オンライン授業で教え方が変わる(1)「出席する」から「参加する」へ
新型コロナウイルスの影響で授業のオンライン化が現実的になってきました。
英会話講師として、そして小学生の母として。私が授業のオンライン化で一番期待している変化は、ICTリテラシーやテクニックなどではなく、提供する講師側のアクティビティの変化です。
「出席すること」と「参加すること」の違い
日本で、仕事や授業のオンライン化が進まなかった理由の一つは「本当に出席(出勤)しているのかどうかが見えない」「パソコンを挟んだ向こう側が本当にサボらずに勉強や仕事をしているのか」という、マネジメント側からの不安だったように思います。
確かにオンラインのレッスンは参加ボタンを押していれば出席したことになるし、たとえリアルタイムで出席していなくても最後に提出物さえ出せば、授業態度がどうだったかにかかわらず評価が出てしまいます。
ただ、私が疑問に思っているのは果たして本当に「出席していた生徒は授業に参加していたのか」という点です。
私たちは、学校に行き椅子に座ることで、勉強した気になっていなかったでしょうか。仕事へ行き8時間の勤務時間を過ごすことで、仕事をした気になっていなかったでしょうか。
オンライン化されると顕著になるのは、所用時間にかかわらず、やるべきことができたかどうか。そのクオリティがどれほどなのかという、成果物ベースになることなのです。
授業参観で感じた違和感
私は中学3年までを日本で過ごし、その後渡英して学年を2年下げました。GCSEとよばれる義務教育終了認定のテストを受けたので、日本とイギリスで2度中学に通ったようなものだと思っていただければわかりやすいかもしれません。
その後英会話の講師資格を取得するにあたり、学習者の心理や脳科学に基づいた勉強法、そしてアクティブラーニングのアクティビティ学びました。何よりも、小学生の母として2020年の新しい学習指導要項に向けた教育の変化に期待をしていました。
長男が小学生になり、初めての授業参観。
私が授業参観で見たのは、先生が教壇に立ち生徒たちが一斉に黒板をむいて座り、一斉に手を上げて先生の質問に1人ずつ答えていくという、18年前と何も変わらない"Teacher Cantered"、「非効率的で画一的」な授業風景でした。
一斉に確認のできるアクティビティ
前述の通り「出席すること」に意義のある今までの学習と違い、授業がオンラインに移行すれば生徒がどれだけ「参加しているか」が評価の基準になります。
ただし、今までのように1クラス30人のグループ授業をして手を挙げた人を一人一人当てていくスタイルでは、当てられていない29人を一時的にでも置き去りにしてしまうことになり、講師側が包括的に生徒の理解度を確認をするには圧倒的に時間が足りないのです。
また、日本人の学生の返答に多い「わかりません」が出た場合、限られた授業時間の貴重な30秒が無駄なものになってしまいます。
楽しい気分が記憶力をアップさせる
ダイナミックな動きは授業を飽きさせずに楽しんでもらう最高のアクティビティです。人間は「楽しい!」と感じている時の方が圧倒的に記憶力が上がると言われています*。ということはデバイスの前で画面を見つめるだけの授業が本当に効果的なのでしょうか。
脳科学に基づき、効率よく楽しみながら参加する授業を行うためには、生徒が積極的に「関わることのできる」授業のプランニングとアクティビティテクニックが必要とされます。
というわけで次回は、英会話講師として実際に英語レッスンで使われるアクティビティのプランニングについてノートしたいと思います。
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