機関車トーマス意外と大人向け説
子供の頃から機関車トーマスが好きだった。いまだに枕カバーの下にはトーマス柄の枕が入っているし、家にはトミカ博限定のメタリックトーマスのプラレールがある。
もちろん未開封だ。プレミア価格がついているらしく、現在相場は1万円くらいになっているらしい。
そこで、現在流行の「日本から来た世界最速のケンジ」登場を記念し、トーマスのまつわる思い出を色々書いていこうと思う。
まずはなんといっても映像作品だろう。あのアニメでもパラパラでもない映像には本当に惹かれた。
幼いながらに「理性があるのに自由に行動できないのにニコニコ笑っている不気味さ」を感じ、それを楽しんでいた。
トーマスは働く機関車の作品だ。毎日人のために走り、港にあらゆる物資を運ぶ。
人の顔をして喋るのは機関車だけではなく、ヘリコプター、電車、クレーン、一部の自動車なども喋る。あの世界観は結構ガバいのでご都合でいろんなものが喋るし、顔がつく。
単発登場のキャラやちょっとだけ出てきて忽然と姿を消すキャラクターも多く、いなくなっても理由が描写されることはほぼない。
一見、作品を継続的に面白くするために代謝的に入れ替えているように見えたあのキャラ入れ替えは、今になって考えると別の答えがあるように感じてきた。
それが、機関車としての「死」だ。子供向け映像作品だから表向きに描写されることこそなかったが、産業革命時代のイギリスが舞台である点、労働者いびりが度々描写されている点を考えると、そういったトーマスが持つ当時の「労働者の実態」という本質が見えてくる。
もし、私が不勉強で仲間がいなくなる理由が描写されていたのだとしたら申し訳ないと思っているが、本当に印象、記憶に全く残っていない。
さて、具体的なストーリーを上げて話をしてみることにしよう。
まずはこれ。
「第113話 ゆうかんなパーシー」
これは、オーバーワークに苦しむパーシーが主役である。
仲間からオーバーワークでヘトヘトになっているところを馬鹿にされたり、貨車にも汚いと馬鹿にされる描写がある。
結果的に勤労の功績や機転を聞かせて事故から身を守ったことをトップハム・ハット卿に讃えられるのだが、前半の胸糞具合が結構重い。
なんだか、労働者風情が身を粉にして働いても正当に評価されないことが示唆されているような印象を受けた。
次に、この回。こちらはトーマスの煽りが有名。
「第106話 3だいのトラック」
島でせっせと働く機関車は3台のトラックの導入によって突然お役御免となる。
次々と仕事を奪われるだけでなく、顔を合わせるたびに機関車たちに向かって「役に立たない鉄クズ」と罵倒を浴びせるトラック。
しかし、悪走路を走るトラックは崖から転落。もう一台は小麦粉を積みすぎて故障。最後の一台はバック中に海に水没。
ボロボロになって帰ってきたトラック三台に向かってトーマスが放った言葉は
「おやおや、呆れたトリオじゃないか!ペチャンコに、エンコに、ドンブラコだ!」
大爆笑しながらこんな煽りをしていた。
結構パンチの効いた作品が多いので、大人が大真面目に視聴してもかなり面白いのでおすすめだ。
特に、昔の話になればなるほど「産業革命の労働者」の毛色が強いので、是非見ていただきたい。
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