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生活の建築知識.71

おはようございます。

比較的簡単に行える家のメンテナンスは塗装ではないかと思います。
特にフローリングや棚、テーブルであってもやれないことはありません。
しっかりメンテナンスを行なってあげれば、長く美観を保てますし、愛着も湧いてくるでしょう。
ただしメンテナンスの塗装を行う際に、もともとの仕上げがどのような状況かを理解して行うことが大切です。
せっかく手をかけるのであれば的確に実施出来るように、今回は室内においてどのような材料の使い分けをすることで良いメンテナンスが出来るか説明していきます。

条件を絞ってしまいますが、今回は木部における塗装を考えていきます。
室内に置いて木部はフローリング・棚板・窓枠・カウンター・テーブル・階段などが考えられます。
場所にもよりますが、木部での塗装はオイル塗装・ウレタン塗装・ペンキ(水性・油性)、つまりはほぼどの塗料となるパターンも考えられます。
第一に既存の状態が何で仕上がっているか確認してみてください。
例えばペンキで塗られている場合は、メンテナンスでもペンキとしてください。
注意としては、出来れば水性のペンキを選ぶことをおすすめします。
既存が油性だと変わっており、メンテナンスで油性を選定することは良いですが、水性か油性かわからない場合は水性としてください。
理由としては、既存が水性であり上から油性を塗ると含有しているシンナーにより既存の塗料が溶けてしまう可能性があるためです。
そうなると仕上がりも悪くなります。
また、油性塗料は匂いも強めで苦手な方もおられると思いますので、水性塗料を選定することが良いでしょう。
強いて付け加えれば、水性塗料より油性塗料の方が耐久性があるとされています。
しかし、塗料の性能は近年非常に向上しているため、水性塗料でも十分な耐久性がありますので、メンテナンスで利用されることは何ら問題ありません。

既存の状態が木目を活かした塗装がされている場合ですが、一度表面の質感を確認してみてください。
ザラザラと木の質感がするようであればオイル塗装である可能性が高いですが、ツルツルする膜が表面にある場合は、ウレタン塗装がされている可能性があります。
先にオイル塗装の場合を説明しますが、同じ色・もしくは近くて少し濃い色のオイル塗料を選定すると良いでしょう。
塗る際はハケなどである程度満遍なく塗り、布で広げながら拭き取るように仕上げてください。
オイル塗料は粘度がなく、ハケで塗っただけですとムラがどうしても出ます。
布で拭き取ることで綺麗な仕上がりとなりますので、このように実施してみてください。
注意点としてオイル塗料全般に揮発性があり、引火の危険性があります。
塗料の説明書きに必ず記載があると思いますので、そちらを読み適切な保管をしてください。
※本当に火災になったという事例も聞いたことがあります。
ウレタン塗装の場合ですが、残念ながらこのまま塗っても良い仕上がりにはなりません。
ウレタン塗装は表面に塗膜を作り、美観を長く保つ効果がありますが、一方で塗膜が剥がれ始めるとメンテナンスをするためには一度その塗膜を剥がさないとなりません。
剥がし方はとにかく研磨することです。
サンドペーパーを使って削り取り、そこでやっと塗装が出来る状態となります。
ウレタン塗料は基本的に透明ですので、色がある場合は先にオイル塗料などを使って染色してください。
乾いたらウレタン塗料の下地塗料(サンディングシーラー)を塗り、乾いたらサンドペーパーで表面をツルツルにしてからウレタン塗装を塗ってください。
最後に乾いたら表面を確認してザラつきがあればさらにサンドペーパー掛けをして仕上がりです。
この説明からもわかるように、ウレタン塗装は非常に手間と時間がかかるため、メンテナンスでは少々ハードルが高いかもしれません。
しかし、テーブルなどの家具であれば多少やりやすさはありますので、大切にしているテーブルがあればやってみる価値はあると思います。
どうしてプロにお願いしますと、工程が多いためにそれなりに高額になることが想定されます。

私も仕事を始めたばかりの頃は、塗料はどれを選定すれば良いのかとわかりませんでした。
やり方も含めてわからないことは全然普通のことなので、ホームセンターなどでも聞いたりして楽しんで試してもらえれば良いかと思います。

塗装のメンテナンスなんてやる意味あるのかと思われる方もいるかもしれませんが、一度劣化してしまった木部は直すことが出来ずに交換するしかありません。
手間かもしれませんが、塗装メンテナンスさえすれば大きな手間を省くことが出来ますので是非実施してもらえればと思います。

では、また。

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