになっていたかもしれない。こんなに一年を長く感じたこともなかった。

僕は40歳くらいで死ぬと思っていた。希死念慮があるとかじゃなくて、漠然と、僕の人生がそこから先に存在していると想像できなかった。父親が四十代で突然死ん

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恋に落ちた日

恋に落ちた日

それはまだ、恋になる前のこと。

明日は月に一度の店長会があるから、いつもより朝が早い。早いところまとめて寝ようと考えながら、施作と数字を追って報告書をまとめていた、そんな木曜日の夜。

先日、たまたま共通の知り合いを介して出会った彼から連絡が入った。

「今何してる?ちょっと会えない?」

その時すでに22時を過ぎていて、私は明日のことを考え断った。また会いたいなとは思っていたけれど、恋い焦がれ

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小人ビール

小人ビール

「よく降りますね」

日比谷公園の庭園脇にあるカフェで雨宿りしながらビールを飲んでいたら、小人が僕に話しかけてきた。

新幹線に乗るまでに時間があったので、ふと思い立ってやってきたのだ。
官庁街の無機質な空気の壁に囲まれているせいなのか、意外なほど公園の樹々の紅葉に情緒がある。

降ったり止んだりの秋雨続きで、公園を歩く人は少ない。

いつの間にか僕のテーブルにちょこんと飛び乗った小人をちらっと見

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「もてなしたい誰かと生きる」という贅沢

「もてなしたい誰かと生きる」という贅沢

幸せってなんだろうなあ、と一週間に一度は考える。

物足りなく過ぎていく土曜日の深夜だったり、疲れ果てた金曜日だったり、寝坊した月曜の朝だったり、タイミングはいろいろだ。

8月1週目に私の誕生日があって、何日間に渡って、優しい友人たちがお祝いをしてくれた。

私の(そしてたぶん、私を!でもある)愛するその人達は、みんな「あなたのお誕生日をお祝いできて、嬉しいなあ」と言っていた。私はあんまりわから

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これが遺品になるなんて

これが遺品になるなんて

人は二度死ぬ。

一度は生命が失われたとき。もう一度は忘れられたときだ。そんな話はよく聞く。

遺品は、二度目の死を遅らせるものなのだろう。死んだ人が使っていたものは、記憶のトリガーになる。だから、捨ててしまうとその人が失われてしまうような気持ちになるのかもしれない。

幼いときに母を亡くした私は「遺品」を認識していなかった。人が死んだら、すべてが自然と消えてしまうものだと思っていた。もちろん、母

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「知らない異性10人と出会って話す会」に行ってきた

「知らない異性10人と出会って話す会」に行ってきた

こちらは渋谷にある「bar bossa」で開催されているらしく、バーで恋活とか面白そうですよね。きっかけはマスターの林伸次さんのnoteの記事を読んでいて告知を見つけたことでした(過去の参加募集記事はこちらからどうぞ)

楽しかったのでレポートがてらに漫画にしました。

noteやるならチェックすべきTwitterアカウント100選:第二弾26-50選まで

noteやるならチェックすべきTwitterアカウント100選:第二弾26-50選まで

100選第一弾に続き第二弾(26-50)。やはり25でもそこそこの長さになったので分けて正解だと思います。今回も引き続き宜しくお願いします!!

また誰もが知る凄い方を順にご紹介すると「ランキング」のようになりかねないので、ランダムに忍ばせて頂きました。ご了承ください!

★前回のご助言によって変更した特徴的なツイートは公開後に追記しますので、少々お待ちください!

★★★

26.アプリマーケテ

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サンドイッチ考

サンドイッチ考

休日なので、スープじゃなくてサンドイッチの話など。

連休は息子が帰省していた。息子は息子で勝手に友達と出かけたりしていたが、きのうは朝から予定がなく、帰ろうかどうしようかと迷っていた。大人三人の家族がすることってないものだ。そこで私が、ピクニックをしよう、いや、正確に言うとサンドイッチを最高のシチュエーションで食べようという提案をした。

近所においしいパン屋があって、午前中のうちにパリパリのバ

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「才能」の定義

「才能」の定義

先日、とあるコピーライターさんとお話しする機会があった。その話の中で、「ある若手の面倒を何年かみているが、どう考えてもコピーライターの才能がない。でも本人に自覚がなく、どうしたものか考えあぐねている」という話を聞いた。

最初こそ「才能がないのではなくまだ未熟なだけなのでは?」「1人の師匠がダメ出ししたからといってその人に才能がないとも限らないのでは?」と思ったのだが、いくつかの「ダメだと思った」

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Dancing in the Moonlight

Dancing in the Moonlight

毎年クリスマスの時期になると、叙情的な原稿をくれる「ワイングラスのむこう側」の林伸次さん。

・死んだ恋人から届いたメール
・小さなクリスマスの物語
・素敵な待ち合わせ

今年も素敵な原稿をくれた。

・月明かりの下で踊ろう

自分でリード文を書いていて驚いたけど、連載が始まって4度目のクリスマスを迎えた。毎週密度の高い原稿を休むことなく上げてくれる林さんと、読者のみなさんのおかげです。本当にあり

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「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と感情の蓋

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と感情の蓋

意味がわからないことわざがある。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってやつだ。大辞林によると、

その人を憎むあまりに、その人に関係のある事物すべてを憎むことのたとえ。

だそうだが、それは知ってる。僕が問うているのはその意味じゃなくて、このことわざの意味は「教訓」なのか「共感」なのかということだ。

そもそもこのことわざは、江戸時代に権力を握って強引な民衆管理やら汚職やらを繰り返していた寺の僧侶に対す

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ルネサンスマンになりたくてバンドマンになれなくて

ルネサンスマンになりたくてバンドマンになれなくて

*2020.1.23. 追記:このnoteを書いたのが2016年の夏。その頃にはまだ日本には上陸していなかった定額配信サービスのリンクを貼りました。

タイトル上の画像は大学生の時友達に配っていたカセットの中にあるクレジット。あの頃の音源をUPしながら、いろんなことを思い出していた。

音楽と楽器にのめり込んでいったのは高校に入ってから。
ある日雑誌で「全部の楽器と歌と録音をひとりでやってしまうト

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「才能」というものについて考えてみた

「才能」というものについて考えてみた

こんな素敵なつぶやきをみかけた。

私も一時期「才能」のある人を羨ましく思っていたし、
なんなら今でも、壁にぶつかるたびに才能に嫉妬する。

(こちらの有料記事、バリューパック購読者は無料で読めます)

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