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第13回あなたが選ぶオタク川柳大賞、主催者「オタクの高齢化を感じます」を分析する

第13回あなたが選ぶオタク川柳大賞の結果が発表された。
記事に、「傾向について聞きました」の主催者インタビューがあり、

インターリンクの広報担当者は、今回の特徴について「例年はその年のブームとなった物事を取り入れた句が人気だったのですが、今回はオタクの高齢化を感じます」と話します。

と、今年の傾向を語っておられる。が。

今年の場合、
今年ならではの原因があるでしょ?

公募ガイドコラボ企画による、川柳ガチ勢大量参入

今年の特徴は、何といっても「公募ガイドコラボ企画」。
公募ガイドからの参加者が、かなりいたはずである。
公募ガイドは、全年齢対象だと思うが、
「川柳」ってジャンルは、こころもち平均年齢高めなのである。後述する。

それに、公募ガイドでも、オタクの例として「ハガキ職人」を挙げるなど、
オタクの年齢設定が高め、あるいは、高齢者にも参加しやすい入り口を作ったと思われるのである。

「ハガキ職人」とは、ラジオ、特に深夜ラジオにハガキを送って読まれることの多いリスナーを指す。かつての深夜ラジオ全盛期の用語。
ハガキ職人がオタクか、そうでないかは、微妙であると思う。

と、言うのは、時代的に、
二人称に「オタク」を使っていた世代は現在50代で、
「ハガキ職人」は、やや上の世代であるからだ。

ともあれ、「公募ガイド」によって、川柳公募応募常連つまり川柳ガチ勢の参加が今年は増えたと思われる。
実際、公募ガイド賞でありオタク川柳大賞10位のさごじょうさんは、
川柳公募の常連さんである。
予選段階で、知ってるハンネがいくつもあった。

オタク川柳認知度が高まったことによる、川柳ガチ勢の増加

そうでなくとも、オタク川柳に参加する川柳ガチ勢はじわじわ増えていた。
オタク川柳が毎年開催される川柳の公募として、認知度が高まったことによるものである。
敗者復活枠であり7位の智鈴さんは、毎日新聞仲畑流万能川柳の常連さんである。
他にも、仲畑流からの参戦者を、募集段階で結構見かけた。
おそらく、別方面からの川柳人も参加していたに違いない。

川柳ガチ勢とは

要するに、「川柳オタク」なので、オタク属性は「ある」人たちと言っていいと思う。

ただ、「川柳」は、一般的にはオタクジャンルとは見られていないので、
「いわゆるオタクな風物」を詠むことになる。
それが悪いとは思わない。
案外、客観的な視点の方が、上手く詠めたりすることがあるからである。

今年の大賞、ポチパパさんが、いわゆる狭義の「オタク」なのかどうかはまだわからないが、
ここ数年、大賞を「非ヲタ」が取っているのも、そういった流れからであろうと思われる。

ところで、川柳は、俳句のような決まりが少なく、
手軽にできる趣味として、
リタイア世代、60代以上に人気があるので、

川柳ガチ勢も、平均年齢は、従来のオタク川柳応募者よりは「高め」、
そして、川柳が上手いので、句がこなれており、「大人」な作風が増えた、
と、私は推察するのだが、どうだろうか。

あらためて、「オタクの高齢化」について

では、オタク川柳を通じて見えてくるものは、
「オタクの高齢化」
なのか、考えてみたい。

上述の理由から、私は、
「第13回あなたが選ぶオタク川柳大賞」には、
実際に投句者平均年齢を上げる要因があったし、
全体の傾向にも影響を及ぼしたが、

「オタクそのものの高齢化」は、示していないと思う。

若いオタク世代はどこへ?

今回、ファイナリスト20句に、10代の作品がない。
とても残念だと思ったが、

そりゃ、ガチの川柳勢にはなー
勝てないよなー

応募句紹介の段階では10代の句もあり、
なかなかいいものもあったので、
こればっかりは、運、かなぁ。

それと、もう一点。

Twitterに、ハッシュタグ#オタク川柳 を、つけちゃって詠んでいる君!
それ、応募になんないから!
あああ、Twitterに流したら未発表句でなくなるから、
応募ができなくなる~~~~~!

結構いたんだよね。あれ、若い人じゃないかなぁ。

最近は、公式をフォロー&ハッシュタグつきでつぶやくことで応募になる公募が多いからなのか、
インターリンク社のオタク川柳公募を知らなくて、
TLに流れてきた#オタク川柳って面白いじゃん、詠んでみよ、って事だったのか…。

オタクは、日々、一定割合で出現成長しているから、
オタク文化の若者離れとか、
オタク文化の衰退とかを表しているんじゃ、決してないよ!
いるから、私、10代20代のヲタ友!

ただし、人口分布が高齢化しているので、
どうしても若いオタク層の減少はあると思う。

終わりに、耳の痛いことを言うよ?!

オタク川柳公式さんは、

「高齢化するオタクを大切にしつつ、フレッシュな若いオタク層も取り込んでいきたいです」

と、語っておられる。

そのためには!
気をつけるべきことがある!

選者が年を取ると、選ぶ句の作者の年齢も上がっていく傾向がある。
選者と感性が近いのは、どうしても近い年齢だからである。

あくまでも「傾向」!
多くの選者は、若い感性を取り入れようと意識しておられるし!
でも、油断すると平均年齢上がるから!

フレッシュな句を選ぶには、
オタク川柳公式さんが、フレッシュな感性を持たなければならない。

大変だぁ。<ここはひとごと

さて、私は第14回を目指すよ。
開催を楽しみにしています。

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