『ヒトラーに屈しなかった国王』──1940年「ドイツ、ノルウェーに侵攻」ドイツ/ノルウェー
●どこで観られる
AmazonPrime
U-NEXT
Apple TV
Youtube など
DVD/Blu-ray
●できごと
ドイツ、ノルウェーに侵攻 1940年4月
9日
●コメント
1940年4月、ヒトラーのドイツが突然、ノルウェーに侵攻。国王と政府首脳は首都オスロを離れるが、やがて、ナチスの意のままに動く傀儡政権が誕生、国王以下政府はイギリスに逃れ、亡命政府を樹立します。この映画はその間約1ヶ月、ノルウェー国王が何を考え、どう動いたかを描いています。
北欧のうち、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンは立憲君主制、つまりまだ国王がいる王国です。この三国はいろいろ入り組んでいるのですが、ノルウェーの国王は、19005年にスウェーデンから独立したとき、デンマークから迎えたホーコン七世。デンマーク王の弟、王妃は英国国王エドワード7世の三女です。つまり、もともとノルウェーの人じゃないのね。
独立時に、王政の是非を問う国民投票が行われ、26万票対7万票で、王政導入が決まりました。映画でも、国王は、自身を国民から選ばれた王であるといい、自分の保身のために、ヒトラーに魂を売るなんて絶対しない、屈しないという姿勢を貫きます。
そういう気骨のある国王を演じたのは、イェスパー・クリステンセン。007でスペクターの幹部ミスター・ホワイトでおなじみのデンマーク人俳優です。皇太子オラフ5世役はノルウェーのアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。皇太子妃マッタ役はスウェーデンのツヴァ・ノヴォトニー。彼女は、近日公開の『ブリット=『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』の監督でもあります。
ノルウェー人は愛国心が強いことで知られます。傀儡政権下でドイツに牛耳られますが、国民は亡命政府とともに、激しいレジスタンス運動を繰り広げました。なかでも映画『テレマークの要塞』で描かれたドイツ重錘製造施設の破壊は、ドイツの原子爆弾開発計画を遅らせた、といいます。
こういうことを頭に入れで、子供の頃には単なるハリウッド製戦争映画としてしか観ていなかったあの映画、もう一度じっくり観てみたいです。
2017年12月16日日本公開
原題 Kongens nei
製作年 2016年
製作国 ノルウェー
配給 アットエンタテインメント
上映時間 136分
監督・脚本 エリック・ポッペ
出演 イェスパー・クリステンセン/アンドレス・バースモ・クリスティアンセン/ツヴァ・ノヴォトニー