【リブランディング事例から見るデザイントレンド・2020年No.01-10】
01_RundleMall
オーストラリアのアデレードにある、40年近い歴史を誇るショッピングモール「RundleMall」のロゴタイプリニューアルデザイン。
👈優雅なディテールだったセリフ書体のロゴタイプから、👉モダンでクリーンなサンセリフへ。
円形のシンボルは実際に街中に存在するランドマークの大型オブジェをモチーフにしている。
02_Whereby(appear.in)
日本でもよく見かけたオンライン会議プラットフォーム「appear.in」が、いつのまにか名称が変更されて「Whereby」になりました。それに伴ったリブランディング事例。
👈サンセリフ系のモダンな書体から、👉スウッシュのあるエレガントな書体に。上の01_RundleMallの逆方向の事例ですね。どこかmediumを思い起こさせる印象です。
UIも刷新され、出版事業などへも展開するとのことでビデオチャットサービスというよりカルチャー誌みたいな印象に。
03_skillshare
オンライン学習サイト「skillshare」のリブランディング。
👈左側の旧ロゴタイプはウェイトが細く、先端にアール形状がついた上に、濃いグレーのカラーで、あまり主張しない柔らかいイメージでした。
👉右側の新しいデザインは、しっかりとしたブラックカラーにボールドの力強い印象へ大きく変化していて、同社の今後の方針やビジョンを示しているよう。
メディア展開における可読性を考慮してのことで、キャピタルラインまで高くした小文字の"a"、"r"、"e"が特徴的。
あえて小文字にすることで、カーブの造形と明るい円形のグリーンのエレメントとの統一をはかった感じでしょうか。
04_Belvilla
ヨーロッパを中心に35年以上の実績を持つホリデーホームレンタルの会社「Belvilla」のリブランディング。WebをみてみるとAirbnbのような民泊に近いサービスなんですかね。
👈左側の旧ロゴタイプは屋根や地面のエレメントがオレンジのカラーで描かれていることもあり、かなり主張していました。地面を表すと思われるアンダーラインも少し波打っていて違和感がありますね。
👉右側の新しい方は、それらの要素を全てそぎ落としてシンプルになり、グリーンの彩度・明度も高く調整していて今っぽさを感じます。
全部小文字にすると尚の事Airbnbっぽくなるけど、歴史はBelvillaの方が古いんですね、、、
05_GoDaddy
WEBホスティングサービス「GoDaddy」のリブランディング。
👈左側の旧ロゴタイプ、👉右側が新。
旧版に比べて書体のウェイトを細くスマートな印象になりました。
xハイトを少し高く調整しつつ、それぞれの文字の懐を広げて可読性に配慮したように見えます。
特徴的なのは、これまで存在しなかったシンボルを追加した点でしょうか。Gをモチーフにしたシンボルは、全体を緩やかなカーブで描いていて、より親しみ易い印象に。イラストと組み合わせるなど展開も幅広い。
06_KEARNEY
著名なコンサルティング会社「KEARNEY」のリブランディング。
👉創業者の名前の一部だった"AT"を削除し、全て大文字になりました。
大文字になったため、小文字の「y」のディセンダーが無くなり、全体としてよりまとまりのある印象に。
イタリック体も正体になり、レタースペースもゆったりと広がっていて落ち着いた雰囲気を醸しています。
07_Klaipėda University
リトアニアの「Klaipėda大学」のリブランディング。
👈赤と黄色の紋章をモチーフにセリフ体の書体を組み合わせたトラディショナルな雰囲気の左側のものから、👉青一色になりのサンセリフ体のモダンな印象に。
もともと用いられていた紋章のディティールは踏襲しながら、非常に上手に省略されていて、かなり小さくしても何かがわかるのは素晴らしいのでは。
ただ本のアイコンは白の面積が大きく下がって見える、、、
KとU(Uは紋章のモチーフのもの)を組み合わせた展開は、シンプルでありながら力強く綺麗です。
08_National Children’s Bureau
イギリスの子供向けチャリティ「National Children’s Bureau」のリブランディング事例 。
子供の身体に見立てたシンボルと、ディテールを統一したロゴタイプが綺麗です。
派手すぎないカラーパレットで展開されたアプリケーションも魅力的。
特にシンボルは、先端が丸まったラインを5本組みあわせて描いているが、下側の2本のみ繋がっている。それを配慮しつつ、正五角形に見えるような細かい視覚調整などはとても参考になります。
09_Northrop Grumman
航空機や宇宙船を製造する「NorthropGrumman」のリブランディング。
👈イタリック体の下に細い弧を描いた航空会社らしい印象から、👉Futuraの太いゴシック体の正体になり、どっしりとした信頼感のある印象に。
右上L字のマーク、二段組だとどこか落ち着かない気もするが、アイデンティティ表現としては面白い。
10_Hudson
北米の旅行代理店「Hudson」のリブランディング。
👈以前はセリフ書体と同じような先端に行くに従って細くなるディテールのスウッシュで印象が古い。
👉新しいものは太いサンセリフ体と、Hを反転させたシンボルがシンプルでいい感じなのでは。
このシンボルのお陰でアプリケーションも展開の幅が広がってますね。
【まとめ】
2020年初頭に気になったリブランディングの事例をひとまず10つ、並べてみました。マーケットや業態も様々異なるのですが、なんとなく全体的なトレンドは昨年からそのまま続いている印象です。
・ともかくシンプルに、シンプルに
・サンセリフ体、広めのレタースペース
・イタリック体よりも正体に
・書体のウェイトは太く
・色数を減らし、シンボルとロゴタイプも同じ色で統一感を演出
・カラーの彩度明度は高く、はっきりしたものへ
(Webなどデジタルメディアへの展開を想定しているからではと思われます。このままの色味を印刷では再現できないのでは、というようなものもありました。)
とはいえ10つの事例だけなので、事例収集を続けていきたいと思います。
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