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Spotify×Frasco×「シンバム」=?

こんにちは。僕は年間3000曲以上の”自分にとって新鮮な曲”を楽しむ日々を送っています。いわゆるディグが大好きです。

2016年にSpotifyが日本に上陸し、そのタイミングで使い始めてから、好きな音楽の幅が一気に広がっています。ディグできる曲数も劇的に増えました。
意識せずとも、最低で週に60曲は「自分の好みに合った音楽」を自動的にSpotifyが教えてくれるようになったからです。

それまでは自分でiTunes Storeを開いて片っ端から聴いたり、YouTubeでキーワードを入力したりと、何かしら労力がかかるのは当たり前でした。好みでない確率も高かったですし・・
それが今はSpotifyのおかげで、労力をかけずに聴ける「不労ディグ」が60曲は担保されているのです。

さて、ここからが本題です。

今までは誰にも聴かれなかったアーティストの曲でも、リスナーに届きやすい時代。ということは・・アーティストにとって、リスナーに聴かれるチャンスが格段に増えたということになります。

無名からのスタートでも、やり方次第で多くのリスナーに届く。そういった光景を実際に目の当たりにしました。

なぜこの記事を公開したかというと、僕自身が、知らないアーティストの刺激的な音楽に出会いまくりたいからです。
そして、僕みたいな人間は間違いなく結構いる。逆に、「ストリーミング、いまいちわからん!」というアーティストの方。それも結構いるでしょう。

このnoteでは、月間2万人以上のリスナーを獲得しているFrascoというユニットが2018年に発表した「シンバム」を取り上げながら、ストリーミング時代のアーティストとリスナーの関係について書いていきます。
ストリーミングサービスを使っていない人にも、【新しい曲が手軽に楽しめるサービス】であることが分かるように書き進めました。

Frascoとは?シンバムとは何ぞや?ということはもちろん後述します。

●序章

◎リリース形態が多様化

・ストリーミングサービス全盛の時代へ

「好きなアーティストがアルバムをリリースする!」そのニュースだけで、僕たちリスナーは心躍る日々を過ごすことができます。
昨今ではアーティストの選択肢が増え、アルバム以外にも多様で面白い世界を見せてくれていますね。
レコードやカセットだったり、グッズにダウンロードコードを付けてみたり・・しかし、これらは【アーティスト】と【1人ずつの根強いファン】という、熱狂的なファンが付いてこそ成り立つ印象を強く受けます。
大きな市場で考えたときにはどうでしょうか。「もはや、アルバム形態で音源をリリースするメリットは無い」という少々過激な声まで聞こえてくるようになりました。理由はただ1つ。世界的にストリーミングサービスが主流になっているからです。

Spotifyがニューヨーク証券に上場した初日に、時価総額2.9兆円となったニュースも記憶に新しいですね。

◎Frascoが現在進行形でアルバムをリリース中

・Frascoってどんなアーティスト?

トラックメイカーの【タカノシンヤ】さんと、ボーカルの【峰らる】さんの2人によるエレクトロユニットです。日本で活動しています。現実と非現実の間を行き来する、不思議な音楽性が魅力です。

ボーカルはどこか客観的で、トラックと絶妙な距離感を保ち続けています。さらに、歌われる言葉には遊び心が満載。言葉が伸縮している中に放り込まれたような感覚になります。その中で曲が展開していく体験は、他ではなかなか味わえません。
そしてメロディーは口ずさめるほどポップ。流して聴いても心地よいですし、耳を傾けても聞き応えがあります。

・シングル+アルバム=シンバム

Frascoは【アルバム10曲を1つの作品として、まとめてリリースする】という概念を覆して、現在進行形でアルバムをリリース中です。
SpotifyやApple Musicなどの各ストリーミングサービスで、2週間おきに1曲ずつ新曲を配信しているんです。
結果として、月に2万人以上のリスナーを獲得することに成功しています。曲のトータル再生回数ではありません。2万人のリスナー数です。

「シンバム」のコンセプトは公式webより以下の通り。

それぞれの曲は「眠りや夢、現実と非現実のミックス」をコンセプトに一貫したテーマで作られており、全てが揃った時に、シングルで作るアルバム仕様のプレイリスト=“シンバム”として完成します。

僕としては、まずは惜しみない拍手を無心で送りたいところです。もちろん、誰よりも先手を打って、大胆な「シンバム」というテーマを打ち出したことに!もう、他の音楽家は同じことできません。

配信期間は1曲目~10曲目まで約4か月半かかる予定です。後述しますが、期間がかかっていることこそメリットです。5/11現在、7曲目の「Imitation crab」まで配信中。

スケジュール通りに進んでいるのが凄すぎますね。きっと血のにじむような努力をされているはず・・

・なぜ1曲ずつ配信するの?

