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No.3 TEDxKyotoのデザイナーが伝える スライドデザインの方法

・3・
デザイナーの手から離れる時

長い時間を共有し、自分で手がけたものは何にせよ愛着の沸くものだ。しかしデザイナーはスライドのデザインに対してあまり思い入れを持ち過ぎ無いほうがいいと思う。

自分のデザインだ、と主張したくなるかもしれないが、アイデアはスピーカーのものであり、それを元に制作されたスライドも彼らのものだ。我々はほんの少しサポートをしたに過ぎない。

最終版が出来上がった後も、練習に熱心なスピーカーほど修正を要求してくるだろう。実際に言葉にし、繰り返し練習することによって見えてくる違和感もあるからだ。

その都度修正するのもいいが、スピーカーに編集可能なスライドデータを渡す事も選択肢としてお勧めする。日程的にタイトなタイミングで、修正の度にデザイナーに連絡をとるような手間もあまり好ましいものではない。

スピーカー自身の最後の修正によって、読み易さに配慮した文字組や、綺麗に整えた図解が崩れることもあるかもしれない。例えそうなったとしても、致命的なミスで無い限り目をつぶろう。
主役はスピーカーであって我々デザイナーではないのだから。


おわりに

プレゼンテーションのスライドデザインは、概ねこのような形で進行する。関わり方は人それぞれだと思うが、個人的には、デザイナーだけでなくコーチや、もちろんスピーカーと一緒になって創り上げるという姿勢で臨むようにしている。

なによりも、デザイナーとは、単に見栄えを良くするだけではなく、一緒になって議論しながら進めていく役割も担うのだという点を強調したい。

そして、そのためには、ゆかりさんのコーチングのレシピと同じく「聴く」という姿勢がなにより重要なのだ。


written by
TEDxKyoto Designer:Ryo SHIMIZU

Special Thanks
TEDxKyoto Speaker Coach: Yucari YONEZAWA
TEDxKyoto Curator:Ichi KANAYA

(メモおよびイメージの掲載許可を得て公開しています。またこれらの内容は著者の経験に基づくものであり、TEDxやTEDxKyotoの見解を示すものではありません。)

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