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受け継がれていくもの

ちょっと前に、「自分の音楽の好みは、子供の頃親が車で流していた音楽に似る」というような呟きを見かけたことがある。元のツイートを探しきれていないのでちょっと不正確であるのだけども、おおむねそんなニュアンスの話だったと思う。

どうだったかなぁ、と思い出してみる。
父は音楽が好きな人だった。子供たちが大人になって、誕生日プレゼント何がいいかって聴けば、他に必要なものがない限り、誰それのCDが欲しいと言い出すことがよくあった。7〜80年代の洋楽が多かった気がする。そういえば、どうも本人も若い頃にバンドを組んでいたらしい。ドラムやってたって言ってたっけな。ずっと運送の仕事をしていたせいなのか、わたしの記憶にある父は常にほぼ坊主に近い短髪だったので、写真の中の若かりし父がロングヘアーだったことに、決して小さくない衝撃を受けたのを覚えている。

ちょっと話が脱線したけれど、そうそう、音楽の好みっていうと、そんなに被らない気がするのよね。
私は順当に?邦楽ポップスが好きで、洋楽を聴かない訳ではないけども、聴いたとしてもCMで観たとかドラマの主題歌だったとか、触るのはそんなところがほとんどだった。ラジオも聴かなかったし。
父は父で、仕事が運送業なもんだから、ラジオはよく聴いていたようで、だから割合としては少なかったけれど、「誰それのアレいいよなぁ」と流行りの歌の話題が出ることもあった。

そういえば、私がすっかりBUMP OF CHICKENのファンになったのは、結果として父が亡くなるまで1年もない頃だった。
ファンになったという話も特別しなかったけど、もしかしたらバンドの名前はよく知らなくても、彼らの音楽をどこかで聴いていたかもしれないし、深夜のレギュラーラジオも聴いていたかもしれないなぁと、今更のように思ったりしている。

そして、我が家の2歳児は、ここのところ機嫌がよければ延々と何かしら好きなように歌っている。メロディーはきらきら星っぽかったり、英語の手遊び歌?の「Open shut them(ひらいてとじて)」だったり、アンパンマンマーチだったりするけども、歌詞は結構適当というか、大体全然別のことだ。保育園でも、歌やお遊戯が大好きで張り切ってやっているらしいので、つまるところ我が子も、どちらかといえば音楽は好きなんだろう。

好みがぴったり合ったわけではなかったけれど、私が音楽が好きなのは、間違いなく父の影響だ。そして、我が子も今のところ音楽が好きな(ように見える)のは、受け継がれていくもののようで、嬉しい。
子供がもう少し大きくなったら、一緒にライブに行くのがちょっとした野望ではあるけれど、それはまあ個人の好みがありますから、ふんわりそうなったらいいなーくらいに思っておくとして。
この子の人生でも、私がそうしてもらったように、音楽が毎日を色鮮やかにするものだったらいいなぁと思うのだ。

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