「シンバム」はストリーミングサービスのメリットを生かしたリリース形態です。国内では初の試みでしょう。

僕はSpotifyを使い始めて1年半経ちますが、冒頭で書いたように、音楽の新陳代謝が格段に上がりました。意図せずとも膨大な情報量に触れられるサービスです。

リスナーが頑張らなくても未知の音楽を聴ける理由にも触れつつ、2週間ごとに1曲ずつ配信する「シンバム」の面白さやメリットを思いつく限り挙げていきます。

●本編

① プレイリスト機能へのアプローチ

・最も集客力のあるプレイリストは?

各ストリーミングサービスは「プレイリスト」を豊富に取り揃え、それぞれの色を出しています。様々なアーティストから曲をピックアップし、独自のコンピレーションアルバムを作り上げるような機能がプレイリストです。

無数にあるプレイリストの中で、最も注目されるのは公式アカウントのプレイリスト。Spotifyなら、Spotify自体が運営しているプレイリストのことです。

新しい音楽を聴きたいリスナーにとって、様々なアーティストの新曲だけで固められたプレイリストはとても重宝します。
Spotifyでは「新曲だけのプレイリスト」が毎週決まった曜日に更新され、トップ画面に表示されるようになっています。
邦楽中心なら水曜日、洋楽中心なら金曜日といった具合です。

例えば邦楽中心に選曲される【New Music Wednesday】は2018/5/11現在で約27,500人がフォローしています。
このように「公式プレイリストはチェックしておこう」という人は多数存在します。

これは、一定のクオリティが担保された新しい音楽との出会いが期待できるからです。公式アカウントが、何の刺激もない曲ばかり取り上げていたら解約しちゃいますもんね・・

リスナーはアーティスト単位で音楽を聴くスタイルから、プレイリストで音楽を聴くスタイルに移行しつつあります。知らない音楽が発見できることはCMでもウリにしていますね。
新曲だけでなく、ムードに合わせたプレイリストも多数配信されているのも広く知られているところでしょう。リラックスしたい、元気に動きたい、作業に没頭したい・・といった具体に、何でも揃っています。

その中で、公式アカウントから配信されるプレイリストが担う役割は、知らない音楽へアクセスできる一番大きな入り口であることに間違いありません。そもそも、名前も知らないバンドを検索しようが無いですから。

つまり、ストリーミングサービスの土俵に上がったアーティストにとって、人気のあるプレイリストに入ることが最初の重要な目標となってくるのです。

【2018/5/17追記】

Frascoが5/16に配信した「Dream」がSpotify Japanの公式プレイリスト「Tokyo Rising」に選曲されました。同プレイリストのフォロワーはなんと13万人超。
しかも52曲ズラリと並ぶ中で、上から2曲目。シンバム構想が実を結びつつあります。

・各メディア媒体の対応は?

Webメディア等もプレイリストを運営していて、定期的に更新されているものばかりです。ここにもFrascoの新曲は取り上げられる可能性が高くなりますね。

例えば・・音楽メディア【Spincoaster】がSpotifyとコラボレーションしているプレイリスト「Monday Spin」はフォロワーが約4500人。自力で4500人に届けるのは難しいアーティストも、こういったプレイリストに入ることでリスナーへ届きやすくなります。

・各リスナーへのレコメンド機能

Spotifyでは、リスナーの好みに合わせて「新曲だけで作った、その人専用レコメンドのプレイリスト」を毎週配信しています。
知らない音楽をより積極的に聴きたい人は、非常に重宝している機能ではないでしょうか。

特筆したいのは、以下の2つのプレイリストです。

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keiichi

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日本語の探求。カレーをやたら食べる。年間5000曲の音楽を開拓。バナナ。 #日記 #音楽 #エッセイ #小説 #カレー

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