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境界線の話

 あなたとそれ以外のものの境界線は、どこにありますか?自分の体はここまでで、それより外側が自分以外だと思うのが普通だと思いますが、内側・外側を分けるものは何でしょうか。

 自分の手を見てみてください。これを「手」と名付けないとき、この「手」は一体何でしょうか。答えが出てきたら、それらに全部NGを出して、引き続き答えを出しっぱなしにします。じーっと、そのまま手を見続けます。

 もう一度、自他を分ける境界線を探してみます。今度は、視覚ではなく、触覚にフォーカスしてみましょう。近くにある何かに、手で触れてください。触れているまさにその瞬間、感じられるのは手の感触ですか?それとも触れているものの感触ですか?それとも ... ?

  ここまで来ると、自他の境界線というのが、かなりぼやけてくるかもしれません。次は、聴覚。何か、周りから音を一つひろって、それに耳をすませてください。音は、自分の内側で鳴っていますか?それとも外側で鳴っていますか?それとも ... ?

  次に、呼吸を観てみましょう。息が出て、入る。出て、入る。さて、呼吸はどこから、どこに向かってしていますか?内側?外側?それを分ける境界線は、今・この瞬間どこにありますか?ここからが「出る」ところ、ここからが「入る」ところ、と、デジタルにカチッとそのタイミングを捉えることができるでしょうか。

 ここまで、自他の境界線を探るべく、いろいろな実験をしてきました。普段我々は、自分と環境とが決定的に分かれており、その中で日常のすったもんだをやっているというのを当たり前のものとして生きています。ですが、そこを疑ってみよう、というのが今回の投稿の主旨でした。

 ぜひ、上の実験を参考にして、自分のオリジナル実験を作ってみてください。そして、もしよろしければそれを教えてください。

 さあ、実験だ。

 

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