日本VSコートジボワール(2020/10/13)

日本とコートジボワールの一戦を見ていく。(ちゃんと分析するのは人生で初めてなので、前半をちょっとだけ分析してみます。記事の最後の方で、今後の日本代表について少し触れます。)

フォーメーションの初期配置は、日本は4-2-3-1で、コートジボワールは3-4-3。

前半0分55秒のシーンで、ボールが相手3バックの中央から左CBに移ると、RMFの伊東が猛然とプレスに行き、ボールが相手LWBに入ったら、RSBの室屋と伊東で挟み込みに行っている。相手のサイドで攻撃の起点を作らせないという意図が伝わってくる。その守備で得たスローインを素早くリスタートさせ、鈴木武蔵が裏へ飛び出して中に折り返したところを久保がシュートにつなげている。

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6分25秒の相手3バックがボールを回しているシーンでは、久保、鈴木、伊東の3枚でプレスをかけており、相手が仕方なくロングボールを蹴り込んでいる。3枚の相手DFに3枚でプレスをかけることで、相手にビルドアップの形を作らせない守備ができている。

8分12秒で室屋にボールが入ると、鈴木が相手DFの背後にランニングをし、DFラインが下がってバイタルスペースがポッカリ開いたところに、鎌田が入ってボールを受けている。3バックが密集して、サイドに張っている伊東にボールが入り、早めにクロスをあげ、味方が飛び込んでいなかったものの、良い崩しの形が見えた。テレビの解説で戸田和幸さんも言及していたが、ポストプレーが得意な大迫ではなく、裏抜けが得意な鈴木武蔵がCFに入った時の良い攻撃のパターンであった。(この試合の鈴木武蔵は、裏抜けだけでなく、ボールをキープする役目も果たしていた。)

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前半は相手の3バックに対して、日本は3枚のFWでプレスをかけて、ハメてボールを奪おうという意図が見られた。また、日本のボール保持時は、相手3トップのプレスが緩いため、中盤までは簡単にボールを運ぶことができ、鈴木の裏抜けや、伊東の打開力を生かそうという攻撃をしていたように見えた。また、鎌田の相手と相手の間のスペースでボールを奪う動き、冨安の左足のフィード精度、ジェルビーニョと対峙した時の吉田の守備能力の高さが良かったように思う。

しかし、日本の課題として、相手が試合中に戦術を変えてきた時の修正力が挙げられる。相手が3バックの時はプレスが日本の上手くいっていたが、相手CMFケシエがDFラインに降りてきて4バックを形成するとプレスがハマらなくなり、ボールの奪いどころが見つからなかった。Jリーグでは、コンサドーレのミハイロビッチ監督が使う戦術である。

ヨーロッパでプレーする選手だけで代表が組めるというのは、日本のサッカーが技術的に進歩していることで、良いことだと思う。しかし、海外の選手に比べて、日本人選手は戦術理解度がまだ低い(伸び代がある)ように感じるので、個々のポジショニングを改善すれば、ワールドカップでもより高みを目指せると思う。森保監督には、試合中の戦術の修正と、選手の特性を理解した上での采配を期待したい。